注目映画紹介:「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」榮倉奈々と安田顕が夫婦を好演 笑えてじんわり

映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の一場面 (C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
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映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の一場面 (C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

 女優の榮倉奈々さん主演の映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」(李闘士男監督)が8日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開される。結婚し、「3年目の浮気」ならぬ「3年目の壁」を前に、帰宅すると必ず死んだふりをしている妻と、妻の真意がつかめず戸惑う夫が織りなす、コミカルながらも心温まるラブストーリーだ。妻役の榮倉さんと、夫役の“ヤスケン”さんこと安田顕さんの、ほほ笑ましいやりとりに笑顔をもらえることうけあい。

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 3年前、バツイチの会社員、加賀美じゅん(安田さん)と結婚した専業主婦のちえ(榮倉さん)。2人は結婚するとき、「3年たったら、これからも結婚生活を続けるかどうか、お互いの意志を確認し合おう」と約束していた。その期限が間もなくやって来る。1度目の結婚が3年目で破綻したじゅんは、心中穏やかではない。そんなある日、じゅんが帰宅すると、ちえが口から血を流しリビングで倒れていて……というストーリー。大谷亮平さん、野々すみ花さんらも出演。2010年の「Yahoo!知恵袋」への投稿をきっかけに、翌年発売されたコミックエッセーを実写化した。

 ちえのバリエーション豊かな“死んだふり”には驚かされる。あるときはワニに食われ、あるときは名誉の戦死、またあるときは落ち武者……。果ては、「それ、死体じゃないじゃん」というものまで現れ、笑えるやらあきれるやら。そんなキテレツな夫の“出迎え方”をするちえが、とにかく愛らしく、演じる榮倉さんの、棒のようなコキコキした動きや屈託ない笑顔を見ているだけでうれしくなる。

 かたや、死んだふりのちえをどう扱っていいか分からず、オロオロしながら付き合うじゅんからは、優しさがにじみ出ていて、演じるヤスケンさんが、なんともいえないおかしみを醸し出し、榮倉さんとの相性はぴったり。ささいだけれど琴線に触れる言葉も多く、とりわけ「人生は三つの坂でできている……」は名言だった。笑えて、じんわりして、夫婦関係について考えさせられる、なんともチャーミングな作品だ。(りんたいこ/フリーライター)

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