学園、医療、警察系など、さまざまなジャンルの作品がラインアップされた夏ドラマ。中でも見逃せないのが、人生の岐路を迎えた女性たちの物語だ。綾瀬はるかさん扮（ふん）するキャリアウーマンが“母親”になろうとする「義母と娘のブルース」（TBS系、火曜午後10時）に、石原さとみさん演じる天才華道家の“格差恋”を描く「高嶺の花」（日本テレビ系、水曜午後10時）、そして波瑠さんの“婚活”が展開される「サバイバル・ウェディング」（同系、土曜午後10時）。思わず共感してしまいそうな女性たちを描いた3作品の注目ポイントを紹介する。

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　◇綾瀬はるかが母役初挑戦　家事や育児に奔走…

　10日スタートの「義母と娘のブルース」は、「逃げるは恥だが役に立つ（逃げ恥）」「あなたのことはそれほど」などの“火10”枠。桜沢鈴さんの4コママンガが原作で、脚本は「世界の中心で、愛をさけぶ」（2004年）、「白夜行」（06年）、「JIN−仁−」（09年、11年）などの森下佳子さんが担当する。

　主人公の岩木亜希子（綾瀬さん）は、一生懸命な性格でバリバリのキャリアウーマン。亜希子は四六時中、仕事のことばかり考えており、趣味や人生を楽しむことなど知らないような仕事の虫で、普段の話し言葉にもビジネス用語を多用。真面目すぎるがゆえに“土掘り土下座” という宴会芸まで編み出した“つわもの”だ。

　そんな亜希子が、娘を持つ宮本良一（竹野内豊さん）から求婚されて結婚。母親になるために畑違いの家事や育児に奔走する……という展開で、綾瀬さんは今回、母親役に初挑戦する。5日に行われたドラマの会見では、「母親になろうと努力していく設定なので、私自身も亜希子と一緒に、子供と一緒に日々、勉強している感じ。母親ってこういう感じなんだな」としみじみと語っていた綾瀬さんが、母として成長していく姿は見逃せない。

　◇“完璧美女”石原さとみが本当の愛を感じていく

　11日から放送される「高嶺の花」は、連続ドラマ「高校教師」「未成年」「101回目のプロポーズ」などの野島伸司さんのオリジナル脚本。華道の名門「月島流」本家に生まれ、美貌、キャリア、財力、家柄、才能のすべてを持ち合わせた、高飛車で奔放な29歳の女性、月島もも（石原さん）と、キャリア、財力、家柄など何にも持たない平凡な自転車店主の風間直人（峯田和伸さん）が恋愛でつながる、“美女と野獣”の“超・格差恋愛”ドラマ。

　石原さんは、野島さんの脚本でラブストーリーをやることが念願だったといい、「今回、願いがかなって野島さんとご一緒できることがとてもうれしく、身が引き締まる思い」と抱負を語っている。

　ドラマについて、石原さんは「“怒涛（どとう）のラブストーリー”。台本を読んだだけで震えるくらい心を揺さぶられ、深くハッとさせられるせりふのオンパレード」とコメント。昨年放送されたNHK連続テレビ小説（朝ドラ）「ひよっこ」の小祝宗男役で脚光を浴びた峯田さんとは初共演で、“絶望的な格差”のあるカップルをどう表現するのかが見どころとなる。ももが格差によって生じる心の葛藤、愛とは何かを知っていく姿に注目だ。

　◇結婚＆仕事を一夜で失った波瑠がひたむきに婚活

　14日放送開始の「サバイバル・ウェディング」は大橋弘祐さんの小説「SURVIVAL WEDDING」（文響社）が原作。3カ月後の30歳の誕生日に結婚式を挙げる黒木さやか（波瑠さん）は、勤めていた出版社を寿退社した夜に婚約者の浮気が発覚。さらに婚約者に逆ギレされ、婚約破棄されてしまう。結婚も仕事も失ったさやかは、女性向けライフスタイル誌「riz」に再就職するが、“カリスマ編集長”宇佐美（伊勢谷友介さん）から、半年以内に結婚しないとクビ、さらにその婚活記録を雑誌に連載することを条件にされてしまう……という“スパルタ婚活”が描かれる。

　波瑠さんによると、ヒロインのさやかは「頑張り屋さんで一生懸命で、だけど不器用なところがあり、編集長やダメな元彼など、周りの人に振り回されることが多い」という。鈴間広枝プロデューサーは、さやかのことを「“あざとさゼロ”で上手に男ウケを狙いにいけない不器用さ。傍若無人な上司に食らいつき、カッコ悪くても一生懸命頑張るガッツ」の持ち主で、「女性が心底共感する」と断言していた。

　そんなさやかが、“毒舌ナルシストの超変人”の宇佐美から、海外有名ブランドのマーケティング戦略を恋愛に応用した“恋愛テクニック”を指南され、自分の価値を高めようとしていく姿は必見だ。さまざまなキャラクターを演じてきた波瑠さんと伊勢谷さんならではの演技の応酬や視聴者が驚くような恋愛テクニックが登場するのかにも、注目したい。

　この夏は、三者三様の人生の岐路を迎えた女性たちから、目が離せなくなりそうだ。