岡田結実さん主演で、人気コメディーマンガを実写化した連続ドラマ「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分)に出演中の女優・福地桃子さん。昨年、話題となったNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」後、初のドラマ出演で、重度の“中二病”を患う山本美波(通称・ヤマイ)を演じている。改めて「なつぞら」が放送されていた2019年を振り返り、「『なつぞら』をきっかけにたくさんの方に知っていただけたのは本当にありがたいことですし、終わってから感じたのは『まだまだこれから』という気持ちが一番、大きいです。皆さんからの応援を糧に、もっともっといろいろな場所でお芝居を通して、新たな一面を見せていけたら」と意気込む福地さんに話を聞いた。
ウナギノボリ
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「女子高生の無駄づかい」は、テレビアニメ化もされたビーノさんの同名コメディーマンガが原作。さいのたま女子高等学校(通称・さいじょ)を舞台に、個性的な女子高生たちの日常を描く。岡田さんが問題児の主人公・田中望(通称・バカ)を演じ、恒松祐里さんがアニメやマンガを愛する菊池茜(通称・ヲタ)役、中村ゆりかさんが頭は良いが感情が“死滅”している鷺宮しおり(通称・ロボ)役、町田啓太さんがクラス担任の佐渡正敬(通称・ワセダ)役で出演している。
原作を読んで「作品全体の印象は世界観がすごい“ぶっ飛んでいる”なって思いました」と笑う福地さん。「一人一人のキャラクターが立っていて、どのページを開いてもクスッて笑えて、すごく平和だなって思ったり。自分の学生時代にも共通する部分はあって、当時の自分が何であんなことをしていたのかって聞かれても、うまく答えられない人の方が多いと思うので、共感できる部分もたくさんあるだろうし。すごく親しみやすい作品」という位置づけだ。
福地さん扮(ふん)する“ヤマイ”は、重度の中二病ゆえに、いつも頬にばんそうこう、右腕に包帯をしているというキャラクター。群れるのが嫌いと言って距離を取っているがそんな自分を責めており、実は寂しがり屋だという。「また違った一面を感じてもらえるチャンスになると思って、こういう個性の強い役をやれることに喜びを感じました。ヤマイは自分の世界観を持っている子で、憧れる部分もありますし、自分と人とは違うって強がっているけど、本当は人に寄り添いたいっていう一面もある。とても人間味のあるキャラクター」と福地さんは印象を語る。
「なつぞら」で演じた夕見子も、対人関係において、決して器用なタイプではなかったが、福地さんも思わず「なんか不器用な役が続きますね」と照れ笑い。「ヤマイはヤマイなりにコミュニケーションをとろうとは思ってはいるんですけど、強がってしまうところや、自分では分かっているんだけど、うまく振る舞えない。そういったムズムズするような感じは、自分もとても共感できます」と話している。
ヤマイは、茶髪のツインテールというビジュアルだが、「髪色っていうのも、その人の個性を表す一つの要素なので、ヤマイ役をやるなら形からちゃんと近づけよう」と、役作りで初めてブリーチを経験。「最初に一回金髪にして、そこから色を調節していったんですけど。髪色一つで気持ちってこんなにも変わるんだなって思いました」と実感を明かした。
1年以上撮影が続いた「なつぞら」において、夕見子という一つの役を演じ続けた経験は、福地さんに何をもたらしたのか? 「常に目の前にあるものを一つずつ丁寧にやろうっていうのは、このお仕事を始めたときからずっと思っていて、その部分は変わらないんですけど……。『なつぞら』でいろいろな世代の役者の方とご一緒させてもらって、そういった方々のお芝居をすごく近くで見させてもらって、見る人に感動を与えるお芝居をする人は、すごくお芝居そのものを楽しんでいるって感じたんですね」と“気づき”を告白。
「今までは役のことやせりふのこと、いろいろと考えすぎてしまって、現場でうまくコミュニケーションをとれないこともあったんですね。そうやって必要以上に肩に力が入っていたのを、楽にさせてくれたのが、お芝居をみんなで楽しんで作っていく先輩方の姿で。私も変に考えすぎずに、その場で相手が投げかけてくれたことに対して、素直に反応してみようって思えたというか。決して雑にやろうってことではなくて、その場で楽しむってことが、今の自分には必要なことなんだって思えたんです」と笑顔を見せる。
中でも福地さんが夕見子として嫁いだ小畑家のシーンは“楽しむ”が詰まっていたようで、「小畑家ってとてもにぎやかで、そのシーンが来るとパッと画面も明るくなるような雰囲気があって。でも、それってご本人たちが、その場を楽しんで、楽しい空間にしているからこそ、画面からも伝わるっていうのは絶対にあったと思うんですね。だからこそ言葉が届くというか。テクニックとかじゃない、本当に気持ちの部分を教わった気がしますし、『女子高生の無駄づかい』はもちろん、この先のほかの作品でも、みんなで楽しんで作っていくことができたらなって思っています」と思いを語っていた。
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