ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
声優の堀内賢雄さんの吹き替えの名演を特集した「吹替王国 #10 声優:堀内賢雄」が25日午後5時15分から、CS放送の映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送される。「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」のスティーブ・サンダース(イアン・ジーリングさん)のほか、ブラッド・ピットさんらの作品の吹き替えで30年以上、第一線で活躍するベテラン。吹き替え声優としてのキャリアを堀内さんに振り返っていただいた。
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59歳の堀内さんが吹き替えに初挑戦したのは「25歳くらいの時、『バファロウ平原』に出たのが初めてですね」といい「最初は下手くそで、音響監督によく苦労をかけましたよ。いつも怒られていた」。
堀内さんは「機動戦士ガンダムZZ」のマシュマー・セロ役などで知られ、近年では「鬼平」の長谷川平蔵(鬼平)役なども話題になった。アニメやゲームと吹き替えの違いについては「基本的には同じだと思います。ただ、アニメは作品によって『デフォルメして下さい』『洋画のようにして下さい』と言われたり、バラバラですが」と話す。
30年以上にわたって活躍する中で変化も感じている。「昔は『声を張れ!』とよく言われたけど、今は『大きな声を出さないでいい』と言われることもある。監督や現場によって違うんですよ。『ささやくくらいでいいです……』と僕のスタイルとは違う要望の時は苦労しますね。そんな訓練を受けたことがないので。ただ、やってみて、オンエアを見るとすごくきれいな音なんですよね」
「今も勉強中みたいなところがありますよ」と謙虚に語る堀内さん。「なれ合いにならない。巨匠にならない。いつも思っています。年を重ねると味が出てくるけど、口が動かなくもなる。与えられた役を真摯(しんし)に受け止めて、若い時と同じようにやる。その辺が楽しいんですね」と、現場に臨む姿勢は駆け出しの頃から変わっていないという。「『すごいよ!』なんて言われることはないですよ。それが役者なのかもしれません。何も言われなくなったら寂しいですよね」
今でも音響監督らから意見を「ガンガン言われる」といい「『鬼平』の時も大変でしたよ。演技が『全然違う』となって、変わっていった。そこで『何だよ!』と思っていたらできません。カチンときたら終わりですよ。冷静に受け止めて、ニュートラルにやってみるんです。若い時は怒られて『恥ずかしい……』と思っていた。でも、一人で作品を作っているわけではない。みんなで作っていることを感じながら演じています。物作りですから、良くなる時は喜びを感じますね」と話す。
堀内さんの名演の一つに「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」のスティーブ・サンダース(イアン・ジーリングさん)役がある。語尾に「やんす」を付けるなど独特のせりふやアドリブのような軽快な口調が人気を集めた。アドリブにも聞こえる演技もあるが「僕は基本的にアドリブは入れないんです」といい「『やんす』も台本のまま。僕は台本をいじらない。これまでアドリブを入れたのは『危険戦隊デンジャー5 ~我らの敵は総統閣下~』くらいです。『アドリブを入れて下さい』ということだったんですよ」と明かす。
長年、吹き替えに携わってきて、得がたい経験もあった。「新人の時、同じ映画の吹き替えを4回くらい収録したこともありました。テレビ、ビデオ、飛行機用などの吹き替えがあって、同じ映画なのに役が違ったりしてね。面白かったですよ。こんなの一生続いたら、仕事に困らないな……と思っていたのですが、すぐにそういうことが無くなりましたね。時代を嘆いても仕方がないけど、吹き替えの全盛期に仕事をさせていただいたのが楽しかった。先輩の技も見ることができましたし」と振り返る。
「地道にやっていればこうやって特集を組んでいただけるんですね……。人に恵まれたんですよ。うまくなくても可愛がってくれる人がいたからです」としみじみと語る堀内さん。
25日は「ベスト・フレンズ・ウェディング」「シャークネード」「人生、サイコー!」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」が放送される。名演を一挙に楽しめそうだ。
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