奪い愛、夏:鈴木おさむが語る“ウケる”ドラマ ネットドラマの正解とは…

女優の水野美紀さんの主演ドラマ「奪い愛、夏」の脚本を手がけた鈴木おさむさん
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女優の水野美紀さんの主演ドラマ「奪い愛、夏」の脚本を手がけた鈴木おさむさん

 女優の水野美紀さんの怪演などが大きな話題となっている連続ドラマ「奪い愛、夏」(AbemaTV、毎週木曜午後11時)。脚本を手がけるのは、前作「奪い愛、冬」も手がけた放送作家の鈴木おさむさんだ。前作よりも“狂気度200%アップ”し、地上波放送ではできないような演出も盛りだくさんで、鈴木さんは「ずっとトップスピード」と表現する。今作の脚本作りを「楽しかった」と話す鈴木さんに、今“ウケるドラマ”について聞いた。

 ◇日本のネットドラマは「まだ正解が出ていない」

 「奪い愛、夏」は、2017年1月期に倉科カナさん主演でテレビ朝日系で放送され、ドロドロの愛憎劇が話題を集めたドラマ「奪い愛、冬」と同様に鈴木さんが脚本が担当。同ドラマのプロデュースチームも脚本作りに全面協力し、全く新しいオリジナルドラマとして制作された。水野さん、小池徹平さん、松本まりかさんらによって、危険な愛のトライアングルが描かれる。

 前作は地上波で、今回はネット。この違いについて「違う部分は多い」と話す鈴木さん。「もちろんたくさんの人に届けないといけないんだけど、物差しが視聴率ではなくなってくる。そうなってくると、面白いモノに対してブレーキをかけるくせをやめる」と表現する。

 たとえば、桜(水野さん)が、1億円で結婚をした椿(小池さん)に向かって、精子の検査を強制させるという場面があったが、「精子の検査を強制させるっていうのも、地上波だったらブレーキを踏む人も多いと思う。ナーバスにならなきゃいけない話だというのは一緒なんですけど、そこに簡単にブレーキかけて考えたくないというのがあったんですよね」と明かす。

 「奪い愛、夏」と同日に公開された、俳優の山田孝之さんがアダルトビデオ監督を演じた「全裸監督」(Netflix)も、地上波ではできない過激な表現などで話題を集めている。「それこそ、まさに『全裸監督』もそうだったのかもしれないけど、日本のネットドラマは本当の正解がまだ出ていない気がして。(『奪い愛、夏』では)地上波でできない物語ができたらいいなと、みんなかなりアクセルを踏んだ」と振り返る。

 ◇ウケるドラマは「実況したくなるドラマ」

 今クールの地上波ドラマでは、「あなたの番です(あな番)」(日本テレビ系)が、SNSを中心に「犯人は誰か」という考察が過熱するなど話題を集めている。鈴木さんが考える“ウケるドラマ”は、「2種類ある」といい、「たとえば、『カルテット』(TBS系)のような、セリフからじっくり見ていきたいドラマ。もうひとつは、実況したくなるドラマ」と考えている。

 「実況したくなるドラマ」というのは、「ツイッターをしたくなるドラマ」だといい、「誰かに何かをその瞬間に伝えたいというものが結構ウケているんじゃないか」と話す。「すごい甘い恋愛とか、共感できたり、つぶやいたりしたくなる。(ドラマを)見ながら実況したくなる。それが大事だなと。そこが強ければ、トレンドに入る」と分析する。

 「あな番」「初めて恋をした日に読む話(はじこい)」(TBS系)などが、「実況したくなるドラマ」と話す鈴木さんに、「奪い愛、夏」は、まさに“実況したくなるドラマ”なのでは?と伝えると、「(脚本を)作るときから、それを意識して作ってきたんです。とにかく放送時間に、SNSで、はじけるドラマを作りたいなと思ってやってきた」と明かす。「“ツッコミどころ”とも言うんですけど、それはわかってやっている」と話す。

 ◇「変なことが起きる」ことを大切に

 「奪い愛、夏」では、椿(小池さん)が、杏(松本さん)と、プラネタリウムで逢瀬(おうせ)しているところに、桜(水野さん)が「ここにいるよ~」といいながら顔面アップで登場したり、トイレの壁をよじのぼってまで椿(小池さん)たちを探そうとしたりと、“怪演”を連発。SNSでは、「怖すぎ」「水野美紀がスゴい」「水野美紀さんの演技最高」などと話題を集めている。

 第4話では、井川(田中みな実さん)が、狂気に満ちた表情を浮かべる場面があり、「怖すぎ」などと話題に。さらに、第5話では、“壊れていく”小池さんの姿が描かれ、「鳥肌」「ヤバい」と反響を集めた。

 水野さんをはじめ、キャスト陣の怪演が注目を集めているが、鈴木さんは「“怪演”は役者のもの」と話す。「プロデューサーでもディレクターでもないので、脚本側ができるとしたら、現象ですよね。起きている物語の現象。結果、そういうことが強ければ、怪演になっていく」と話す。

 「奪い愛、夏」の脚本作りを「楽しかった」と話す鈴木さんは、脚本を手がけるときに「変なことが起きる」ということを大切にしている。「僕の中で、『奪い愛、冬』のときに、『変なことが起きるドラマにしましょう』ってプロデューサーに言われたのが、すごい自分に合っていたんです。それ以降、この瞬間を見せたいということをまず考えるようになった」と変化を明かす。

 「物語のうねりはもちろんですが、なにより“この瞬間を見せたいんだ”ということを大切にして作るようになりました。実は、第4話で桜(水野さん)と杏(松本さん)の部屋がつながっているという描写が出てきたんですが、本当は最初にあそこから考えていたんですよね」と明かす。最後に、「本当に最後まですごい展開になっていくので、想像ができないと思います。最後の最後まで、本当の“奪い愛”を見てください」とアピールしていた。

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