9nine:テレビアニメ「ザ・リフレクション」の衝撃 声優挑戦が「大事な宝物」に

アニメ「THE REFLECTION」に声優として出演した「9nine」(C)スタン・リー,長濵博史/THE REFLECTION製作委員会
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アニメ「THE REFLECTION」に声優として出演した「9nine」(C)スタン・リー,長濵博史/THE REFLECTION製作委員会

 4人組ガールズユニット「9nine(ナイン)」のメンバー全員が本人役の声優として出演したことでも話題となったテレビアニメ「THE REFLECTION(ザ・リフレクション)」。「アイアンマン」「スパイダーマン」など数々のヒット作を手がけてきたアメコミ界の巨匠、スタン・リーさんが制作総指揮を務めたヒーローアニメで、今年7~10月にNHK総合で放送され、9nineはエンディングテーマや劇中歌も担当した。アニメの放送を終え、メンバーにアフレコ現場の様子などを振り返ってもらった。

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 ◇三木眞一郎に「絶対忘れちゃいけないこと」を教えてもらった

 「ザ・リフレクション」は、多くの人々が命を落としたリフレクション事件で生き残った者が、異能を持つリフレクティッドとなった中、正体不明のマスクの男・エクスオン、メタリックスーツを身にまとったアイガイが、闇に染まった能力者たちに立ちはだかる……というストーリー。

 「惡の華(あくのはな)」などの長濱博史さんが監督を務め、ポール・マッカートニーさんらをプロデュースしてきたトレバー・ホーンさんが音楽をプロデュースする。三木眞一郎さんさんがエクスオンを演じたほか、三上哲さん、伊瀬茉莉也さん、花村怜美さんらが出演した。ブルーレイディスクボックスが2018年2月23日に発売され、9nineや三木さんらのオーディオコメンタリーも収録される。

 9nineの西脇彩華さんは、本人役として出演したことについて「自分役だから普段通りにしゃべればいいのかなって思いがちなんですけど、マイク通すと全然自分の声じゃなくって、それが一番衝撃でした。改めて声をお仕事にする人のすごさが身にしみて分かった」と振り返る。そうした経験がアイドルの活動にも影響を与えているようで、「これまではファンの方の前でも、声については何も考えずにしゃべっていたけど、『もしかして今、こんなふうに聞こえてたかな』と意識するようになりました」と語る。

 アフレコ現場は、三木さんをはじめベテラン声優に囲まれる環境だった。声優経験もある佐武宇綺さんは「大先輩の方々とお話しする機会がある現場ってあんまりないんですけど、『ザ・リフレクション』の現場は皆さんと一緒になってしゃべれる空間だった」と話す。

 吉井香奈恵さんは、アフレコ現場での三木さんの姿勢に衝撃を受けたといい、「三木さんは毎回一番にスタジオに入られていて、うちらは『それより早く行かなきゃ!』って頑張ってたんですけど、それでも三木さんが一番に来てらっしゃって。ほかの声優さんが『三木さんは、いつも早いよね』と言われていたのに対して『いや、気持ちはもうずっと新人なんで。新人は30分前入りなんで』と言われていたんです」とエピソードを明かした。

 吉井さんは、そんな三木さんの姿に「これは絶対忘れちゃいけないことだって思いました。こういう人についていきたいって感じた」と、得るものが大きかったようだ。

 タイトルにもなっている「リフレクション」という言葉は日本語で「反射、反映」という意味がある。西脇さんは「いろんなことを人に投影して、自分にも投影して、みんなが高め合っていくような現場でした。『リフレクション』という言葉の奥に隠された意図や思いに対して、全員が統一の意識を持てていたから、私たちも素直に『もっとこういうところを吸収したい』『ああいう人になりたい』と思えた」と語り、ベテラン、新人の枠を超えた絆が芽生えていたという。

 ◇EDを見た瞬間に涙 「続けてきてよかった」

 9nineの出演は、長濱監督が同グループのライブを見たのがきっかけだったという。メンバーが演じたキャラクターはそれぞれ「風」「光」などの能力者で、必殺技がある。村田寛奈さんは、キャラクターの特徴について「監督が私たちのワンマンライブを見て、かんちゃん(吉井さん)は炎を出しそうとか、ちゃあぽん(西脇さん)はキラキラしていて、うっきー(佐武さん)はしなやかで、私はドスドスしていてパワフルだからって、イメージで技を考えてくださったんです」と明かした。

 せりふに出身地の方言を取り入れるなどメンバー自身の個性が色濃く反映されている。佐武さんは「この作品を見たら、私たちの全てが分かっちゃう。だから、9nineのことをよく知らない人には『じゃあ、ザ・リフレクションを見てください』っていう感じ」と笑顔を見せた。

 アニメのエンディングは、メンバーが演じるキャラクター4人がダンスする映像だった。西脇さんは第1話のエンディングを見た瞬間、涙が流れたという。「長濱監督がこれまでにどれだけの気持ちを費やして、キャストの皆さんにも、私たちにもこんなにも気持ちをくださって、第1話が出来上がって……。オープニングからエンディングまで全部見逃すことができない大事な宝物なんだなって思ったら、見た瞬間に涙が止まらなくなりました」と語る。

 西脇さんは「そんな作品の中に自分がいることも信じられないし、純粋に『続けてきて良かった』って思ったんですよ。こんな幸せな出来事があるなんて思ってなかった。そこまで私たちの気持ちを変えてくださったのが監督なので……これこそ“リフレクション”ですね」と感慨深げだった。

 <プロフィル>

 佐武宇綺さん、村田寛奈さん、吉井香奈恵さん、西脇彩華さんの4人組。2013年11月発売のシングル「Re:」がドラマ「リーガルハイ」(フジテレビ系)のオープニングテーマに起用され話題に。14年8月には日本武道館(東京都千代田区)で初の単独公演。最新シングル「SunSunSunrise / ゆるとぴあ」が発売中。

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