華恵:登山歴10年のエッセイストが北アルプスの山岳古道に挑戦 「宝探しのよう」

北アルプスの古道「信越連帯新道」を歩いたエッセーストの華恵さん=NHK提供
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北アルプスの古道「信越連帯新道」を歩いたエッセーストの華恵さん=NHK提供

 登山歴10年というエッセイストの華恵さんが、中部地方の絶景を特集するNHK名古屋放送局のテレビ番組「中部ネイチャーシリーズ」の企画で、140年ほど前に存在し現在は“幻の道”といわれる北アルプスの古道「信越連帯新道」を初めて歩いた。140年前に思いをはせながら歩いたという華恵さんは「登山というよりも探険のような、宝探しのような感覚でした」と振り返った。

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 番組は、同局が2013年から実施している、中部地方の自然を番組やイベントを通じて特集する企画「中部ネイチャープロジェクト」の一環で、今回が今年2回目の放送。第1回は俳優の金子貴俊さんが南アルプスの登頂に初挑戦し、ほかに俳優のうじきつよしさんが福井の海岸を訪れる様子などを中部7県で放送する。全4回。

 今回、華恵さんが歩いた「信越連帯新道」は、140年ほど前に富山から長野まで塩を運んだ道で当時、2年ほど存在していたという。華恵さんは長野県大町市を出発し、山岳ガイドの佐伯岩雄さんとともに日本三大雪渓の一つ針ノ木雪渓を通って、針ノ木峠、針ノ木谷へ。沢歩きをしながら黒部湖へ向かい、刈安峠からお花畑のある五色ケ原、信越連帯新道の要衝とされるザラ峠、立山カルデラというルートで富山市原地区に到着した。途中、雨で足止めをくったり、台風のために天気待ちをしながら5泊6日かけて歩いた。

 「思った以上に、昔の人の気配がありました。思いをはせて想像し始めると、止まらなくなり、とても楽しい」と振り返った華恵さん。刈安峠の石畳の道が印象的だったといい、「もしかしたら忍者がいるかもしれない……と思うくらい風情のある道。コケや木々の雰囲気もありますが、歩いていると、ふと昔の景色がぱーっと立ち上がるような瞬間があって、あの感覚はとても面白かったです」とコメント。さらに「道があった場所に、草はもちろん、木々が生えはじめて太く立派なものになっていく。過去を覆いつくす自然の強さは想像以上でした」と話している。

 また「どう感じるかは自分の想像力次第」といい、視聴者へ「それぞれの想像力を働かせて、一緒に探検している気分で“タイムトリップ”を楽しんでいただけたら」と呼びかけている。

 華恵さんが南アルプスを訪れた様子は、中部7県で7日午後7時56分から「中部ネイチャーシリーズ 第2回 北アルプス 山岳古道を行く~富山と長野をつなぐ“山岳ハイウェイ”の旅~」(総合テレビ)と題して放送される。俳優の谷原章介さんがナレーションを担当する。第3回は、うじきさんが福井の海岸の魅力に迫り、21日に放送。伊勢志摩の海中世界にスポットを当てた第4回が28日に放送される。

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