青柳翔さん、町田啓太さん、鈴木伸之さんら「劇団EXILE」が総出演する映画「jam(ジャム)」(SABU監督)が12月1日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。EXILE HIROさんプロデュースの完全オリジナル作。青柳さん演じる場末のアイドル演歌歌手、町田さん演じる意識不明の彼女の回復を願う青年、鈴木さん演じる刑務所帰りで復讐(ふくしゅう)を狙う男という3人の運命が交錯していく……。
ウナギノボリ
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場末のアイドル演歌歌手ヒロシ(青柳さん)は、熱烈なファンに支えられ舞台では輝きながらも、いつも心に虚無感を抱えていた。ある日のコンサート終わりにファンの昌子(筒井真理子さん)に付きまとわれ、彼女の自宅に監禁されてしまう。一方、瀕死の重傷を負った大切な彼女の意識回復を望むタケル(町田さん)は、“善(よ)いこと貯金”をすれば意識が戻るのではと信じ、毎日必死に生きていた。刑務所からシャバに戻ったテツオ(鈴木さん)は、自分を刑務所送りにしたやくざに復讐(ふくしゅう)するため、事務所に単身殴り込みをかける……という展開。
ヒロシ、タケル、テツオの三者の物語はどれもテイストが異なり、三様の楽しみ方ができる。青柳さんが演じるヒロシと昌子の関係性の描き方が秀逸で、スピーディーな演出で心地良く一気にのめり込ませてくれる。せりふが一切なく、ひたすらケンカを繰り広げるテツオは、キレキレで生っぽさが痛々しいほど伝わる鈴木さんのアクションから目が離せない。いい人すぎるがゆえに逆に奇妙な気味悪さを感じさせるタケルを、町田さんが好青年ながらどこか陰を感じさせる雰囲気で絶妙に演じた。
あっと驚く展開もあり、タイトル通り、まるでジャムのように混ざり合った珠玉のエンターテインメント作だ。(遠藤政樹/フリーライター)
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