ワンピース エッグヘッド編
第1154話 秘策の真相 ベガパンクの勝利宣言
12月21日(日)放送分
1980~90年代に人気を集めた北条司さんのマンガ「シティーハンター」の実写版映画「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」(フィリップ・ラショー監督)が11月29日に公開される。フランスで製作され、同国では今年2月に公開。約168万人を動員した。「シティーハンター」はこれまで、神谷明さんが冴羽リョウ、伊倉一恵さんが槇村香の声優を務めてきたが、フランスの実写映画の日本語吹き替え版は、山寺宏一さんがリョウ、沢城みゆきさんが香の声優を務める。神谷さんと伊倉さん以外がリョウと香を演じることに衝撃を受けたファンも多いはずだ。神谷さん、伊倉さんの思いとは……。
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原作は、1985年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が始まった同名マンガ。東京・新宿でボディーガードや探偵などを請け負う冴羽リョウの活躍が描かれた。1987年にテレビアニメが放送され、3作の劇場版アニメが製作された。原作の累計発行部数は5000万部以上。
神谷さんと伊倉さんにとって「シティーハンター」は代表作の一つだ。神谷さんはオーディションを受けた際から「この役はやりたい!」という特別な思いがあった。
「この役はやりたい! この役は自分だ!と思っていました。そんなことを思ったのはこの作品だけ。リョウは全てがそろっていないとできない。シリアスだったり、優しかったり、ギャグもある。役者としてそれらがある程度そろっていないとできないんです。ちょうど、それができる年齢になっていた。それまで先輩にいただいたもの、自分が培ったものを全部出せる。たくさん遊ばせていただいたし、楽しかったですよ」
「シティーハンター」の放送が始まった当時、神谷さんは既に人気声優だったが、伊倉さんは新人だった。
「何も分からないけど、声がでかく、勢いしかありませんでした。オーディションを受けた時はものすごく二日酔いだったんです。大きい声を出すと、ウッ!となっていっていました。でも、受かったので、私だったんだろうな……。飲んでしまう理由も香っぽいんです。久しぶりに同級生と会って、オーディション前日にもかかわらず飲んでしまったんですよ」
神谷さんは「伊倉ちゃん=香というところもある。可愛いし、優しい。改めて魅力的だね」とも話す。
神谷さんにとって伊倉さんは「安心できる存在」で「ここ1年、2年くらい、前と同じように一緒に仕事をして、取材を受けたりしますが、何か安心する。とっても楽なんです。プライベートでも一緒に芝居を見に行ったり……」と明かす。伊倉さんは「安心するのは私の方です。インタビューでも、神谷さんは私に茶々を入れて面白がってくれたり、キレイにまとめてくれるんです」と、信頼し合える存在のようだ。
今年2月には「シティーハンター」の新作劇場版アニメ「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」が公開され、興収15億円を突破した。1999年放送のテレビスペシャル以来、約20年ぶりの新作で、神谷さん、伊倉さんらが再集結したことも話題になった。神谷さんは「20年ぶりに復活したことがまずうれしかった」と話す。
「20年ぶりというのは、それだけ時間が空いているので、オンエア当時のイメージで演じられるか不安もありました。脚本を見せていただいて、面白かった。それに負けない自分でいなきゃいけない。1年かけて準備して、その時持っている全てを注ぎ込むことができた。昔はそのまま感じたことをやればよかった。そこに戻らないといけない。大変ではあるけど、終わってみれば楽しかった」
伊倉さんも「怖かった。果たしてできるかな? 年を取って、どんなふうになるのか分かっていない」と不安があったという。
新作劇場版アニメが公開されると、名コンビの復活にファンが沸いた。神谷さんは「想像以上のたくさんの人に見ていただき、驚きました。今更ながらシティーハンターの力を実感しました」と喜ぶ。
フランスの実写版では、山寺さんがリョウの日本語吹き替えを担当する。リョウといえば神谷さんのイメージが強い。神谷さんは、山寺さんに役を託すことについてどう考えているのだろうか?
「初めにオファーをいただいたんですが、やはりアニメと実写は違いますし、そういう意味でこれは自分の役ではないなと。リョウではあるけれども、自分の役ではないと思って辞退させていただきました。山ちゃん(山寺さん)にオファーがいっているという話は聞いていて、『新宿プライベート・アイズ』の打ち上げで、山ちゃんと話をしていて、僕に遠慮している感じがしたんですよ。だから、『山ちゃん、頼むよ、山ちゃんしかいない!』と言ったんです。『やりたくないの?』と聞いたら『そんなことはありません』ということでした。だから、僕からもお願いしました。立派に演じていただけるでしょうから。あんなに自在に演じられる役者は、歴史を振り返ってもいない。1番だと思う。素晴らしい役者です。太鼓判を押します。今の時代、山ちゃんしかいない」
伊倉さんも「沢城さんで間違いない!」と太鼓判を押す。
「この間も『アラジン』の吹き替えを見ていて、この女優さん、いいな!!と思っていたら、沢城さんなんですね。間違いないです! 山寺君とは養成所が一緒で、すごいのが入ってきた!とウワサになっていた。勘もいいし、性格もいいし、謙虚で努力家。落ち込んでいて、励ましてくれるんです。私は玉置浩二が好きなんですけど、落ち込んでいる時、カラオケで歌ってくれて、ボロボロ泣いたり……」
フランスの実写版は一体、どうなっているんだろう?と気になるファンも多いだろう。神谷さんは「感動しました」と力を込める。
「スタッフがどれほどシティーハンターが好きなのか!と分かり、感動しました。フランス風の味付けもあって、小じゃれた感じもしますね。リョウのいでたちもいい。もう作られていないミニクーパーが新車で走っているのにも感動しました。海坊主も冴子、槇村もそっくり! 原作のファンも映画の世界に飛び込めると思います」
伊倉さんも「これぞシティーハンター! 本当にぴったり。私は、最初見た時から香だ! と思いました」と興奮した様子だ。
神谷さんはフランスの実写版の完成度に驚いたようで「作品がすばらしいので、参加させていただきたかった。面白い役どころを二役やらせていただき、楽しませてもらいました。許される範囲で遊びました」と思いを込めた。伊倉さんも別の役として出演。「自分としては香ではない役にしたかった」と話す。
神谷さん、伊倉さんも絶賛するフランスの実写版。ファンならずとも期待が高まるはずだ。
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