2006年7~9月に放送されたドラマ「結婚できない男」に続き、続編「まだ結婚できない男」(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時)に出演する俳優の塚本高史さん(36)。前作の時に23歳だった塚本さんが演じる村上英治は、阿部寛さん演じる桑野のアシスタントだったが、13年の時を経て、今回の続編では桑野の事務所の共同経営者となり、再び作品に彩りを添えている。塚本さんに、13年ぶりに再び英治役を演じる上で感じた自身の成長への手応えや、阿部さんとのエピソード、今作での展開について聞いた。
ウナギノボリ
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「結婚できない男」は、偏屈で独善的で皮肉屋だが、どこか憎めない独身の建築家・桑野(阿部さん)が、女性との出会いをきっかけに少しずつ変化して行く日常を描き、話題となった。続編は、前作から13年後が舞台で、変わらず独身で「偏屈さにさらに磨きがかかった」という桑野の日常を描く。前作に続き、尾崎将也さんが脚本を担当している。
今回の続編が決まったときの思いを聞くと、塚本さんは「13年前にやって、その直後くらいに続編をやるんじゃないかなと思っていたんですけど、それが13年たったんで、『今来たか!』という気持ち」と明かす。また、「前回のファンの方ももちろん多いと思うので裏切らないようにと思うところと、13年たった(英治と桑野の)関係性を見せられればというのが率直な印象」と語る。
今回、塚本さん演じる英治は、続編では桑野と共同経営者の建築士に出世。「今の自分があるのは桑野のおかげ」と感謝しているが、決して桑野のまねはせず、奈緒さん、荒井敦史さん演じるアシスタントとともに仕事をしている。また、住宅プロデュース会社の森山桜子(咲妃みゆさん)に好意を抱いている……という役どころだ。
英治の印象を、「13年前はただのアシスタントで、“桑野さん”っていうちょっと偏屈な人の横にいるまともな若い男の子という立ち位置だった」と話し、「優柔不断で、(デートにクーポンを使うなど)お金にケチというか……」と振り返る。
「今回は、13年たって、桑野さんと共同経営しているくらいだから、多少なりともお金はあると思うんですけど、意外と本質は変わっていないところがあるようなシーンも出てくるので、『ああ、変わっていないな』って思って笑ってもらえれば」と明かしながら、「(続編では)アシスタントも出てきているので、13年たって大人になった英治も出せれば」と意欲を語る。
阿部さんとは前作が初共演で、今作が2回目という塚本さん。13年という月日が流れたが、阿部さんの印象は「当時のまま」だといい、「13年前の思い出というか記憶があるから、初めて会ったときよりかはラフな気持ちで会えているかな」と話す。阿部さん演じる桑野との関係性も、「あっ、こんな感じだった! ってすんなり(戻れた)。本当にびっくりするぐらい」と明かす。
桑野と英治が働く「桑野・村上建築設計事務所」は、「当時の(桑野の事務所の)セットを再現している」といい、「環境もそうですし、まわりのスタッフの方だったり、監督だったりが、13年前と変わらない人たちが多かったので、すんなりでした」と話す。
阿部さんとは、「こんな感じだったね」や「あの頃はさ~」など昔話もしているといい、「お互い、13年前はプライベートでは結婚していなかったので、(撮影の)合間に『塚本の子供は何歳になったのか』とか“父親トーク”みたいなのもしています」と告白。「その話は13年前は絶対できなかった」としみじみ語る。
13年という月日を経て、同じ役をもう一度やることは「初めて」という塚本さん。役者として、自身の成長を感じる部分はあったかを聞いてみると、「13年前に桑野さんを間近で見ていた英治は、“桑野さんが面白いことをやっている”っていうことまで頭がまわっていなかったと思うんですよね。僕自身も客観的に見れていなかったというか……」と振り返る。
「(前作では)桑野さんが偏屈なことを言ったら、それに対して正直に『なんでそんなこと言うんですか』みたいに返していたと思うんですけど、今は桑野さんが変なことを言うと、『うわ、またはじまったよ~』とかそういう感じで見れてきたり、そういう感じで芝居できていたりするので、(桑野に対する)見方が変わった。逆に笑いをこらえるのが大変になっています」と変化を語る。
「あの頃の英治は、スタッフの人や監督、皆で作っていたと思う。僕ももちろん奮闘していた」と話す塚本さん。「結婚できない男」の後もさまざまな作品に出演し、役者としてのキャリアを積んできた。「(前作以降の)13年やってきたものもあって、役者としてのキャリアだったり、あの頃の(塚本さんが演じた)英治とはちがう。今回は(スタッフが)任せてくれている感があるし、あの頃の英治という役よりは大きくなっていると思います。立ち位置的にも」と話す。
ちなみに、続編では、英治の恋愛エピソードも「ガッツリある」といい「今回は、英治なりにもちゃんとしないといけないところもある」と予告する。塚本さんは、「あの頃の可愛かった英治のイメージはあると思いますが、(今は)37(歳)になろうとするアラフォーですから(笑い)。そういうところも感じながら、13年たったんだよというところも見ていただければ」と呼びかけた。
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