M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
女優の安藤サクラさんがヒロインのNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」が10月1日スタートする。インスタントラーメンをこの世に生み出した実業家・安藤百福(ももふく)さんと妻・仁子(まさこ)さんの半生をモデルにしたドラマ。安藤さんはヒロインの福子を演じる。2017年に第1子を出産し、朝ドラ史上初、子育て中のヒロインとなった安藤さんに、オファー直後の苦悩や喜び、ヒロイン役への思いなどを聞いた。
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「まんぷく」は99作目の朝ドラで、大阪放送局制作としては42作目。ヒロインの夫・立花萬平(たちばな・まんぺい)を長谷川博己さんが演じ、福子の母・鈴を松坂慶子さん、長姉・咲を内田有紀さん、次姉・克子を松下奈緒さんが演じる。「海猿」や「ガリレオ」、NHK大河ドラマ「龍馬伝」などを手がけた福田靖さんが脚本、女優の芦田愛菜さんが最年少で全編の語りを担当する。
朝ドラ史上初、子育て中のヒロインとなった安藤さん。だが、昨年10月にオファーを受けた直後は子育てに専念しようと決めていて「やる可能性はゼロ」だったという。「悔しかったですね、このタイミングでできるわけがないって」と安藤さんは当時の心境を振り返り、「どうやったらこの悔しさを、子供を育てる上で、より良い方向に自分の気持ちをもっていけるかなと。『悔しい』とか『やりたかった』『この子がいなかったら、やっていた』と考えるのは絶対に嫌だったので、どうやったらハッピーな出来事として子育ての糧にできるか、すごく悩みました」と打ち明ける。
気持ちを変えたのは、夫の柄本佑さんら家族の後押しだった。「特に、義理の母(角替和枝さん)から言われた言葉に強く背中を押されて。柄本のお父ちゃん(柄本明さん)も、うちのお父ちゃん(奥田瑛二さん)も、夫も、子供は産んでいないじゃないですか。でも、子供を産んで、なおかつ女優としてやってきた義理の母が『これやらないなら、事務所もお仕事も辞めちゃいな』と言ってくれたのが、すごく心強くて。覚悟を決める一つのきっかけになりました」と安藤さん。
続けて「両方のお父さんも、夫も、『なんでそんなに一大事みたいな顔してんの?』って感じで。やればいいじゃん、と軽く背中を押してくれたことが、一歩踏み出しやすかった」と晴れ晴れとした表情で明かす。
撮影が始まってみると、家族の存在の心強さを改めて実感したという。安藤さんは「いざ始まってみたら、これはやっぱり自分の家族じゃなかったら絶対できなかったな、と思いました。悩んでいる時にすごく具体的な細かいアドバイスをくれるんです。細かいアドバイスを家族みんながくれて……」と明かし、「楽しくみんなで手をつないで冒険しているんです。みんなで背中を貸し合って山を登っている感じ。みんなで、はあはあ言いながら、ニコニコしながら冒険している時間は、すごくいとおしすぎて。人生の中のすごく貴重な時間。1分、1秒でも、この時間を体中で味わいながら過ごさなきゃいけない、と、セットの中でいつも幸せをかみ締めています」と満面の笑みで喜びを語る。
母親になったことで、女優としてはどのような変化があったのか。安藤さんは「すごく変わりました」と即答し、「演じる体力も含め、全てにおいて、母ちゃんになったらパワーがみなぎるようになりまして。すごく体力があるんです」と笑う。「心も体も疲れ切って演じていたら出るものって違うと思うんですけど、皆さんのサポートもあるし、日々の生活も含め、すべてがエネルギーに満ちあふれている感覚に驚いています。子供を産む前の体力と違うことが、自分でも不思議。福子という役も、朝ドラのヒロインという役割も、今だからこそできるんだなと感じています」と充実ぶりを語り、「(自身の出産から)まだそんなに年月はたってないので、陣痛のシーンは楽しかったです。新しい陣痛のシーンをお届けできると思います(笑い)」と楽しそうな表情をみせる。
朝ドラについて、安藤さんはどんな印象を抱いていたのか。「映画やドラマより、もっと日本の隅々まで届けられる作品で、携帯の電波が入らないような地域のおばあちゃんも見ている印象。映画のロケでそういう山奥に行き、お住まいの方々にお世話になることが多いんですが、自分が出演した映画って、そういうところにはなかなか届かないこともある。ロケに行く度に『いつか朝ドラに出たら、この地域の方々にも恩返しできるかな』と思っていました」と語る。
多くの人に見られることへのプレッシャーは? 安藤さんは「無いです」と答え、「商店街で、知らないおばあちゃんたちと売っているお魚の話とかするのが好きで(笑い)。(朝ドラに出演することで)そういう親戚みたいなおじちゃん、おばちゃんが全国に増えるのかなと思っています」と強心臓ぶりものぞかせる。
安藤さんといえば、「第71回カンヌ国際映画祭」でパルムドールを受賞した「万引き家族」をはじめ、“曲がった役”が多かったイメージがある。真っすぐで明るい福子役を演じることについて安藤さんは「明るい役が無かったわけではないけど、曲がった役が多かったですね。真っすぐに立っていない、真っすぐに座れない、真っすぐに物を見られない、という女性」と振り返り、「今回、カメラテストをして思ったことは、福ちゃんを演じるためには、自分が真っすぐ立てなきゃだめだな、ということ。真っすぐ立って、真っすぐ前を見られる肉体を持たなきゃいけないなと思いました。ここまで真っすぐな役は、今までに無いですから。今回、本当に真っすぐな女性を時間をかけて演じる機会があることで、人として、女性として、すごくいい生き物に生まれ変われるのではないかと思っています」と力を込める。
撮影は順調なスタートを切った。安藤さんは「松坂さん、内田さん、松下さん。最初は、そのお三方というだけでものすごく緊張していた」としつつ、「女4人が今井家に集まったら、自分が勝手にイメージで作っていた壁が一切無くて。皆さん優しく接してくださって、両手を広げてくださっていたような印象でした。そこにすごく助けられました」と現場の印象を語り、「撮影初日も、初日という緊張感はものすごくありましたけど、変なものを背負わずに現場に入れたのはその家族のお陰と思っています」と感謝する。
「マンガでもこんなに楽しみに新刊を待ったことは無いぐらい、台本が届くのが楽しみ」と、今は楽しみながら撮影できていることを明かす安藤さん。長谷川さんが台本を読みながら「腹を抱えて大笑いし始めた」というエピソードも紹介し、「なんて幸せな作品なんだろうと思いました。私も毎回笑ったり泣いたりしています」と楽しそうに話す姿には、気負いは感じられない。福ちゃんとしての時間を過ごし始めている安藤さんは、真っすぐに前を向き、「なんてことのない会話に、いつも味わいがある。やっていて、楽しいです」と、演じる喜びを語ってくれた。
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2024年12月26日 13:00時点
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