ゲーム誌「ファミ通」の編集長などを務めたカドカワの浜村弘一取締役は14日、現在のゲーム機の市場競争について、従来のゲーム機のシェア争いがなくなり、ユーザーコミュニティーの争奪戦になるとの見方を示した。浜村さんは「今後ゲーム機は、世代交代ではなく、バージョンアップをさせる形になるだろう。私の予測だがPS5は当面出ない。本来なら『PS4Pro』もPS5と呼んで問題ないぐらいだが、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はそうしていない」と話した。
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同日に東京都内で開かれた関係者向けのセミナー「ゲーム産業の現状と展望」で明かした。浜村さんは「ゲーム機は、これまでは世代交代を繰り返していたが、新型機が出るたびにユーザーがリセットされ、次世代機の競争に負けるリスクがあることに各社が気付いた。だがネットワークIDを握れば、ゲーム機の切り替えに関係なくユーザーを囲い込める」と指摘。SIEのネットワークサービス「プレイステーションプラス」が2000万人の有料会員(1人あたり年間約5000円)を抱えてビジネスとして成功している例を挙げ、サービスの重要性を強調した。
また13日に発売されたPS4のヘッドマウントディスプレー「PSVR」や、「Vive」などのVR(仮想現実)市場についても解説した。「VRは今後流行するのか?」という質問について浜村さんは、「VRはモニターの進化。流行するしないではなく、必ず来るもの」という元コナミのゲームクリエーターで「コジマプロダクション」の小島秀夫さんのコメントを紹介した。浜村さんは、将来的にスマートフォンを活用したVRが普及し、ハイエンド型のPSVRと二極化した後で、最終的にメガネのように小型化するという将来像を紹介した。「VRはまずリテラシー(知識)の高い人が買い、普及が進むとコンテンツの種類が変わる。今はコンテンツの価格もまちまちだが、いずれ収斂(しゅうれん)されるだろう」と話した。
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