新海誠監督:3年ぶり新作の舞台は飛驒 美しい風景描写は“地元自慢”の気持ち

名古屋市内で劇場版アニメ「君の名は。」の会見を行った新海誠監督
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名古屋市内で劇場版アニメ「君の名は。」の会見を行った新海誠監督

 劇場版アニメ「秒速5センチメートル」などで知られるの新海誠監督が23日、名古屋市内のホテルで、約3年ぶりの劇場版アニメ「君の名は。」(26日公開)の会見を行った。東京に住む男子高校生と、山深い田舎町に住む女子高校生の恋と奇跡を描いた物語で、田舎町は、岐阜・飛驒の架空の町に設定されている。新海監督は「神秘的な雰囲気と、知られざる歴史を積み重ねてきたような場所というイメージで選んだ。あとはストーリー上、東京から、遠すぎず、近すぎずという距離感」と、飛驒を舞台に選んだ理由を明かした。

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 新海監督の作品は、綿密で美しい風景の描写が特長の一つ。今作でも東京の街並み、飛驒の風景が綿密に描かれている。作品には海外のファンも多く、先月、米国ロサンゼルスで行われたワールドプレミアでは約3400人の観客が5分を超えるスタンディングオベーションも行ったことも話題になった。

 リオ五輪の閉会式で、2020年の東京五輪のPRパフォーマンスに、ドラえもんなどアニメやゲーム、マンガのキャラクターが登場し、注目を集めたことから、今作での海外へのアピールを聞かれると「作り手は、グローバルな作品を作りたいというより、単に自分たちが育ってきた風土を描こうとしている。それを外から見るとエキゾチックで新鮮に見えるんだと思う」と、ことさらに海外展開を意識しているわけではないことを説明。一方で、自身の住む東京の姿を描くことに「地元自慢のような気持ちはありますね。こんなきれいな街に住んでいるんだということを、来たことがない人に誇りたい。それが結果として(海外に)届いているのでは」と考えを語った。

 会見には主人公・瀧の声を演じた神木隆之介さん、ヒロイン・三葉の声を演じた上白石萌音(もね)さんも出席した。

 「君の名は。」は、1000年ぶりとなる彗星の来訪を1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉と東京で暮らす男子高校生の瀧が、入れ替わってしまう……というストーリー。ほかに長澤まさみさん、谷花音さん、市原悦子さんらが声優を務めている。

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