天気の子:役が憑依? 帆高役・醍醐虎汰朗と陽菜役・森七菜が語る新海誠監督の新作秘話

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劇場版アニメ「天気の子」の初日舞台あいさつに登場した(左から)森七菜さん、新海誠監督、醍醐虎汰朗さん

 最終興行収入250億円を超える歴史的ヒットとなった「君の名は。」(2016年)の新海誠監督の新作劇場版アニメ「天気の子」がついに公開された。家出少年、森嶋帆高と祈るだけで空を晴れにできる不思議な能力を持っている少女、天野陽菜が東京で出会い、ある決断をする物語。2000人を超えるオーディションで選ばれた主人公・帆高役の醍醐虎汰朗さんとヒロイン・陽菜役の森七菜さん。2人は初めてのアフレコを「伸び伸びやらせてもらった」と語った。

 ◇役に似ている2人 「自然体でやってほしい」

 醍醐さんはアフレコについて、「最初のころはスタジオに入ると少し緊張してしまって……。でも後半は森さんをはじめ、スタッフの皆さんと仲良くなることができたので、仕事しに来ているのか遊びに来ているのか分からないくらいの感覚ですごく楽しかった」といい、森さんも「本当にスタッフの方が優しいので、最初の硬い感じがなくなって伸び伸びやらせていただいた」と振り返る。

 新海監督の新作ということでプレッシャーはなかったのだろうか。「帆高であることに自信を持ってきて、余計なプレッシャーなどを考えている時間があったら役のことを考えよう、というふうに認識が変わりました」、森さんも「私もだんだん自信というか、私が陽菜だなという決意みたいなものが出てきました」と役に入り込むことでプレッシャーをはね返した。

 新海監督の印象を、醍醐さんは「イメージ通りの優しくて柔らかくて。『醍醐くんが帆高だから自然体でやってほしい』といわれました。リテークをするときも必ず『今のよかったです』から始まって、『でも、こっちの方も見てみたいです』と優しい言い方してくださる。演出自体はこだわってやってらっしゃって、僕らも監督がオーケーと言ってくださったことに関しては、じゃあ自信を持っていいんだって思うようになりました」という。森さんも「こうしてくださいと言われたことはなくて、私も陽菜に似ているというようなことを言われたこともあったので、あまり役作りもせず……。新しいものを私たちが出したら、いいものだと必ず受け止めてくださる優しい方だなと思います」と語る。

 ◇声優の技術を肌で感じ、学びながら自信をつけた 歌うシーンは…

 アフレコで2人はみるみる成長していった。醍醐さんは「声の大きさを相手がどこにいるかで変えたり。あとは息の使い方なんですけど、走っているシーンが結構多くて、他の方のアフレコを聞いたら、『はあっ』『はあー』とかいろんな音を組み合わせて、全音違う息遣いでやってらっしゃって。実際に自分でやってみると全然違うなと思ったので、技術を知ることってすごく大事なことなんだなと思いました」、森さんも「声優さんがいらしてお芝居をされるのを間近で見て、学べたところをメモして2人で教え合ったりしながら成長していったんじゃないかなと思います。新海さんには『声優さんっぽくなってきたね』と言っていただきました」と学びながら自信をつけていった。

 歌を歌うシーンもあったが、醍醐さんは「帆高は一生懸命やっていれば、歌がうまい必要はないだろうなと思ったのと、変にこなれちゃうと見ていて頑張っている感が伝わってこないんじゃないかなと思って、もう出たところ勝負でやろうと。全く練習もしなかったです」といい、森さんも「もうちょっと練習すればよかったかなと思いました。そんなにうまくなくていいかなと思ったんですけど、ぼそっと新海さんから『ヒロインなんだよね』って言われちゃって(笑い)」と振り返っていた。

