警視庁ゼロ係:番組Pに聞く大杉漣さん登場の背景 “感謝の気持ち”から実現

連続ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~THIRD SEASON」に出演する(左から)お笑いコンビ「TKO」の木下隆行さん、安達祐実さん、主演の小泉孝太郎さん、松下由樹さん、片岡鶴太郎さん、戸塚純貴さん(C)テレビ東京
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連続ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~THIRD SEASON」に出演する(左から)お笑いコンビ「TKO」の木下隆行さん、安達祐実さん、主演の小泉孝太郎さん、松下由樹さん、片岡鶴太郎さん、戸塚純貴さん(C)テレビ東京

 俳優の小泉孝太郎さんの主演ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~THIRD SEASON」(テレビ東京系、金曜午後8時)。20日放送の第1話の平均視聴率は8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、シリーズ歴代最高の数字をマークした。「ゼロ係」の前係長・亀山良夫役を演じていたが、今年2月に亡くなった俳優の大杉漣さんが登場したことも話題となった。シーズン1からドラマを手がける松本拓プロデューサーに、大杉さんのシーンが誕生した背景を聞いた。

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 ドラマは、富樫倫太郎さんの小説「生活安全課0係」シリーズ(祥伝社)が原作で、2016年1月期、17年7月期に放送された人気シリーズ。問題を起こし、お払い箱になった人材が集まる警視庁杉並中央署の生活安全課なんでも相談室、通称「ゼロ係」を舞台に、“空気は読めないが事件は読める”KY刑事の小早川冬彦(小泉さん)と、“男まさりで口の悪い”ベテラン刑事・寺田寅三(松下由樹さん)の“迷コンビ”が事件を解決していく物語だ。

 前作に出演した事務員・本条靖子役の安達祐実さん、巡査・桜庭勇作役のお笑いコンビ「TKO」の木下隆行さん、巡査・太田文平役の戸塚純貴さん、杉並中央署副署長・谷本敬三役の石丸謙二郎さん、居酒屋「春吉」の店主・国仲春吉役の加藤茶さんも続投する。

 ◇作品の中で生きる大杉漣さん

 大杉さんについて、「確実に『ゼロ係』のムードメーカでした」と話す松本プロデューサー。亀山はストレスですぐにおなかを壊すほど気が弱く、恐妻家という役どころで、中間管理職の悲哀を、大杉さんが味わいたっぷりに演じてきた。今シーズンでは、亀山は定年退職したという設定で、ゼロ係の新係長として、片岡鶴太郎さん演じる横山建夫が登場している。

 今回放送された大杉さんの登場シーンは、「ゼロ係」にある電話がかかってくるところから始まる。靖子が「亀山元係長から電話です」と冬彦にかわると、冬彦は「良夫さん! 会いたいですよ! たまにでいいですけど」と話しかける。すると、大杉さんの過去の映像が10秒ほど流れ、冬彦が「でも心配してたんですよ。定年して、家でゴロゴロ、おなかもゴロゴロ。怖い奥さんには毎日怒られ、良夫さん家でも居場所がないですもんね。それでさみしくなって、僕の声が聞きたくなったんですね。いいですよ、いいですよ。そういうときは……」と続ける。さらに、事件の解決へのきっかけとなる形で登場したことから、冬彦が「さすが、良夫さんですよ。仕事やめてからのほうがいい仕事をしました」と話す場面もあった。

 このシーンについて、松本プロデューサーは「漣さんが、まだ『ゼロ係』を見守ってくれていたんだぞという気持ちが、『ゼロ係』のメンバーに伝わるように」という思いを込めたと明かす。実は、大杉さんが亡くなる前からシーズン3の台本作りは進められており、大杉さん演じる亀山も登場する形だった。そんな中で突然の訃報を受けたが、「大杉さんに出ていただきたい」という強い思いは変わらず、今回の登場シーンも自然な流れで生まれたのだという。

 ◇大杉漣さんへの気持ちから

 大杉さんの登場シーンが放送されると、ネット上では「『会いたいですよ~』ってセリフがなんか泣ける」「(大杉さんが)作品の中で生きていた」「『ゼロ係』の愛を感じる」といった声が上がった。実際に放送されるまで、視聴者にどう受け止められるかも気になっていたという松本プロデューサーだが、「僕らも本当に漣さんにお世話になったという気持ちでやったことなので、それが視聴者の方に伝わったのであればうれしい」「漣さんがこんなに愛されている人なんだなというのは、改めて実感しました」と語る。

 冬彦が亀山と電話をする際中、「ゼロ係」全員の顔のアップが一人一人映し出されていったが、松本プロデューサーは「みなさんの表情が、漣さんに対するものなのかなという気はしましたね」と話す。「僕らも、視聴者の方も、たぶん『ゼロ係』のメンバーもそうなんですけど、『ゼロ係』は漣さんに支えられていたんだなっていうのが、気持ちとして出てくる」と力を込める。

 「ゼロ係」の新係長となる横山を演じる片岡さんについては「(テレビ朝日系で演じている)『牛尾刑事』のイメージがある。寡黙な、眼光の強い、堅い、たたき上げの刑事というイメージから180度変えていただいて、おちゃらけた係長をやっていただいてます。『ゼロ係』の新しい空気を作っていただけたら」と語る松本プロデューサー。視聴者に向けて「新たな『ゼロ係』の魅力を見せていければ。期待を裏切らないような台本を作ることを頑張りたい」と意気込んでいた。

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