要潤:「まんぷく」忠彦の“創作論”とは? 嫉妬する妻・克子は「すごく可愛い」

NHK連続テレビ小説「まんぷく」に香田忠彦役で出演している要潤さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「まんぷく」に香田忠彦役で出演している要潤さん (C)NHK

 女優の安藤サクラさんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」に香田忠彦役で出演している俳優の要潤さん。忠彦は、ヒロインの福子(安藤さん)の次姉・克子(松下奈緒さん)の夫で、画家。4日から始まった第19週「10歩も20歩も前進です!」では、忠彦の美人画モデルの秀子(壇蜜さん)を巡る香田家の騒動が描かれている。要さんによると、「忠彦は美人画を描き出しますが、『創作』という意味では、鳥を描くのも、美人を描くのも、本人の気持ちとしてはあまり変わりない」ときっぱり。また、秀子に嫉妬する妻の克子のことは「すごく可愛いなと思います」と明かし、香田夫妻のことを「理想的ないい夫婦」と語る要さんに、忠彦について語ってもらった。

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 ◇戦争経験が「ターニングポイント」 家族への比重も「大きく」

 普段からあまり感情を表に出さないタイプだが、心の中では妻の克子や4人の子供たち、そして福子たち家族への深い愛情を秘めている忠彦。戦争では大切な目を負傷し、赤と緑の色の区別がつかなくなってしまったが、要さんは「戦争を経験して地獄を見てきて、 自分のクリエーティブな部分や人生について、改めて考えさせられたことは、忠彦にとって大きなターニングポイントだったと思います」と振り返る。

 復員してから、画家として苦悩することもあったが、そんな忠彦の心の支えになったのが「家族」。要さんも「この先、絵が描けるかどうかという問題を抱えましたが、その壁を乗り越えて、それを自分の絵に生かしていこうとまた絵筆をとった。この心境については想像を絶するほどの挫折と苦悩があったと思います」と当時の心境を代弁しつつ、「まさにお先真っ暗という状態を打開していく原動力となったのは、家族の存在がすごく大きかったのだと思います」と認めている。

 さらには「それまでは寡黙で画家らしいというか、家族のことよりも芸術のことを考えるタイプでしたが、戦争を経験して命の尊さを感じ、生還できたたくましさも加わって、気持ちの中で家族への比重が大きくなっていったのかなと思います」と忠彦の変化や成長を実感している様子だった。

 ◇芸術に強いこだわりも… 忠彦の絵は「だんだん前衛的なアートに」?

 画家役として「最近はなかなか本格的な絵の練習ができていませんが、時間があるときにスケッチ程度を続けるようにしています」とも明かす要さん。「例えば、筆の走らせ方は曲線と直線とでは違うので、絵画指導の先生のおっしゃったように練習しています」といい、「実は忠彦がアトリエで描いている絵は、あらかじめ先生が描いてくださっていて、撮影中、 僕は最後を仕上げるだけなので、なんだか自分が上手になった気がして楽しいですね」と笑う。

 「画商から依頼されるような商売用の絵は描かない」という芸術への強いこだわりを持つ忠彦だが、「創作」という意味では「鳥を描くのも、美人を描くのも、本人の気持ちとしてはあまり変わりない」というのが、要さんが抱く画家としての忠彦の印象だ。

 そのため、美人画モデルの登場に毎回やきもきする克子にも「何を心配してんの?」とどこ吹く風。要さんは「忠彦にとってはクリエーティブへの興味の方が勝っている」と結論づけると、「今後は『どのような絵を描いていくか』ということも忠彦のテーマの一つとしてありますし、忠彦の絵は、だんだん前衛的なアートになっていきます。美人画から、そこに向かっていくところが見どころだと思いますので楽しみにしていてください」とアピールしていた。

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