元NHK三宅民夫アナ:地元・名古屋で民放初仕事に「ドキドキ」

東海テレビで放送されるドキュメンタリー番組「家族のキモチ」のナレーションを担当した三宅民夫さん
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東海テレビで放送されるドキュメンタリー番組「家族のキモチ」のナレーションを担当した三宅民夫さん

 今年7月末でNHKを退職し、フリーアナウンサーとなった三宅民夫さん(65)が、ナレーションを担当する東海テレビのドキュメンタリー番組「家族のキモチ」が8日、東海エリアで放送される。民放の仕事をするのは今回が初めてで、三宅さんは今後の活動について「志があり、テレビのため、地域のためになる番組に、私で役に立つなら(NHK、民放問わず)幅を広げてやっていきたい」と意欲を見せた。

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 三宅さんは、名古屋市出身ながらNHKでは東京での勤務が長く、「ずっとふるさとで仕事がしたいと思っていた」といい、今回、東海テレビでのナレーション収録に「ドキドキしながら来ました。ふるさとの仕事ができるありがたさを感じている」と感慨深げ。収録では、NHKとの違いもあり「驚いたところもあった」というが、「番組の作り方は違うけれど、ベースにある番組が好きな人たちの空気は似ている。そこは放送局の枠を超えているんだと思う」と感想を語った。

 今回ナレーションを担当した「家族のキモチ」は、2014年9月27日の御嶽山噴火で息子を亡くした、愛知県一宮市の所清和さん、喜代美さん夫妻に3年間、密着したドキュメンタリー。夫妻の息子・祐樹さん(当時26歳)は、恋人の丹羽由紀さん(当時24歳)とともに山頂で命を落とした。噴火直後の夫妻の姿や、写真を手がかりに息子の足取りや思い出を巡る姿、恋人の家族と交流する姿などを通して、遺族のさまざまな感情が映し出されていく。また、遺族を取材する記者の姿にも目を向ける。

 自身も3人の娘がおり、「家で原稿の下読みをして涙が止まらなかった」という三宅さん。「必要最低限の、非常に研ぎ澄まされた(ナレーションの)言葉だったので、自分の勝手な思いで読まないように心がけ、ご家族の方々、取材した方々、テレビを見る方々の気持ちを想像しながら話した」という。

 番組は、家族や近隣の出来事でさえも「遠くのこと」と捉えられがちな現代において、「人ごとではなく(視聴者に)迫ってくる」といい、三宅さんは「日本は自然災害の国。もう一度、そこ(災害と隣り合わせであること)を見つめ直していくことが、御嶽山で被害に遭われた方々の気持ちに寄り添っていくことなのではないか」と話している。

 放送は、東海テレビで8日午後1時45分から。

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