白い巨塔:“財前”岡田准一のライバル・里見役に松山ケンイチ 東教授は寺尾聰

スペシャルドラマ「白い巨塔」に出演する(左から)松山ケンイチさん、岡田准一さん、寺尾聰さん=テレビ朝日提供
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スペシャルドラマ「白い巨塔」に出演する(左から)松山ケンイチさん、岡田准一さん、寺尾聰さん=テレビ朝日提供

 山崎豊子さんの不朽の名作を人気グループ「V6」の岡田准一さん主演でドラマ化する5夜の連続のスペシャルドラマ「白い巨塔」(テレビ朝日系)に俳優の松山ケンイチさん、寺尾聰さんが出演することが29日、分かった。松山さんは、岡田さん演じる財前五郎の同期でライバルの内科医・里見脩二、寺尾さんは財前の師であり、浪速大学医学部第一外科・教授の東貞蔵をそれぞれ演じる。

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 松山さんが演じる里見は、浪速大学医学部第一内科・准教授。教授の座を射止めるため野心を燃やす財前とは対極に、出世には関心がなく、患者を診ることと自身の研究だけに心血を注ぐ医師だ。寺尾さんが演じる東は、自らの定年退官を前に後継者選びを開始する中、「本当に自分の後継者は財前でいいのだろうか」という疑念を抱き始める。ストーリーの前半で最も財前と対峙(たいじ)することになるキャラクターという。

 「白い巨塔」は山崎さんが1965年に発表した長編小説(新潮社)。ドラマの監督は、映画「後妻業の女」「のみとり侍」などの鶴橋康夫さん、脚本は映画「フラガール」、NHK連続テレビ小説「マッサン」などの羽原大介さんが務める。物語の設定を2019年に置き換え、現代の最新医療ならではの、今までにない新たな世界を醸成していくという。テレビ朝日の開局60周年を記念した大型ドラマスペシャルとして、今年5夜連続で放送される。

 岡田さん、松山さん、寺尾さん、船津浩一プロデューサーのコメントは以下の通り。

 ◇岡田さんのコメント

 里見と財前は、医師として互いに認め合ってはいるけれど、全く対極にいる2人。現場でもあえて距離感を詰めないようにしているんですが、そうした中で松山さんは常に里見としてしっかりと現場に立たれていて、安心感があります。こちらがガンガン攻めても、揺るぎなく真っすぐな目線で芝居をされる。胸に刺さるお芝居をされる方です。

 寺尾さんとは、じっくりと対峙しながらお芝居をしている感覚があります。東先生と財前は師と弟子であり、親子のようでもあり……。反発しているけれど、どこか甘えている部分もある、という愛憎の探り合いを感じます。寺尾さんとは芝居を通して、たくさん会話させていただきました。

 物語の後半になるにつれて、財前が追い込まれていくので、撮影も苦しくなることが多くなりました。セリフを覚えたはずなのに、財前が不安だから自分も不安になって、芝居に自信がなくなってくるということもあり、終盤は戦いの連続でした。これまでに財前を演じられてきた歴代の方々も苦しまれたんじゃないでしょうか。僕も最後まで悩みつつ、皆さんに喜んでいただけるようなお芝居ができたらと思っています。

 原作と過去の作品をリスペクトしながらも全く別のものを作っている感覚があるので、皆さんにはまた新しい現代の「白い巨塔」を楽しんでもらえると思います。期待していただけたらうれしいです。

 ◇松山さんのコメント

 大学病院には、患者のためを思っている人もいれば、自分のために生きている人もいる。この作品は大学病院を舞台にした物語ではありますが、そこにいる人間の“それぞれの生き方”がぶつかっていく物語なのかなとも思いました。大学病院を通して人間という生き物を観察しているような感覚です。

 僕が演じる里見は、医者の良心のようなキャラクター。本作で描かれる大学病院が考えがちな、“医者と患者の上下関係”とは少し抜け出したところから患者を診ている人です。里見とは両極端な立場にいる財前を演じる岡田准一さんはとてもパワフルな演技をされる方で、「岡田さんがこう来るなら、僕もこうしよう」というふうに組み立てられていったので、より対比がある2人になっているのではないかと思います。

 寺尾聰さんは昔のお話やこれまでに経験されてきたことをたくさんお話ししてくださって、それこそ東先生と里見のように、僕にとっても寺尾さんは先生のような存在。すごく勉強になり、貴重な時間でした。岡田さんと僕の演技の幅が広ければ広いほど、よりいろいろな世界が見られる物語になるのではないかと思うので、そこを意識して演じました。

 ◇寺尾さんのコメント

 今回、鶴橋監督と初めて仕事をご一緒するので楽しみにしていました。そして何より、岡田准一くんと松山ケンイチくんという魅力的な2人が、この「白い巨塔」を描いてくれるということが出演の決め手でした。岡田くんとは大河ドラマ「軍師官兵衛」という作品で向かい合ったことがあるので、真っすぐな俳優さんだと分かっていましたし、松山くんとは初めてですが、彼の出演したいろいろな作品を通してある種の“太さ”を感じていました。日本のテレビ・映画界の中心になっているこの2人が、一体どうぶつかり合うのか……そしてこの2人の間に自分がどういられるのか楽しみでした。

 ◇船津プロデューサーのコメント

 山崎豊子の描く「白い巨塔」には個性豊かな人物が多く登場しますが、財前が大学病院でその野望を果たしていく過程において、特に深く関わってくる人物が2人います。その一人が医師として財前と対照的な生き方を選ぶ里見脩二。もう一人は教え子である財前と教授選という熾烈(しれつ)な権力争いをすることになる東教授です。今回、この重要な役に松山ケンイチさんと寺尾聰さんを迎えられたことは大変な喜びであります。野望、医師としての良心、渦巻く嫉妬……。大学病院という封建的な人間関係が残る特殊な世界で繰り広げられる強烈な人間ドラマ。名優たちによる熱い競演にどうかご期待ください。

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