芥川賞作家の中村文則さんのサスペンス小説が原作の映画「去年の冬、きみと別れ」(瀧本智行監督、10日公開)で、主人公・耶雲恭介の婚約者、松田百合子を演じた女優の山本美月さん。全編に伏線が張り巡らされたサスペンスに「台本を読んだ時からわなにかかっていました」と語る山本さんに、作品の魅力や美容の秘訣(ひけつ)などを聞いた。
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「去年の冬、きみと別れ」は、「教団X」などで知られる中村さんの同名小説が原作。野心的な若手記者・耶雲恭介は、婚約者・松田百合子との結婚を間近に控え、最後の大勝負として女性焼死事件の元容疑者で天才カメラマンの木原坂雄大に目を付ける。美しく怪しげな魅力を放つ木原坂を追ううちに耶雲は抜けることのできないわなにはまり、やがて百合子まで狙われてしまう……というストーリー。
ダンス・ボーカルグループ「EXILE」「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」の岩田剛典さんが耶雲、俳優の斎藤工さんさんが木原坂を演じたほか、浅見れいなさん、土村芳さん、北村一輝さんらも出演している。
山本さんが演じる百合子は、結婚を心待ちにしながらも木原坂への取材にのめり込んでいく耶雲に不安を感じているというキャラクター。撮影では、「自分でもいろいろ作って現場には行くんですけど、今回は瀧本監督の演出がめちゃくちゃ細かくて。お芝居をしていても『ここはこうしよう』と細かく言ってくださって、百合子は監督に作り上げていただいたキャラクターだと思います」と語る。
山本さんは初めて瀧本監督の作品に参加し、「感情の部分だったり、動きだったりを全部監督が言ってくださって、それは自分では思いつかないところだったりもしたので、すごく新鮮でしたし、うれしかったです」と新たな発見があったようだ。
全編にさまざまな伏線が張り巡らされ、最後に予測できない結末が待ち受けている。山本さん自身も初めて台本を読んだとき、「私が演じている百合子がこの後、どうなるんだろうと“わな”にかけられました」と話す。そんなミステリー要素はもちろん、耶雲との恋愛も描かれる今作を山本さんは「壮大なラブストーリー」と表現。「作品全体としてはサスペンス映画なんですけど、いろいろな愛の形が描かれていて、恋愛映画として楽しんでいただける部分もあります。とても美しい作品です」と思いを語った。
そんな山本さんがストイックにこだわるのは「絵を描くこと」。「絵を描き始めると、飲み食いを忘れて集中しちゃいます。最近は、年賀状の絵を自分で描きました。昔からあまり外でアクティブに遊ぶタイプではなくて、何かを作る方が好きでした」と明かす。
はまっているものは「ガチャガチャ」といい、「あるとやっちゃいます。最近はチンプイ(藤子・F・不二雄さんのマンガ)のガチャガチャをやりました。集めたものは、車に並べて飾っています」と可愛らしい一面をのぞかせた。
次回は「去年の冬、きみと別れ」の撮影現場の様子や女優の仕事について聞く。
<プロフィル>
やまもと・みずき 1991年7月18日生まれ、福岡県出身。2009年に「第1回東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを受賞。女性ファッション誌「CanCam(キャンキャン)」(集英社)の専属モデルの活動と共に、映画やドラマCMなどにも出演。17年7月に同誌の専属モデルを卒業した。主な出演映画に「桐島、部活やめるってよ」(12年)、「小野寺の弟・小野寺の姉」(14年)、「東京PRウーマン」(15年)、「少女」(16年)、「ピーチガール」(17年)などがある。
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