原田知世:金八ものまねに使命感? 撮影秘話も 「半分、青い。」和子役を振り返る

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」で律の母・和子を演じてきた原田知世さん (C)NHK
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NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」で律の母・和子を演じてきた原田知世さん (C)NHK

 永野芽郁さん主演のNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」に、佐藤健さん演じる萩尾律の母・和子役で出演している原田知世さん。少女っぽさを残す“ゆるふわ”な癒やし系の母親キャラとして、ドラマの初期から視聴者に愛され続けてきた。そんな和子さんが一際注目を集めたのが金八先生のものまねだ。4月14日放送の第12回で初めて披露されると、5月3日放送の第28回でも“アンコール”とばかりに再び繰り出され、和子ファンを大いに喜ばせた。「金八先生のものまねはかなりハードル高くて、台本を読んだときから悩みの種でした」と明かす原田さんに、撮影秘話に加え、劇中での家族や親友の晴さん(松雪泰子さん)への思いを聞いた。

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 ◇ものまねは原口あきまさ直伝「ノドの位置がある」

 今回の萩尾和子役について「コメディータッチの役は初めてでしたが、とても楽しみながら演じさせていただきました」と振り返る原田さん。演じ切り、「いろいろなチャレンジをさせていただきました。そして、新しい扉を開いてもらえた気がしていますね」としみじみ語る。

 劇中でものまねを披露することについては、「和子さんはピアノを弾いたり、お菓子を焼いたり、とても上品な人なんですが、楽しいことが好きで、テレビを見ては、いろいろな人のものまねをしていたんだろう」と推測。「夫の弥一さん(谷原章介さん)や律(佐藤さん)に披露していたと思います」といい、「ものまねをやるシーンは和子さんのそんな意外な一面が表現されていましたので、きちんとやらなければと思っていました」と、“使命感”もあったようだ。

 金八のものまねは、タレントの原口あきまささんの直伝によるもの。「原口さんにものまねを見せてもらうだけでも感激だったのですが、指導していただけるなんてすごくうれしかったです」といい、「原口さんはその場で資料を見て、普段はやっていない金八先生をすぐに形にされて、さすがだと思いました」とプロの妙技を堪能した。

 原口さんからは「ものまねは恥ずかしいと思わないこと、それだけです」とアドバイスをもらったそうで、「それを胸に家に帰って、ずっと原口さんのものまね動画を見ながら、ヒマさえあれば練習していました」と明かすと、「発声するときに意識するノドの位置があって、その態勢にノドがならないと声の微妙なニュアンスが出せなくて。でもこれ、自分だけにしかわからない部分なんですが(笑い)」と裏話も披露した。

 ◇「弥一さんがいたから和子さんが成立した」 親友・晴との深い絆も…

 そんな原田さんに和子から見た息子・律の印象を聞くと「和子さんがああいうふわふわと夢見がちな、少女がそのままお母さんになったような人なので、律は逆にとても落ち着いているのかもしれません。繊細で優しい息子です。年齢が上がるにつれ、周りの人たちをより温かく見つめることができる人になっていると思います」と成長に目を細め、「佐藤健さん自身も、実年齢より精神的な部分が成熟している人のように感じます。あまり話さなくても、相手の心を見つめるようなまなざしがとても印象的で、そこが律の魅力にもなっていますね」と明かす。

 また「弥一さんがいたから和子さんが成立した」と、和子に負けず劣らず穏やかな夫にも感謝する。「最初の方で、萩尾家と楡野家を紹介するシーンが出てくるんですが、写真館の中で、(弥一と和子が)2人で並んで「いらっしゃいませ」とお客様に挨拶をする場面です。隣に立つ谷原さんの声とたたずまいがとても柔らかく穏やかで、そのワンカットで夫婦の空気感というのが見えた気がしました。谷原さんご自身もとても優しくて信頼できる方です。私は新しい現場に打ち解けるまでに時間がかかるタイプなんですけど、谷原さんといると、とても安心できました」と”人生の伴侶”に感謝する。

 ドラマではここに来て改めて、夫の弥一との夫婦の愛情や母としての律への思い、そして鈴愛(永野さん)の母の晴(松雪さん)と和子の友情が「すてきに描かれている」と原田さん。「晴さんとはキャラも性格も全く違うんですけど、同じ子供を持つ身として、一番の相談相手。どちらかが弱ったときにどちらかが支えて、そんなふうに一緒に年を重ねながら深い絆が生まれました。2人のシーンには毎回クスッとなったり、ホロリときたり、どれも思い出深いシーンばかりです」と無二の親友に思いをはせていた。

 「半分、青い。」は、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系、1996年)などで知られ、“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ北川悦吏子さんのオリジナル作品。1971年に岐阜県で生まれ、病気で左耳を失聴したヒロイン・鈴愛が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜ける物語。NHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。

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