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聲の形:山田尚子監督が語る製作の裏側 「感性で作ることを意識」

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劇場版アニメ「聲の形」のビジュアル(C)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

 「けいおん!」などの京都アニメーションが製作した劇場版アニメ「聲の形(こえのかたち)」(山田尚子監督)が17日、公開された。聴覚障害のあるヒロインへのいじめの描写が生々しいことなども話題になったマンガが原作で、人気アニメ「けいおん!」「たまこまーけっと」などの山田監督が手がけたことでも注目されている。「セオリーを無視しないと(見る人の心を)揺さぶれない。感性で作ることも意識しました」と話す山田監督に同作に込めた思いを聞いた。

 ◇本能に訴えられるか

 「聲の形」は、聴覚障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の孤独や絶望、愛などを描いた大今良時さんのマンガが原作。「別冊少年マガジン」(講談社)2011年2月号と「週刊少年マガジン」(同)13年12号に読み切りが掲載され、読者の反響や監修の全日本ろうあ連盟の後押しもあり、「週刊少年マガジン」で13年8月~14年11月に連載された。

 山田監督は原作を読み、「生理的な部分が揺さぶられる作品だと思った。映像体験として人の心をつかむ……ということに挑戦できる作品。本能に訴えられるかが大事になる」と感じたという。

 アニメでは、コミックス全7巻の原作を約2時間にまとめた。山田監督は「映画として一本でまとめたいと考え、本質を抽出する作業を大事にしました。原作が発信しようとしていた部分を何とか受け取っていけば、まとめられると思った。(脚本の)吉田(玲子)さんのパワーも大きいです。大変でした! あのシーンもこのシーンも……と作ったので、そのジタバタした感じがバレていなければいいのですが」と苦労を明かす。

 ◇ロジックを大事にしながらセオリー無視も

 「聲の形」は、約2時間の劇場版アニメということもあり、原作のすべてのエピソードが盛り込まれているわけではない。山田監督は「どこまで拾うか?というさじ加減が大変でした。突拍子もないような感情が描かれているわけではなく、誰でもあるような感情なので、難しくはありませんでした。ただ、かじ取りを間違ったら大変なことになりますが」と話し、「組み立てていくときはロジックを大事にしていて、数学的なところもあるけど、セオリーを無視しないと(心を)揺さぶれない。感性で作ることも意識しました」と“かじ取り”をしたという。

 “感性”の演出は随所に見ることができる。アニメでは、キャラクターの表情以外にも背景、音楽などさまざまな要素で、キャラクターの心の動きを丁寧に表現している。「映像では本能をくすぐることができる。そういうところをコントロールできるのがアニメの魅力。本当はないものが描かれていて、なんでだろう?と思うところが、心に残ることもあります。色の調整も面白いところ。現実ではありえない色で表現しても、気持ち悪くならず、心地よくなることもあります。色や波動などを考えたところもあります」と明かす。

 「聲の形」の繊細な表現で、ますます注目を集めていきそうな山田監督。今後については「ジャンルでものを考えられないのですが、人は描きたいです。人をちゃんと描く作品をこれからもやりたい。SFでも少女マンガでも少年マンガでも、人をむげにしない作品を作っていきたいです」と話していた。

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