優香:歯を磨く「後ろ姿を見て恋に落ちてください」と言われ…

映画「羊の木」に出演した優香さん
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映画「羊の木」に出演した優香さん

 人気グループ「関ジャニ∞」の錦戸亮さんの主演映画「羊の木」(吉田大八監督、2月3日公開)で元殺人犯の太田理江子役を演じた優香さん。理江子は愛する人を殺して懲役7年の実刑を受け刑務所に入った女性。月末(つきすえ・錦戸さん)の案内で寂れた港町・魚深市に移住し介護士として働き出すが、人を好きになるのはやめられず、介護施設で出会った老齢の月末の父・亮介(北見敏之さん)を好きになってしまうという役どころだ。赤いルージュが印象的な理江子について、優香さんは「存在そのものが色っぽいんでしょうね。演じるに際しては単純なエロチックさだけじゃなく、彼女の人生から漂うにおいが生々しく伝わればいいなと思いました」と話す。優香さんに出演のきっかけや自身のこだわりについて聞いた。

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 ◇寂れた町に移住しにきた6人の男女の正体は…

 「羊の木」は、山上たつひこさん原作、いがらしみきおさん作画の同名マンガが原作。市役所職員の月末は、寂れた港町・魚深市に移住してくる互いに見知らぬ6人の男女の受け入れを命じられる。月末は、一見普通に見える6人について、何かおかしいと感じ、やがて彼らが全員、元殺人犯であることを知る。6人の移住は、受刑者を仮釈放させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクトだった。ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文(あや、木村文乃さん)を巻き込み、小さな町の日常の歯車が狂い始め……というストーリー。元殺人犯役で優香さんのほか北村一輝さん、市川実日子さん、水澤紳吾さん、田中泯さん、松田龍平さんが出演している。

 ◇初めての元殺人犯役にワクワク

 優香さんは今作の出演オファーが来たときの率直な感想を「(吉田)大八さんの作品に出られるというのですごくうれしかったですね。元殺人犯というのも初めてでしたし、他の殺人犯の方もすごく個性的な方が多いので、どんなふうになるんだろうとワクワクしていました」と語る。

 吉田監督の作品は、これまで「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007年)や「紙の月」(14年)などを見ていたと言い、「繊細そうだなっていうイメージがすごくありました」と吉田監督の印象を語る。

 実際の現場では「すごく細かく演出してくださいますし、せりふがないところとかは、そのときの気持ちをすごく説明してくださるので、ああ、こういう気持ちなんだとか、すごく面白い演出をしてくださいました」と明かす。

 ◇監督のこまやかな演出に…

 特に印象的だったのは、理江子と月末の父・亮介との出会いの場面だ。鏡に向かって歯を磨いている亮介に近づいて、理江子が亮介の歯を磨いてあげるというシーンについて、「亮介さんと出会う、というか一方的にこちらが好きになるきっかけって、どこなんだろうなと思っていたら、鏡に向かって亮介さんが一人で歯を磨いているところで、『後ろ姿から恋に落ちてください』と監督に言われて。(好きになるのは)“後ろ姿”なんだと思いながら(笑い)、面白いなって」と語る。

 監督の演出は「(理江子が亮介のところに)到着するころにはもう(気持ちが高まっていて)歯を磨いてあげるっていうのも、それはただ磨くんじゃなくて“性的なこと”というか、そういう意味合いをもってと言われたので、そういう感じなんだ……とすごく面白かったです」と振り返る。

 ◇「梅干し」は母の教え

 そんな優香さんのこだわりは「梅干し」。きっかけは「風邪を引いたり、胃の調子が悪かったり、頭が痛いとか、そういうときには『梅干しを食べなさい』と母親に言われて。梅干しを食べると治った気がするという(笑い)」という。「もしかしたら、胃が悪いときは刺激があるからいけないのかもしれないですけど、私自身は思い込みがあるみたいで(笑い)。何かあると朝食で和食のときは梅干しは絶対に食べますし、お弁当に梅干しが入っているとすごくうれしい。しかも甘めの(笑い)」と笑顔で語る。

 産地などは気にせず、「スーパーでも買いますし、旅行に行った先に梅干し屋さんがあったりすると探して買ったりします。物産展でもあれば買いますね」と見つけたら購入するという。

 ◇早起きして夫婦で散歩

 健康や美容で気を使っていることは「睡眠時間と食事時間は結構気にしています。結婚してそれは変わったかな。なるべく早寝早起きするように。仕事のときはなかなかできないときもあるんですけれど。休みの日は、朝早く起きて、(16年に結婚した夫の青木崇高さんと)2人でお散歩して。おなかすいたなと思って朝食をとるという。朝6時や7時とかに食べ終わるんです」と“早起きは三文の得”を実践している。

 朝食は「コーヒーを1人で飲んでいても味気ないですけれど、一緒に飲む相手がいるから楽しいなと思います」とまだまだ新婚の熱々ムードのようだ。

 次回は「羊の木」の撮影現場の様子や女優の仕事について聞く。

 <プロフィル>

 ゆうか 1980年6月27日生まれ、東京都出身。スカウトされ、97年にデビュー。98年にドラマで女優デビュー。NHK大河ドラマには2004年の「新選組!」と15年の「花燃ゆ」に出演。16年に放送されたNHK総合の木曜時代劇「ちかえもん」で共演した青木崇高(むねたか)さんと同年に結婚。映画は02年に「恋に唄えば♪」で初主演し、第26回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「体脂肪計タニタの社員食堂」(13年)に主演、その後、「黒執事」「悪夢ちゃん The 夢ovie」「WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~」(いずれも14年) 、「ギャラクシー街道」(15年) 、「人生の約束」「オーバー・フェンス」(共に16年)に出演。テレビ、映画、舞台などさまざまなジャンルで活躍している。最新出演映画「羊の木」は2月3日に公開。

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