西郷どん:久光役・青木崇高の“怪演”にファン熱視線 “顔芸”も話題…

NHK大河ドラマ「西郷どん」で島津久光を演じている青木崇高さん (C)NHK
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NHK大河ドラマ「西郷どん」で島津久光を演じている青木崇高さん (C)NHK

 俳優の鈴木亮平さんが主演を務めるNHKの大河ドラマ「西郷(せご)どん」で、島津久光を演じている青木崇高さんが話題だ。ドラマには第1回(1月7日放送)から登場し、SNS上では「ひさみちゅ」と呼ばれ、ひそかな人気を集めていたが、久光が薩摩の国父として藩の実権を握った第20回「正助の黒い石」(5月27日放送)を境に、その存在が大きくクローズアップ。青木さんは「西郷生涯の敵」として、以前とは異なる“怪演”を随所に披露と、ファンからは熱い視線が注がれている。その“変化”を追った。

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 ◇体を大きくし、もみあげも自前 ひさみちゅファンから歓迎の声

 第20回「正助の黒い石」では、カリスマ的存在の兄・斉彬(渡辺謙さん)の陰に隠れていた久光が、父・斉興(鹿賀丈史さん)の死により、国父として藩の実権を掌握。国父となるシーンは、青木さん自身「そこはもう、お話をいただいたときから、重要になるような部分とは思っていた」と語るなど、役を演じる上でターニングポイントと考えていたようで、自ら体を大きくし、もみあげも伸ばすなど、見た目も変化させた。

 青木さんは「『国父』というキーワードを得ることによって光が差したというか、光明が見えた。自分の中で歯車がかみ合い始めて、動き始めた」と振り返ると、「薩摩を自分がコントロールしていくってことで、見た目もかっぷくのいい感じにしましたし、メーク、小物、帯刀しているもの、芝居の動き、すべて変えてみた」と解説。その変化に対して、ひさみちゅファンからも「威厳が出てきた」「人相が変わった」「急に調子乗りはじめた(笑い)」といった歓迎の声が上がった。

 ◇一蔵への“愛”と吉之助への“憎”が一気にエスカレート

 以降、青木さん演じる久光は、当初の(見た目の)可愛さが鳴りを潜め、どんどんと怪しさを増していく。顕著なのが、吉之助(鈴木さん)を敵対視する姿と一蔵(瑛太さん)に対しての寵愛(ちょうあい)ぶりで、その愛憎の振り幅も一気にエスカレート。

 第23回「寺田屋騒動」(6月17日放送)では、吉之助のことを持ち上げる海江田(高橋光臣さん)に、キセルをぷかぷかさせながら「切腹」の2文字を突きつけると、金ぴか衣装で上洛(じょうらく)。対面した吉之助を一度は自らの手で「たたき斬ろう」とするも、小松帯刀(町田啓太さん)の進言と一蔵の「国父様なら、(吉之助を)使いこなせます」のダメ押しに翻意し、刑を島流しにとどめるなど、スリリングな愛憎劇を展開した。

 さらに久光は、天皇から京の治安維持を任されると、大張り切り。倒幕派の志士たちを弾圧すると、薩摩藩士の同士討ちという悲劇的な事件「寺田屋騒動」も引き起こす。ここでは一蔵の説得を受け入れることはなかった久光だが、「大久保、大久保~、お前は俺のそばにいてもらわなければならん」と言いながら一蔵の頬を“ペチペチ”し、溺愛モードに入りつつあることをうかがわせ、ファンを喜ばせた。

 ◇VS慶喜で見せた怪演と変顔に大反響

 翌週の第24回「地の果てにて」(6月24日放送)において久光は、京の治安を取り戻した功績を朝廷に認められ、意気揚々と江戸まで到達。将軍後見職となった慶喜(松田翔太さん)とドヤ顔で対面を果たすも、「亡き兄上(斉彬)の猿まね」「お主にこの日本の何が分かるのだ」「お主のことは江戸では誰も知らねえよ」「ただの芋じゃねえか」と、側近の前で散々こき下ろされ、面目丸つぶれに。

 ここで青木さんは、こみ上げる怒りと羞恥を必死に抑え込もうと、変顔を連発。口に手を突っ込んで悔しがる姿に、ネット上では「久光の顔芸www」「久光様の顔芸、エスカレートしてる」のほか、「青木さんの怪演に再び笑う」に「今日の西郷どんは青木さんの怪演に尽きる」と大きな反響を呼んだ。

 ◇「とことん人間的、感情的に」 今後も目が離せない? 

 青木さんは以前、久光役のキーワードに「人間味や人間らしさ」を挙げていて、「兄弟として、西郷の扱いの違いだったり、斉彬とは対照的に演じることによってドラマチックになっていくのかなって思っていたりもした。斉彬がヒーローであるのだったら、とことん人間的に、感情的にやってやろうって」と演技プランを明かしていた。

 また青木さんは、「僕個人としては久光公も偉業をなし遂げたすごい人だと思っていますし、どこかに光が当たると、影ができるというか。歴史の見方にもよるのですが、しっかりと血の通った人間らしい久光を演じたい」と話していて、「久光と慶喜の対決は2ラウンド目もある」「大久保(一蔵)を久光が溺愛して放さなくなる」とも予告していた。今後も青木さんの怪演と顔芸に目が離せなくなりそうだ。

 「西郷どん」は、明治維新150年となる2018年放送の大河ドラマ57作目。薩摩の貧しい下級武士の家に生まれた西郷隆盛(吉之助)の愚直な姿にカリスマ藩主・島津斉彬が目を留め、斉彬の密命を担い、西郷は江戸へ京都へと奔走する。勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、革命家へと覚醒。やがて明治維新を成し遂げていく……という内容。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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