真木よう子:“炎上”描いたドラマで「避けてきた」弁護士役に挑戦 SNSも「人対人」

ドラマ「炎上弁護人」で主人公の弁護士・渡会美帆を演じる真木よう子さん (C)NHK
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ドラマ「炎上弁護人」で主人公の弁護士・渡会美帆を演じる真木よう子さん (C)NHK

 女優の真木よう子さん主演のNHKの「土曜ドラマスペシャル『炎上弁護人』」が15日午後9時~10時13分に放送される。ネット世論の“裁き”が下されかねない時代に立ち向かう弁護士を描いたヒューマンドラマ。真木さんはSNS炎上案件を担当するアウトローな弁護士・渡会美帆を演じる。「ずっと避けてきた」という弁護士役に挑んだ真木さんに、演じた感想やテーマの“SNS炎上”についての思いなどを聞いた。

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 ◇ずっと「避けてきた」弁護士役 「正義感の強さ」が共通点
 
 「白い巨塔」や「14才の母」などで知られる井上由美子さん脚本のオリジナルドラマ。ある日、世間やマスコミにバッシングされ“社会の敵”となった人々を担当する弁護士・渡会美帆の元に、ネットで炎上し加害者扱いされた主婦・朋美(仲里依紗さん)が現れる。SNSの炎上案件という勝ち目の薄い内容に迷う美帆だが、朋美に対する攻撃のひどさに、あえて依頼を引き受ける。依頼人と弁護士という立場を超えて、2人の女が固い絆で結ばれていく……というストーリー。岩田剛典さん、岡山天音さん、片桐はいりさん、小柳ルミ子さん、宇崎竜童さん、小澤征悦さんも出演する。
 
 世間の反感に立ち向かう方が燃えるアウトローな弁護士・美帆を演じる真木さん。オファーを受け、真っ先に思ったことは「ずっと避けてきた弁護士役がついに来たか」だったと苦笑する。避けていたのは「難解な専門用語が付き物というイメージがあった」ためだ。「ドラマの中身を聞いたら、お堅い弁護士の役ではないということだったので、やらせていただこうと思いました」と笑い、「今は、SNSで発覚する事件が多くなっている。一般の方でも身を正して生きていかないといけない世の中になったと思っています。だからすごく注目を浴びる、みなさんが見て共感できる、面白いドラマになるんじゃないかと思いました」と話す。
 
 演じる美帆は、正義感の強い弁護士。真木さんは「台本を読んで、お堅い人間というよりも『人を助けたい』という正義感が強くて、その感情で動いてしまう女性なんだという印象を受けたので、そういうふうに演じました」と語り、「自分でも正義感は強い方だと思っているので……(美帆の正義感は)自分にないところではないので、やりやすいところはありましたね」と明かす。
 
 炎上に美帆と共に立ち向かう朋美役の仲さんについては「すごく人見知りで、おしゃべりするタイプじゃないけど、スッと役に入るのがお上手な方。とてもやりやすいですし、すごく可愛いですね」と印象を語る真木さん。ドラマには、美帆と朋美が少しずつ心を通わせて固い絆で結ばれていく“バディーもの”のような側面もある。真木さんは「(朋美は)依頼人ではあるんですけど、ただの依頼人ではなくて、少し面倒な妹的な感じで接するように、せりふ回しをするように心がけていました」と振り返る。

 そんな2人に接近するウェブニュース記者・馬場明も、ある重大な役割を果たすキャラクターだ。馬場を演じている岩田さんについて真木さんは「(ロケで)オーラを消すのがすっごくうまくて(笑い)。本当に誰にも気づかれないから、スムーズに撮影できるんです。オーラを消すことができるテクニックをお持ちなことにびっくりしました」と印象を語る。

 ◇「人対人」に共感 「きれいな言葉を投げかけようぜ!」

 誰もが被害者にも加害者にもなり得る“炎上”を描いたドラマ。真木さんが特に「グッときた」のは宇崎さん演じる父・明彦のせりふだった。「(明彦は)SNSはやっていないし、分からないんですけど、『だけど、人対人だろ、変わりゃしないじゃないか』というせりふがあるんです。すごく、そうだな、と思いました」と共感する思いを明かす。

 「『人対人なんだ』と主人公が気づくあたりから、おそらく、見ているみなさんも、ネットやSNS上の見えない相手に対する感情が少し柔らかくなってくるというか……そういう感じがするんです」。そう語る真木さんは、最後に、「実名も顔も解らないネット上だからこそ、暴言ではなく、きれいな言葉を投げかけようぜ! というメッセージ性のあるドラマになったらいいなと思います」と期待を込めて語った。

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