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この世界の片隅に:片渕監督に聞く ヒットで「夢が正夢に」 次回作は「引き出しの中にたくさん…」

アニメ 映画
「この世界の片隅に」を手がけた片渕須直監督

 ヒット中の劇場版アニメ「この世界の片隅に」を手がけた片渕須直監督。いわゆる“単館系”の作品で、昨年11月12日の公開当初は63館という小規模の公開だったが、順次上映劇場を広げて年明けからは190館を超え、観客動員数も100万人を突破するなど異例のヒットを記録している。連日のように異例のヒットについて報じられる中、片渕監督を直撃。ヒットした現状、次回作の構想などについて聞いた。

 ◇監督は無制限に夢を見る立場 夢が正夢に

 「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代さんのマンガが原作。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。劇場版は、女優ののんさん(能年玲奈から改名)がすずの声優を務めていることも話題になっている。

 片渕監督は、異例のヒットについて「想像以上でありつつ、監督は無制限に夢を見る立場だと思う。自分が作った映画はお客さんがいるに違いないと思いながら作っている。その夢が正夢になっていると感じています」と心境を明かす。

 ◇史上初めての民主的な映画 ボーダーも超えられた

 同作は、クラウドファンディングで資金を集め、ファンの口コミで話題になった。また、「第71回毎日映画コンクール」の日本映画優秀賞、「第40回日本アカデミー賞」の優秀アニメーション作品賞を受賞するなど高い評価を得ている。

 片渕監督は「初めからお客さんの応援があった。『史上初めての民主的な映画』と誰かが書いていましたが、僕らの実感もそうなんですね。僕らがこういうふうになってほしいと思っている以上のことをファンの方がやってくれている。ファンの方が劇場にポスターを置いてもらいに行ったり、上映していない劇場の人が宣伝をしてくれたり、いろいろなボーダーが超えられた。実写とアニメーションのボーダーも超えられたと思います」とファンに感謝の言葉を語る。

 ◇次回作は一度回復してから新鮮な気持ちで

 片渕監督は「名探偵ホームズ」「魔女の宅急便」などに参加し、アニメファンには、広江礼威さんのマンガが原作のテレビアニメ「BLACK LAGOON」の監督を務めたことで知られている。また、09年公開の劇場版アニメ「マイマイ新子と千年の魔法」も高い評価を得た。一方で、「この世界の片隅に」をきっかけに、その存在を知った人もいるかもしれない。

 「この世界の片隅に」のヒットを受けて、片渕監督はテレビ、新聞などさまざまメディアに登場。「マイマイ新子と千年の魔法」がリバイバル上映され、舞台あいさつにも登場するなど忙しい日々が続いている。多忙な現状について「正直、今ごろは暇になると思っていたのですが……。休めていないですね。家の玄関のドアを修理しないと」と笑顔で話す。

 気が早いかもしれないが、次回作に期待する声も多い。片渕監督は「一応考えてはいます。今までこういう物を作りたい……という作品は、企画の段階で実現が難しかった。自分から(企画を)出して、完成した長編は『この世界』が初めてでした。それがうまくいった。今までやりたいと思っていたものが、引き出しの中にたくさん入っているので、それをどうしようかな?と考えています。『この世界』は肉体的な疲労も大きかったので、一度回復してから改めて新鮮な気持ちで臨みたいですね」と話しており、“再始動”も期待される。

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