わろてんか:来秋朝ドラは“笑いと恋”の物語 「“月9”のような感じで」 ヒロインはオーディション

来年後期の朝ドラ「わろてんか」について語る制作統括の後藤高久さん(左)と脚本家の吉田智子さん
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来年後期の朝ドラ「わろてんか」について語る制作統括の後藤高久さん(左)と脚本家の吉田智子さん

 2017年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)が、吉田智子さん脚本の「わろてんか」に決定し、10日、同局大阪放送局(大阪市中央区)で会見が行われた。いつも周りに笑いをふりまくヒロインの藤岡てんの物語で、制作統括の後藤高久さんは「“笑い”をテーマにしたドラマには間違いないが、それ以上に(吉田さんに)お願いしたのは、主人公とその夫となる男のとてつもないラブストーリーを見たいと」と伝えたといい、吉田さんは「てんを中心に夫婦の深い愛を描きたい。それが三角関係、四角関係となってくるけど、非常に明るく楽しくかつハラハラドキドキな恋を描く。(朝ドラなので)ドロドロではありません。さわやかです」と明かした。

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 番組のテーマは笑い。舞台は明治の後半から第二次世界大戦時の大阪で、「大大阪」と呼ばれ繁栄を誇った商都・大阪が戦火で全て灰じんに帰するという波瀾(はらん)万丈の半世紀を描く。いつも周りに笑いをふりまくヒロインのてんが、ひょんなことから小さな寄席経営をはじめ、ついには日本で初めて笑いをビジネスにした女性と言われるまでになるまでのストーリーになるという。

 京都で古くから続く薬種問屋の長女に生まれたてんは、厳しい父親から「人前で笑ってはいけない」と教わり育つ。しかし、大阪・船場の米穀商の跡取り息子・北村藤吉との出会いが人生を一変させる。「人生には笑いが必要」という考えを持つ芸事好きの藤吉と恋に落ち、駆け落ち同然で結婚。笑って生きる喜びに心躍ったのもつかの間、藤吉が店を傾かせてしまう……という展開になるという。

 吉田さんはドラマ「働きマン」や映画「ホットロード」「アオハライド」など魅力的なヒロインが登場する作品を数多く手がけている。今作のヒロインは吉本興業創業者の吉本せいがモデルで、吉田さんは「吉本(興業)を女性の方が築き上げたと初めて知って、東京の人間として衝撃を受けた。あくまでもモデルで内容はオリジナルストーリーだけど、そこはお笑いを日本中に広めた魂を大切に描いていきたい。私が受けた感動をそのまま描いていけたら」と意気込み、後藤さんは「見ていただければ全くのオリジナル(になる)。『笑うことが人生にとって一番大切』と伝えるのに一番面白いストーリー。僕は今の人に“それ”を見せるのにはラブストーリーが一番いいと思っていて、そういう意味では“月9”のような感じで見てもらえる部分がある。そうなればいいなと思っている」と語った。

 ヒロインはオーディションによって選ぶといい、後藤さんは「明るく優しい女の子という設定なので、そこに合致する方に出てきてもらいたい。(条件は?)特にはないけど、笑顔がキュートということはあるかも」と語っていた。

 放送は17年10月2日から、全151回を予定している。同年5月中旬からクランクイン予定。 

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