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今日から俺は!!:福田雄一監督が語る賀来賢人 「計算しないゆえの危うさ」が魅力

テレビ
連続ドラマ「今日から俺は!!」の主演を務める賀来賢人さん(左)と福田雄一監督=日本テレビ提供

 西森博之さんの人気ヤンキーマンガを映画「銀魂」などの福田雄一監督が実写化した連続ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系、日曜午後10時半)が放送中だ。ドラマで主人公・三橋貴志を演じているのは、俳優の賀来賢人さん。放送当初から、その振り切ったコミカルな演技に多くの反響が上がっている。福田監督に、賀来さんを主演に抜てきした理由やコメディアンとしての魅力を聞いた。

 ◇福田監督が見た賀来賢人の覚悟

 「今日から俺は!!」は、1988~97年にマンガ誌「増刊少年サンデー」(小学館)と「週刊少年サンデー」(同)で連載された西森さんのマンガが原作。80年代初頭を舞台に、金髪パーマの三橋貴志(賀来さん)と、“トンガリ頭”の伊藤真司(伊藤健太郎さん)のツッパリコンビが、他校の不良たちとけんかしたり、騒動に巻き込まれたりする姿を描く青春コメディー。

 福田監督に賀来さんについて聞くと、真っ先に「ものすごく成長したんです」という言葉が返ってきた。福田監督と賀来さんとの出会いは、2011年の賀来さんの初舞台「スマートモテリーマン講座」だった。同舞台の脚本・演出を手がけた福田監督は「非常に人間的にも内向的だったし、とても主役を任せられるような感じはなかった」と振り返る。その後も、福田監督のドラマに出演することはあっても「前に出るわけでもなく、おとなしい部分が目立っていた」という。

 そんな賀来さんが「変わった」と福田監督が感じたのは、古田新太さんら「劇団☆新感線」の舞台「五右衛門vs轟天」のステージに立つ姿を見た時だった。「その舞台は、本番が半年近くあったはずなんです。それを古田新太、池田成志、橋本じゅんにもまれながら半年間やって、ちゃんとお客さんの反応も取っていた。あまりにも激しすぎる武者修業を経て、帰ってきた彼は別人だった」と話す。

 当時の賀来さんについて「同じ事務所の三浦春馬君だったり、佐藤健君だったり、同世代のライバルたちがどんどん先を行く中で、自分は舞台が一番の強みなんだ、自分はコメディーができるということが一番強みだと気付いたのではないか」と話し、新感線の舞台での成長を見て「これは面白い。ここで賀来賢人を捕まえておこう」と考えたという。

 その後、賀来さんは、福田監督が脚本・演出を手がける劇団「ブラボーカンパニー」の舞台が原案のウェブドラマ「宇宙の仕事」(16年)に出演。「あとから聞いた話ですけど、賀来君は『このドラマで福田組の映像に返り咲くんだ』という思いがあった、と。そんな必死の覚悟で来た賀来賢人はすさまじかった」と振り返る。ドラマでの演技は、共演のムロツヨシさんが「おい、賀来賢人どうした?」と驚いたほどだったという。

 ◇福田監督からの進言 「コメディーに特化した役者の道を」

 賀来さんについて語る中で、福田監督は「宇宙の仕事」のクランクアップ後のエピソードを明かした。今後について「僕、どうしたらいいですか」という賀来さんに福田監督は「もうあれこれ迷わずに、いろいろな役に手を出すわけでもなく、コメディーに特化した役者の道を選んだらどうか、という話をしたんです。20代でコメディーといったら、賀来賢人がナンバーワンだというのを見せつけてやったらいいよって」と話したという。それは、賀来さんの歩みを見守ってきた福田監督だからこそできた、愛のこもったアドバイスだったのかもしれない。

 そんなやりとりがあった後、賀来さんは、小栗旬さん主演のミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」で、演出を手がけた福田監督の“最上級の信頼”を獲得する。「あの舞台は、笑いの面では賀来賢人とムロツヨシの勝負だったんです。ムロさんがトップバッターでドッとお客さんを沸かせて、4番バッターである賀来君にバトンタッチする構造だった。それをものの見事にやり切った」と振り返る。小栗さんも賀来さんと共演し、「来年、再来年には、賀来賢人は日本の俳優の中でトップ、最前線を走る男になると思うんだ」と語っていたという。

 ちょうどそのころ、ドラマ「今日から俺は!!」のキャスティングが始まり、福田監督とプロデューサーは、賀来さんを主演に抜てきする。賀来さん自身は「すごく驚きましたが、自分自身、役者として“主演”を意識し始めていた時期だったというのと、それを福田監督と共にできる、という喜びが驚き以上にありました」と語っているが、それは福田監督や小栗さん、ムロさんら共演者が認める実力あってのことだったのだろう。

 ◇賀来賢人の魅力は計算しない“危険性”

 「今日から俺は!!」の撮影は終わっているが、賀来さんの演技を「本当に素晴らしかった」と絶賛する福田監督。改めて賀来さんの魅力を聞くと、福田組常連となっているムロさんや佐藤二朗さんと対比して、「いい意味でも悪い意味でも計算されていない」と話す。

 「僕のドラマは『どこまでが台本でどこまでがアドリブ?』と言われますけど、ムロさんも二朗さんも、コメディーのシーンをやる上で計算を持ってやっている。ただ、賢人は若いですから、計算なくやれるんです。それがハマる時はすごく面白いんだけど、ハマらない時は全くハマらない。そういう危険性があるところが、僕はすごく好きなんです。そこが賀来賢人の魅力なんじゃないかな」と語っていた。

 福田監督は撮影を振り返り、「(賀来さんは)別にやらなくてもいいのに、変に座長的な動きもしていたし。キャストをまとめるのも、俺がやるからいいんだけど、そこも頑張ったりなんかして……」とコメント。また、演技の上では「主役だから出すぎちゃいけないという感覚を絶対に持っちゃいけない。とにかくそれは捨てろ。三橋はそういう役じゃない。主役なのにボケてボケて、出張って出張って、誰が主役だか全然分からない状況でいいんだ」と話したという。そう語る福田監督の表情からは、賀来さんへの期待と愛情がにじみ出ていた。

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