テレビ質問状:「WHO I AM」 パラリンピックドキュメンタリー初回はブラジルの競泳・ディアス選手

「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」のダニエル・ディアス選手(ブラジル)
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「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」のダニエル・ディアス選手(ブラジル)

 IPC(国際パラリンピック委員会)とWOWOWが共同で立ち上げたパラリンピックドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」。リオパラリンピックが開催される2016年から、東京大会が開催される2020年まで5年にわたり、世界最高峰のパラアスリートたちに迫る大型スポーツドキュメンタリーシリーズだ。10月から第1シーズンとして、8人のパラアスリートに密着した放送がスタートする。初回は22日午後9時から競泳のダニエル・ディアス選手(ブラジル)をフィーチャーした回がWOWOWプライムで放送される(無料放送)。番組プロデューサーを務めるWOWOW制作局制作部の太田慎也プロデューサーに番組の魅力を聞いた。

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 ――ダニエル・ディアス選手に注目した理由は?

 昨夏、WOWOWがIPC(国際パラリンピック委員会)と共同で今回のドキュメンタリーシリーズを立ち上げることを発表した直後、私たち取材班はスコットランド・グラスゴーで開催されたIPC水泳世界選手権に行きました。その大会で圧倒的な輝きを放っていたのが、ダニエル・ディアス選手でした。計8種目に出場し、実に7種目で金メダルを獲得。その驚異的なパフォーマンスにくぎ付けになったのはもちろんですが、ブラジル選手らしい陽気なキャラクターや、彼の発する言葉の一つ一つが、まさに私たちがこのシリーズを通して伝えたいことを体現していると感じ、私たちは一瞬にして彼の虜(とりこ)になりました。ましてや彼は、1年後に母国開催となるパラリンピックを控えているということで、「ぜひ取材したい」と思ったのです。

 ――ダニエル選手との撮影中のエピソードは?

 実際にディアス選手を取材してみると、彼は人生に対しても水泳に対しても、とても真摯(しんし)に向き合っている一面が見えてきました。家族と過ごす時には、夫や父親としての責任感にあふれ、友人たちと過ごす時は子供のような笑顔になり、トレーニングをしている時は誰よりもストイックに自分と向き合っていました。北京とロンドンの過去2回のパラリンピックで既に15枚ものメダルを獲得し、10もの世界記録を保持している彼が、どうして今もこうしてさらなる高みを目指せるのか……。取材を重ねるにあたって気づかされたことは、彼の人間としての魅力でした。彼の言葉は、水泳選手という枠でも、スポーツ選手という枠でも、ましてや障害者という枠でもない、誰しもが自分のこととして受けとめることのできる、人としての志の高さにあふれた、普遍性のあるものばかりだと気づいたのです。

 ――視聴者へ見どころを一言お願いします。

 9月に開催されたリオデジャネイロパラリンピックには、世界中から4000人を超えるアスリートが集まりましたが、キャリアの絶頂で母国開催を迎えるという奇跡的ともいえる運命を持ったディアス選手は、その中で最も注目を集めた選手でした。半年にわたり密着取材を行いましたが、彼は技術面な課題はもちろん、母国開催の重圧とも闘っていました。その全軌跡を、ぜひじっくり味わっていただけたらと思います。決して、障害のある人がいかにそれを乗り越えたかという話ではなく、特別な世界にいる特別な人の話でもありません。誰しもが人生のヒントになるような、ディアス選手の“普遍的な輝き”を感じ取っていただけたらうれしいです。

 そして、「WHO I AM」には、ディアス選手以外にも7人のメダリストが続々と登場します!

 WOWOW 制作局制作部 プロデューサー 太田慎也

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