 ◇帆高と陽菜が憑依? 役に入り込み“ひななちゃん”誕生

 醍醐さんは森さんについて「僕の目からは結構、陽菜とかぶる部分があります。感情がころっと変わったりするところは陽菜に近いものがあるなと思ったりすると同時に、全然似ていないところもあるので、そこが面白いというか。どっちと接しているか分からなくなる瞬間もあって、それを僕は『ひななちゃん』って呼んでいました」と表現。森さんも「劇中に『そっか』って言う瞬間があるんですけれど。陽菜のように『そっか』って言っちゃったときがありました」と明かす。

 森さんは醍醐さんについて「醍醐くんは帆高と顔も似ていると思って。画(え)ができてきて帆高の顔が見えてくると、やっぱり帆高って醍醐くんみたいだと思うときがあって、重ねて見えました」と表現。2人共、役が憑依(ひょうい)するぐらい入り込んでいたようだ。

 森さんは醍醐さんに対して「たまに私が迷っていたり、とことん分からなくなってしまって、自己嫌悪になってしまったときに、(醍醐さんが)こうしたらいいんじゃないとか、『大丈夫だよ』って言ってくれる。ときどき先生みたいな一面もあるなと思っています」とリーダーシップに感謝する。醍醐さんは森さんに対して「作品に対する熱量がすごいなと感じるので、僕も同じような気持ちを持っていて、高め合っているというか。本当に“天気の子”だなと思います。落ち込んでいると思ったら喜んでる、ポンポンと感情が変わったりするので一緒にいて楽しいです」とお互いの間には絆が生まれているようだった。

 ◇新海監督にしか描けない画を持っている

 試写会を一切行わなかったため、公開までベールに包まれていた今作。醍醐さんは「地元の友人から『どんな作品なの?』と聞かれても、『教えねえよ。見に行け』ってそれだけ言います」といい、森さんは「私は逆に『最高の部分があって……』って言いだすと『言わないで!』と言われる(笑い)。言うつもりはないんですけど、みんな楽しみにしてくれているんだと思ってうれしいですね」と笑顔で語る。

 映画について、醍醐さんは「新海さんの画(え)って他と比べものにならないくらいすてきで、個性的で、新海さんにしか描けない画を持っていらっしゃる。『天気の子』だけあって、いままでで一番、風景の描写が多いじゃないですか。これは新海監督の作品が好きな人はさらに好きになるんだろうな、圧倒されるんだろうなと思いました。あと、楽しかったり、悲しかったり、感動したり、ハラハラしたり、感情の揺れ幅が大きくて、いい意味で忙しいなと思い、これだけ感情を動かされて、最後にほくほくした気持ちで終わる映画って最近見てないなと思ったので、すごくすてきな作品になるんだろうなと思いました」と語った。

 「天気の子」に出演したことで、森さんは「最近、晴れになっても雨になってもうれしいし、寂しくて。なんか複雑な気持ち。天気は気になるようになりましたね。夢の中でも念じると晴れるという夢を見たんです……」と陽菜が乗り移っているようだった。

 「天気の子」は、天候の調和が狂っている時代、離島を飛び出し、東京にやってきた高校1年生の家出少年・帆高が、孤独な日々の果てに見つけた仕事は怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。ある日、連日降り続ける雨の中、都会の片隅で一人の少女・陽菜と出会う。陽菜はある事情を抱え、弟・凪と2人でたくましく暮らしていた。そして彼女は祈るだけで空を晴れにできる不思議な能力を持っていた……というストーリー。小栗旬さん、本田翼さん、倍賞千恵子さん、吉柳咲良さん、平泉成さん、梶裕貴さんらも出演している。

 原作・脚本は新海監督、音楽はバンド「RADWIMPS」、キャラクターデザインは田中将賀さん、企画・プロデュースは川村元気さんと「君の名は。」と同じスタッフが集結。RADWIMPSは「愛にできることはまだあるかい」や音楽を手がけ、女優の三浦透子さんがRADWIMPSが書き下ろした楽曲「グランドエスケープ(Movie edit)feat.三浦透子」のボーカルを務めている。

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