清原果耶:“大いなる助走”となった2019年 朝ドラヒロインも“射程圏内”?

NHK連続テレビ小説「なつぞら」で千遥を演じ、話題となった清原果耶さん
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NHK連続テレビ小説「なつぞら」で千遥を演じ、話題となった清原果耶さん

 12月14日に最終回を迎える生田斗真さん主演の連続ドラマ「俺の話は長い」(日本テレビ系、土曜午後10時)に出演中の清原果耶さん。今年は1月にヒロインを務めた映画「愛唄 -約束のナクヒト-」「デイアンドナイト」が連続公開。またソフトバンクやコーセー「雪肌精」のCMに新たに起用されたほか、7月から9月にかけては、“100作目の朝ドラ”として注目を集めた連続テレビ小説「なつぞら」、時代劇「螢草 菜々の剣」、特集ドラマ「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」といったNHKの作品に次々と起用され、その演技が高く評価された。以前から、清原さんを「未来の朝ドラヒロイン」に推すドラマファンも数多くいたが、彼女自身にとって2019年は次なる大役に向け“大いなる助走”となったのではないだろうか。

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 ◇「なつぞら」で4年ぶりに朝ドラに帰還すると…

 清原さんは2002年1月30日生まれ、大阪府出身の17歳。女優デビューは2015年度後期の朝ドラ「あさが来た」で、同作以降も数々のドラマや映画に出演し、順調に活躍の場を広げると、初主演作となったNHK連続ドラマ「透明なゆりかご」(2018年)では、小さな町の産婦人科医院で「命」を見つめる看護師見習い・アオイ役に挑戦。主人公の「命」への祈りにも似た思い、気持ちの揺れ具合を繊細に表現するだけにとどまらず、物語にとって非常に重要なモノローグでは「語り」という才能も発揮し、高い評価を得た。

 そんな清原さんの2019年の活躍を語る上で、絶対に外すことのできないのが、今年4~9月にNHKで放送された「なつぞら」だ。女優デビュー作「あさが来た」以来、4年ぶりに朝ドラに帰還を果たすと、ヒロイン・なつ(広瀬すずさん)の“生き別れの妹”千遥(ちはる)という、物語の重要な役どころを担った。

 清原さんは千遥として、7月1日放送の第79回で初登場すると、確かな演技力に裏打ちされた“吸引力”を随所に発揮。彼女の「見る人を引き込む芝居」に魅了された視聴者が続出し、7月4日放送の第82回から翌5日放送の第83回にかけて、(一度は)姿を消した千遥=清原さんの退場を惜しむ声と、再登場を熱望する声が視聴者から次々と上がった。

 そして、清原さん演じる千遥は物語の終盤を盛り上げるべく、9月14日放送の第144回に再登場。翌週には千遥となつ(広瀬さん)、さらに咲太郎(岡田将生さん)と戦災孤児になったことをきっかけに離ればなれになっていた3兄妹がもう一度、家族になる姿が描かれ、視聴者の感動を呼んだが、ここで清原さんは実年齢(17歳)に2倍近い“母になった千遥”を演じきった。

 ◇魅力は“役として生きる”という部分でのブレない強さ

 清原さんといえば、“役として生きる”という部分でのブレない強さも魅力。放送中の「俺の話は長い」では、安田顕さん扮(ふん)する義理の父親を忌み嫌う、中学3年の不登校児の春海として、千遥とは全く違う顔をのぞかせている。以前、本人も「現場では役として、どう表現するかが主軸にあるので、おじけづくとか、私の感情は一切必要ないと思っています」と話していた。

 今年10月には「透明なゆりかご」のアオイ役で「東京ドラマアウォード2019」主演女優賞を受賞。その活躍はとどまることを知らず、ファンが期待する「朝ドラヒロイン」は十分、“射程圏内”になってきたといえる。

 「なつぞら」で清原さんをキャスティングした一人である制作統括の磯智明チーフプロデューサーは、清原さんの女優としての魅力の一つに「度胸がある」ということを挙げ、「清原さんはどの役者を相手にしてもブレない」と感心。その上で清原さんが朝ドラヒロインを演じる姿を「僕も見てみたい」と語っていたが、近い将来、実現する可能性は決して低くはないはずだ。

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