注目映画紹介:「聲の形」 重いテーマの原作を繊細にアニメ化

「聲の形」のビジュアル(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会
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「聲の形」のビジュアル(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

 大今良時さんのマンガが原作の劇場版アニメ「聲の形(こえのかたち)」(山田尚子監督)が17日、公開される。聴覚障害のあるヒロインへのいじめの描写が生々しいことなども話題になったマンガが原作で、人気アニメ「けいおん!」などの京都アニメーションが製作。重いテーマの原作を繊細な表現でアニメ化している。

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 「聲の形」は、聴覚障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の孤独や絶望、愛などを描いた大今良時さんのマンガが原作。「別冊少年マガジン」(講談社)2011年2月号と「週刊少年マガジン」(同)13年12号に読み切りが掲載され、読者の反響や監修の全日本ろうあ連盟の後押しもあり、「週刊少年マガジン」(同)で13年8月~14年11月に連載された。

 山田監督は劇場版アニメ「けいおん!」「たまこラブストーリー」といった傑作を生み出してきたこともあり、重いテーマの「聲の形」をどう料理するか楽しみにしているファンも多いだろう。アニメは、コミックス全7巻の原作を約2時間にまとめている。カットされたエピソードもあり、原作のファンはあのシーンがない……などと感じることもあるかもしれない。しかし、約2時間の中で、硝子や将也の繊細な心の動きが丁寧に描かれ、原作の“核”となっているところが詰め込まれている。

 映像が美しく、光や水、花火などの表現がキャラクターの感情のメタファーにもなっているようにも見える。アニメでしか表現できないであろう映像表現にも引き込まれた。

 声優陣の熱演も見どころだ。「魔法科高校の劣等生」の司波深雪役などで知られ、若手実力派とも呼ばれる早見沙織さんが硝子役に挑戦。聴覚障害のある難役だが、言葉にならない感情を自然に表現している。また、女優の松岡茉優さんが小学生時代の将也を好演。松岡さんが出演していることを知らなければ、気が付かないかもしれない。17日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/MANTAN)

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