2.5次元俳優:映像界でも次々と活躍 起用増加のワケは? “視聴者掘り起こし”への期待も

テレビ
鈴木拡樹さんがMCを務める番組「2.5次元男子推しTV シーズン4」のビジュアル

 「テニスの王子様」「弱虫ペダル」「刀剣乱舞」といった、マンガやアニメ、ゲームの世界を実際の舞台やミュージカルで再現する「2.5次元作品」。それらを主戦場としてきた俳優が映像界でも活躍するという図式が近年、目立っている。特に2019年は、鈴木拡樹さん、黒羽麻璃央さんが地上波ドラマで主演を飾り、崎山つばささんの初主演映画「クロガラス」も公開されたほか、“2.5次元俳優”が多数起用されたドラマも制作された。そんな中、WOWOWは、以前から2.5次元作品をテレビ番組としてパッケージ化し、映像界との“橋渡し”を担ってきただけでなく、2017年から2.5次元俳優たちの素顔に迫る「2.5次元男子推しTV」も放送するなど注力している。第4シーズンを迎える「2.5次元男子推しTV」の歴代プロデューサーに、映像界における2.5次元俳優の起用増加について語ってもらった。

 ◇2017年3月に始まった「2.5次元男子推しTV」

 「2.5次元男子推しTV」とは、2.5次元作品で活躍する人気若手俳優たちを毎回ゲストに迎え、インタビューやロケを通して、舞台上ではうかがい知ることのできない意外な素顔に迫るバラエティー番組。鈴木さんがMCを務め、1月24日からシーズン4がスタートすることも発表されている。

 始まりは2017年3月。前年にWOWOWに入社し、番組立ち上げにプロデューサーとして携わった飯干紗妃さんによると「WOWOWでは当時『2.5次元作品』のテレビ放送が始まった時期で、未知のジャンルをやってみたら思わぬ反響があったということもあり、もっと舞台の放送と合わせて楽しんでいただけるような番組を」という思いから「2.5次元男子推しTV」は生まれた。

 舞台&ミュージカル版「刀剣乱舞」をはじめとした、シーンの全体の盛り上がりもあり、番組は業界内で認知されていく。もちろん、WOWOWとして「2.5次元作品」そのもののテレビ放送も継続し、映像界との“橋渡し”を担う存在に。その点について飯干さんは「舞台は『生が一番』というのは動かしようのない事実としてあるのですが、楽しみ方の一つとして、ファンの選択肢として『テレビで見る』ということを加えていただけているのかなって印象はある」と手応えを明かす。

 ◇2.5次元俳優の映像界への進出・活躍の背景にあるもの

 現在WOWOWでは、既存の録画放送から一歩進んで、舞台の生中継にも挑戦。さらに2019年は鈴木さんを主演(清原翔さんとのダブル主演)に起用したオリジナルドラマ「虫籠の錠前」(プロデューサーは飯干さん)も制作された。

 そんな飯干さんと、さらに飯干さんの後を継ぐ形でシーズン4から「2.5次元男子推しTV」のプロデューサーを務める後藤花鈴さんに、2.5次元俳優の映像界への進出・活躍という一つの潮流の背景にあるものを聞いてみた。

 飯干さんは「例えば2018年の紅白に『刀剣男士』が出たこともそうですが、ワイドショーで取り上げられるなど、徐々に一般の視聴者にも知られるようになったというのはもちろんあるとは思います。ただ、その前提として業界内での認知度の高まりというのも絶対にあって、どの俳優さんにどれだけのファンがいて、売り上げや話題性などキャスティングすることで数字的なものが予想しやすいところは企画側としては魅力かもしれません。今までは会議に通らず企画止まりだったものが、目に見えて形になってきた可能性はあると思います」と進出の理由を推測する。

 一方で後藤さんは、「2.5次元って今、若いファンがどんどんと増えてきています。『若い人はテレビを見ない』って言われたりしますが、そういった人たちに戻ってきてもらうのには、どうしたらいいのか。考えどころだと思うんですが、2.5次元の俳優さんを起用することによって、今までは見てもらえなかった層にアピールできたりする。そのための“一つのフック”にはなっているのではないでしょうか」と“視聴者掘り起こし”に貢献していると語る。

 ◇今後もこの流れは続く? ネクストブレーク候補は豊富だが…

 今後もこの流れは続くのだろうか。登場人物の多さも特徴の一つである2.5次元作品なだけに、鈴木さん、黒羽さん、崎山さんらに続く、ネクストブレーク候補はまだまだ豊富だ。一方でシーンの熟成の先には「作品の乱立」に伴う「質の低下」といった懸念材料がないわけではないという。

 「確かに少し飽和状態な印象はあります」と認める飯干さんと後藤さん。「2020年はオリンピック開催の影響で、使える劇場が少ないということもあり、人気のシリーズ以外、新作の上演を控える傾向もあるそうなので、このタイミングである程度、クオリティーを含めて、一回再構築されるのではないでしょうか」といった希望的観測も。

 その上で「この業界に関わる人間として、まずは俳優とファン、そしてジャンルそのものを大事にするってことは忘れてはいけないのかなって思ってはいます。私たちも『自分たちが見たいもの、ファンが見たいものを形にする』という思いが番組作りの土台になっているので、好きな俳優さんを『こうは扱ってほしくなかった』とファンの皆さんに思われないような起用の仕方であったり、そういう姿勢が伝わる作品であるならば、2.5次元俳優の映像界での活躍やパッケージの増加は今後も続くと思います」と語っていた。

 *……「2.5次元男子推しTV シーズン4」は、WOWOWライブで1月24日深夜0時からスタート。全6回。月1回放送。関連特集として、前シーズン「2.5次元男子推しTV シーズン3」全6回を1月8日午前11時半から一挙放送する。

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