注目映画紹介:「グレイテスト・ショーマン」ヒュー・ジャックマン×「ラ・ラ・ランド」で伝説の興行師の半生描く

映画「グレイテスト・ショーマン」の一場面 (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
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映画「グレイテスト・ショーマン」の一場面 (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 映画「レ・ミゼラブル」(2012年)のヒュー・ジャックマンさんと「ラ・ラ・ランド」(16年)の製作チームが手がけたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」(マイケル・グレイシー監督)が、16日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。19世紀半ば、米国でショービジネスの原点を築いた伝説の興行師P.T.バーナムの成功と挫折を描く。主演のジャックマンさんや個性的なエンターテイナーたちのパワフルな歌とダンスが圧巻だ。

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 19世紀半ばの米国。身分の差を超えて幼なじみの名家の娘チャリティ(ミシェル・ウィリアムズさん)と結婚したP.T.バーナム(ジャックマンさん)は、オンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーを作り出してヒットさせる。しかし、型破りなショーの内容が批判の的になる。若き相棒フィリップ(ザック・エフロンさん)と組んだバーナムは、上流階級に食い込めば社会的承認を得られると思い、アイデアを実現していく……という物語。

 バーナムの妻役に、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(16年)のウィリアムズさん、バーナムの心をつかむ歌姫ジェニー・リンドに、「ミッション:インポッシブル」シリーズなどのレベッカ・ファーガソンさん、エフロンさん演じる興行師と恋に落ちる空中ブランコのパフォーマーのアン・ウィーラーに、「スパイダーマン:ホームカミング」(17年)のゼンデイヤさんが扮(ふん)し、それぞれ見せ場を作っている。

 貧しい階級出身のバーナムが、夢に突き進んで作り上げたステージ。それは、差別と偏見で社会の陰に隠れた人たちに光を当て、その才能を開花させた前代未聞のショーだ。ステージ中央で歌い踊るジャックマンさんの輝くようなオーラ。エンターテイナーたちと一体となって華やかなショーが繰り広げられるシーンもまばゆいばかり。

 中でも、一座の人気者レティ・ルッツを演じるキアラ・セトルさんのパワフルなボーカルは必聴だ。11年にミュージカル版「プリシラ」でデビューし、ブロードウェーミュージカルで活躍中のセトルさんは、今作でインパクトのある「ヒゲ女」を演じ、主題歌の「This Is Me(これが私)」を朗々と歌い上げている。

 音楽は、「ラ・ラ・ランド」で、17年の米アカデミー賞の主題歌賞を受賞し世界の注目を浴びたベンジ・パセックさんとジャスティン・ポールさんがオリジナル曲全9曲を作り出した。第75回ゴールデングローブ賞で、作品賞(ミュージカル/コメディ部門)とジャックマンさんが主演男優賞でノミネートされた。(キョーコ/フリーライター)

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