松坂桃李:2度目の朝ドラ出演で“変化” 芸事特訓の苦労も

10月2日スタートのNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演する松坂桃李さん=NHK提供
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10月2日スタートのNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演する松坂桃李さん=NHK提供

 俳優の松坂桃李さんが、10月2日にスタートする女優の葵わかなさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「わろてんか」(NHK総合)に出演する。松坂さんは、2012年放送の「梅ちゃん先生」以来、約5年ぶり2度目の朝ドラ出演となり、「改めて、朝ドラは大変で難しい。大きなことをやっている実感があります。自分の中で心の準備を一日一日、やっておかないといけない」と話す。松坂さんに今作への思いを聞いた。

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 ◇2度目で「見える部分の幅が広がった」

 「わろてんか」は京都の老舗薬種問屋に生まれたヒロイン・てん(葵さん)が、笑いをこよなく愛する夫の北村藤吉(松坂さん)と大阪を日本一の“笑いの都”にしていく姿を描く。

 松坂さんは「改めて、朝ドラは大変で難しい。台本がどんどん出来上がる中で、ちゃんと自分の気持ちを構築しておかないと置いていかれ、パニックになるので、自分の中で心の準備を一日一日、やっておかないといけない」と話す。前回の「『梅ちゃん先生』の時は、言うほど何かを分かっていたというわけではなかったのですが、今回、『わろてんか』に入ったときに、前回より見える部分の幅が広がった」という。

 朝ドラの撮影について「(台本通り)順番に撮影するわけでない。(前回は)監督、スタッフさんらにうまく転がされて、なんとかやってこられたんだなって。前回より、スタッフさんが裏で動いていることとかが見える。全スタッフ、キャストがこれだけの動きや働きをしないと(朝ドラは)完成し得ない作品だと思う」と真剣な表情で語る。

 ◇藤吉の“少年時代”にも挑戦 演技に工夫を

 松坂さんが演じる藤吉は、大阪の老舗米問屋の長男で、家業を継ぐのが嫌で旅芸人をしているが芸の才能はない。心優しく人を信用しすぎて失敗する時もあるが、てんを「一生笑わせてやる」と誓い、その実現のために突っ走るロマンチストな男……というキャラクターだ。

 松坂さんは、劇中で藤吉の少年時代も演じるといい「(てんの幼少期を演じる子役の)新井美羽ちゃんや(武井風太の幼少期を演じる鈴木)福くんと一緒のシーンで、実年齢の差がかなりあるので、客観的な見え方に“チグハグ”な感じがすると思うのですが……。できるだけチグハグさが軽減するように見えればいいなってと思い、若干、話すテンポや声のトーンを変えたり、お芝居する中でなるべくかがんだりと工夫しました」と振り返る。

 ◇芸事の練習に苦労 監督と“衝突”も?

 劇中で、さまざまな芸事を披露するという松坂さんは「イノシシのかぶりものを着けて『ブヒー』って言うなど、それらを通して藤吉は芸事が好きなんだなって身をもって実感することができました。自分から役作りをするというよりは、与えられたことを通して、(演じているうちに)自然と作ることができました」と手応えを語る。

 芸事の特訓は「しました(笑い)。監督から、うまくできなくてもいいって言われたのですが、さすがに形になってないといけないので。大変でした」と苦労を明かした。「傘に升を乗せて回すのをやるとか、いろいろ投げられたのですが『これは、できません』って言ったものもありました。役者冥利に尽きるとは思うのですが……」と苦笑した。

 藤吉は「感情の表し方がストレートで、見ていて気持ちがいい」と語る松坂さん。藤吉と自身を重ね、「藤吉みたいに“まめ”なタイプではないです。マネジャーさんから(番組などで使う)アンケートは『まだですか? 3日前にも言いましたけど』みたいな(笑い)。30歳を前に“ほうれんそう(報告・連絡・相談)”ができていないのは、恥ずかしいですね。直したいんですけど……」と明かし、「遠距離恋愛とか、妄想の中ではうまくいくと思うけれど、現実では難しいかも。まめじゃないですからね」とちゃめっ気たっぷりに答えた。

 「お笑いは心の薬」と話す松坂さん。笑いを愛する藤吉と、周りを朗らかにしながら自分もよく笑うてんらが“笑い”を伝える物語がスタートする。「わろてんか」は10月2日~2018年3月31日にNHK総合ほかで放送。全151回を予定。

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