放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
俳優の今井悠貴さんが、ドラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」(テレビ大阪、BSテレ東ほか)で連続ドラマに初主演している。今井さんといえば昨年1月から放送されたドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)で電脳部の西崎颯真役を演じ、同年10月から放送された「決してマネしないでください。」(NHK総合)では、ジャニーズWESTの小瀧望さんが演じる主人公と同じゼミの友人・有栖伊音(ありす・いおん)役で出演した。3歳から子役としてさまざまな作品に出演、すでにキャリア18年の今井さんに、「ハイポジ」での撮影秘話やプライベートでのリラックス法、今後について聞いた。
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今井さんは1998年12月30日生まれ、島根県出身。3歳で俳優デビュー。子役時代には、ドラマ「千の風になって ドラマスペシャル『はだしのゲン』」(2007年)、「名前をなくした女神」(2011年)などに出演。2019年のNHK大河ドラマ「西郷どん」では、主人公・西郷隆盛(鈴木亮平さん)の息子・菊次郎役で注目を集めた。
今作では中身は46歳で、「心だけ1980年代の16歳の自分にタイムスリップ」した主人公の光彦を演じている。1998年生まれの今井さんにとってタイトルの「ハイポジ」は未知の言葉だった。「このドラマをやることになって(40代半ばの)母に聞きました。『カセットテープのちょっといいポジション(グレード)』だって。でも、母もうろ覚えで。カセットテープ自体は、祖母の家で見ました」と明かす。
そのほか、1980年代の小道具が劇中で随所に登場する。今井さんのお気に入りは「ショルダーホン」だという。「あれはビジュアルが衝撃的でした。めちゃくちゃ重くて。あれを持っているだけでステータスになったという話を聞きました。当時のウォークマンも、ちょっとカッコいいなと思いました。メカっぽいのが見えて、ちゃんと重みがある感じもロマンがあるし、結構好きです」と目を輝かせる。
今作の設定にちなんで、今井さんが誰かの体に入り込めるとしたら?と聞くと、「アイドルになってみたい」と意外な答えが返ってきた。「最近、小瀧くんとかと仲良くなって、それで普通に話しているとアイドルという感じがしない。今作でも、(乃木坂46の)鈴木絢音ちゃんとかも現場で普通にしゃべっていて、2人共、テレビを見たらアイドルをやっているから、なんか不思議でした。どんな気持ちなんだろうな、気持ちいいだろうなって」と思いをはせる。
今回は連続ドラマ初主演だが「もちろん責任ということはあるんですけど、やっぱり最初はうれしいという気持ちが一番強かったですね」と喜んでいる。昨年も話題作に次々に出演し、“自分の時代が来た”と思うか?と振ると、「そんなことはないです(笑い)。べつに主演だからといって特別に気張った感じとかはなくて、いつも通りにやろうと思っていたんです」と謙虚に自然体で臨んでいる。
プレッシャーも「最初はちょっとあったかもしれないですけど、現場に入って、周りに人がいて安心というか……プレッシャーはどんどんなくなっていった感じですね。スタッフさんとの距離が近くて、みんな1980年代を知っている世代だから、このときはこうで、こういうマンガがあって、こういうドラマがあって、こういう映画があって……という話をずっと、みんなでワイワイ、爆笑しながら撮影しましたね」と楽しい現場だったという。
昨年、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」に出演した際、菅田将暉さんと食事に行く機会に恵まれたという。そのときに「菅田さんがドラマのこととか、映画のこととかについて『僕はこういうふうになればいいと思っている』という話を聞いたり、『こういうふうにしたい』という思いが聞けたりするだけでも、業界でそういうパッションを持っている人たちがいるんだと実感して、『ああ、自分も頑張ろう』という気持ちになります」と前向きに語る。
主演を体験して、今後は自身も他の人に影響を与える立場になってくる。「頑張っている人を見ると、その人から言葉をもらわなくてもいろいろもらえるものがあるから、そういうふうになったらすごくすてきだなと思います。ずっと頑張っていたいなと思います」と決意を新たにする。
今井さんが大切にしていることは「何かを作ること」だという。「ぬいぐるみを縫ってみたり、お面を作ったり、絵を描くのもすごく好き。一番仲のいい友達が美大生で、一緒に絵を描いたりするようになったのが関係していると思うんですけど。ちょっとした生活における変化で、すごくリフレッシュになる。同じことをしたくない。それが物を作ることになっていったと思うんです。そんな日常に変化を与えてくれることを大切にしています」と話す。演技にもクリエーティブな趣味が良い影響を与えているという。
現在21歳。10年後を想像してもらうと、「あんまり変わっていたくはないですね。今、21歳ですけど、11歳のときとあんまり変わってない(笑い)。気持ちもだし、やっていることも、友達と話す内容も、変わっていなくて……」と笑顔で語る。さらに「現実的なことをあまり話したくないというのがあって(笑い)。夢を語りたいんですけど、それが全然かなわない夢でよくて。かなわないと知っているけど、夢を語る良さ。そういうことが好き。そこは10年変わらなかったので、今後10年でも変わらないんじゃないかと。夢を語っていたい」と語る。ちなみにどんな夢?と尋ねると「ちょっと言えないです(笑い)。80歳くらいになっても友達と家でゲームしていたいかな(笑い)」と照れ隠しをしていた。
最後に、今作について「46歳の会社員がリストラされて奥さんとも離婚間近で本当にさえないんですけど、16歳にタイムスリップして、憧れの女の子に話しかけたりできなかった青春を再生するストーリーです。いくつになっても青春はやり直せる。もし今日がタイムスリップの1日目だったら明日の行動が変わってくるんじゃないか。一歩踏み出す勇気がもらえるんじゃないかと、そういうことを伝えられたらいいなと思って僕たちはこのドラマを作りました。きっと皆さんに楽しんでもらえると思います」とメッセージを送った。
ドラマは、きらたかしさんがマンガ誌「漫画アクション」(双葉社)で連載したマンガ「ハイポジ」が原作。テレビ大阪とBSテレ東の深夜連続ドラマ枠「真夜中ドラマ」で放送され、心だけ1980心だけ1980年代の16歳の自分にタイムスリップしてしまった主人公の天野光彦が、2回目の高校生活を送るというストーリー。46歳の光彦役で柳憂怜さんが出演しているほか、黒崎レイナさん、「乃木坂46」の鈴木さん、いしのようこさんも出演している。テレビ大阪で土曜深夜0時56分、BSテレ東で土曜深夜0時に放送。
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