ボイス 110緊急指令室:話題のキャスティングはリアリティー重視 プロデューサーが明かすこだわりとは?

連続ドラマ「ボイス 110緊急指令室」に出演した吉川愛さん
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連続ドラマ「ボイス 110緊急指令室」に出演した吉川愛さん

 俳優の唐沢寿明さん演じる敏腕刑事が凶悪事件に立ち向かう連続ドラマ「ボイス 110(イチイチゼロ)緊急指令室」(日本テレビ系、土曜午後10時)。ハードなシーンの数々で話題の同ドラマだが、ソニンさんや吉川愛さんといった実力派の役者陣がゲスト出演して、事件の加害者や被害者など、重たい役を見事に演じきったことも反響を呼んだ。「極端に大きい芝居を求められても、リアリティーを出せる人でないといけない」と語る尾上貴洋プロデューサーに、キャスティングの舞台裏を聞いた。

 ◇吉川愛の芝居「天賦の才」

 ドラマは、犯罪被害者からの110番通報に迅速に対応すべく、警察の緊急指令室に特設された独自捜査ユニット「ECU」が舞台。猟奇殺人犯に妻を殺され、犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える凄腕(すごうで)刑事・樋口彰吾(唐沢さん)と、父を殺害された緊急指令室の室長で、どんなかすかな音も聞き逃さないボイスプロファイラー(声紋分析官)・橘ひかり(真木よう子さん)らの活躍を描く。

 初回から2話にかけて、事件の被害者役として吉川さん、加害者役で般若さんが出演。3話で発生した事件では、矢作穂香さん(レギュラーキャスト)が拉致被害者役。5話で子供を虐待する母親をソニンさんが演じ、いずれも話題になった。

 尾上さんは「今回、ゲストは極端なお芝居を求められるキャラクターが多かったと思います」と苦笑いを浮かべつつ、「大きなお芝居でもリアリティーを出せる人を、と思いました」とこだわりを明かす。

 SNS上で「圧倒された!」と絶賛する声の多かった、吉川さんについて「元々お芝居の上手な方だと思っていた」といい、「泣いたり、襲われて『きゃー』と言葉にするのは簡単ですが、説得力を持たせるのは非常に困難。極限状態の人間を演じて、説得力がある芝居ができる若い人と考えた時、吉川さんの名前が挙がりました。実際にすごかったです」と称賛。「でも本人は平然としているんです。カットがかかると、血まみれのメークで普通に過ごしていて。芝居は、天賦の才のようなものを感じました」と明かす。

 そんな吉川さんに、殴る蹴るの暴力を振るったのは、ラッパーの般若さんだった。「般若さんは良い意味で狂気を秘めていて、何をするか分からない、素顔が見えない方だと思っていたので、合うのではと思いました。キャスティング会議で般若さんの名前が出てきて、即決しました」と振り返る。

 ◇ソニン、鬼気迫る演技に「はまった」

 レギュラーキャストながら、3話で発生した事件で、恋人に拉致される被害者を演じた矢作さんは、手足をロープで拘束される体当たりの演技を披露。矢作さんが演じた役について「今時の要素をビジュアルで持っていて、遊んでいるような雰囲気もあるけど、ちゃんと品もある人、と思いました。ただ遊んでいる人だと、『お前が悪い』と同情されませんので、いい人なんだけど若気の至りで被害に遭ってしまった親近感のある人物を描きたかった」と話し、「矢作さんはぴったり等身大で演じてくださったと思っています」と語った。

 5話には、舞台を中心に活躍するソニンさんが、子供への虐待が疑われる母親として、約7年ぶりにドラマ出演した。尾上さんはソニンさんについて「ミュージカルを見ていて、ソニンさんが表現豊かで、素晴らしかった」といい、「ただミュージカルは、セリフも声を張って、歌ったり踊ったり、身体を使った大きな芝居が特徴。今回は逆にそのパワーをギュッと内に閉じ込める芝居をしていただくと、よりソニンさんの魅力が強く出てくるんじゃないか」と考えて起用した。

 モニターで演技を確認すると「鬼気迫るものがあり、見ていて『これはヤバい』と実感をもちました」「彼女自身も、映像が久しぶりで非常に緊張されていたようですが、その緊張感や不安感を役にうまくはめていただいたなと思います」と振り返っていた。

 迫真の演技で視聴者を震え上がらせるゲスト陣。間違いない演技力で暴力の恐ろしさ、痛みを強く示すことによって、作品の完成度や視聴者の満足度を高めてきた。実力派たちの魂の演技でつながれてきたストーリーもいよいよ終盤。クライマックスまで目が離せない。

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