斉藤由貴:名古屋闇サイト殺人事件の被害者の母役に 東海テレビでドラマ放送へ

12月に東海エリアで放送される「東海テレビ開局60周年記念ドキュメンタリードラマ『Home』」(仮題)の一場面。斉藤由貴さん(左)と矢崎由紗ちゃん=東海テレビ提供
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12月に東海エリアで放送される「東海テレビ開局60周年記念ドキュメンタリードラマ『Home』」(仮題)の一場面。斉藤由貴さん(左)と矢崎由紗ちゃん=東海テレビ提供

 2007年に発生した強盗殺人・死体遺棄事件「名古屋闇サイト殺人事件」が東海テレビ(名古屋市東区)でドキュメンタリードラマ化され、ドラマパートで、女優の斉藤由貴さんが被害者の母・磯谷富美子さんを演じることが14日、明らかになった。同日、同局で行われた会見で発表された。事件発生直後から富美子さんを取材し、ドキュメンタリーを制作してきた報道局の斉藤潤一部長が監督、脚本を担当する。

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 事件は、インターネット上の“闇サイト”で集まった3人組の男によって、名古屋市の住宅街の路上で帰宅途中の会社員、磯谷利恵さんが拉致され、殺害された上、山中に遺棄された。東海テレビは、事件発生直後から富美子さんに密着し、1審の判決直後の09年4月にドキュメンタリー番組「罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父」を放送。斉藤部長は同ドキュメンタリーでディレクターを務め、その後も継続して富美子さんを取材してきた。

 番組は「東海テレビ開局60周年記念 ドキュメンタリードラマ『Home』」(仮題)として、撮影と編集を、現在も富美子さんの取材を続ける同局の報道部が担当。事件前の母と娘の物語や、犯人の1人の生い立ち、事件後の10年あまりをドキュメンタリーとドラマを交えた表現で取り上げる。約2時間半の番組となる予定。利恵さんを女優の佐津川愛美さんが演じ、利恵さんの子供時代を、NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロイン・鈴愛(すずめ)の幼少期を演じた矢崎由紗ちゃんが演じる。ほかに浅田美代子さん、大空眞弓さん、須賀健太さんらが出演する。

 斉藤由貴さんは今回の撮影について「本当に難しかった」と言い、実際に富美子さんを取材してきた斉藤部長に「アドバイスをいただき、力をお借りしました」と振り返った。「亡くなられた磯谷利恵さんや残されたお母様の思いに、どれくらい自分の心が肉薄できるか、そこの誠実さはすごく大切にしたいと日々葛藤しながら……運命や、人生や、何があろうと、死や、理不尽をも乗り越えていく母の絶対の愛や……そんなさまざまなことを感じ、考える良い機会になりました」とコメントしている。番組のナレーションも担当する。

 会見に出席した斉藤部長は「10年前にドキュメンタリーを制作して、子供のころから事件までの母と娘の物語は描けなかった。事件の前に(母と娘の)すてきな物語がたくさんあり、その部分をドラマにした。事実に基づいているが、事件前にこんなふうに過ごしてきたのだろうという点については想像して書いている」と説明。ドキュメンタリードラマ化することを富美子さんに伝えたところ、事件を風化させたくない思いと、利恵さんが子供のころ、斉藤由貴さんのファンだったことから「喜んでもらえた」と明かした。

 放送は東海エリアで12月末を予定している。

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