MD松尾のゲームヒットランキング:20年1月も過去最悪級の大苦戦 「龍が如く7」「ドラゴンボールZ KAKAROT」は好調

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2020年の1月の売り上げは、2019年12月に続き、ここ10年で最も悪い結果でした。前年比半減と危機的状況でした……。ハードはまだましですが、ソフトの売り上げが厳しい。新作も前年が8本だったのに対し今年は4本。3DSがなくなり、市場のメインがPS4とスイッチの2機種になったことも災いしています。もっともPS4は年初から在庫が無くて厳しかったですね。

 とはいえ、新作ソフトはいずれも好調でした。首位の「龍が如く7」(PS4、セガゲームス)は、想定よりも好調。ゲームシステムがRPGに変わりましたが、前作までのユーザーがちゃんと残っていたという印象。ゲームとしての評価も高く「ジャッジアイズ」(同)より売れました。RPGにしたのは良かったということだと思います。

 続く「ドラゴンボールZ KAKAROT」(同、バンダイナムコホールエンターテインメント)も良かった。「ドラゴンボール ゼノバース」よりも売れた印象で、「ドラゴンクエスト11」(同、スクウェア・エニックス)、「モンスターハンター:ワールド」(同、カプコン)といったヒット作を遊んでいるユーザーが多い印象。ノスタルジックなテレビCMのおかげか、「ドラゴンボールZ」世代の30代後半のライト層が取り込めました。こうしてみていると、「龍が如く」「ドラゴンボールZ」のどちらもメインターゲットにちゃんと届いています。広く浅くではなくて、ターゲットを考えて作ればやっぱり売れるということでしょうね。

 注目の「脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング」(NS、任天堂)もヒット。どちらかといえばパーティーゲームのような認識で遊ばれているようです。「リングフィットアドベンチャー」(同)はまだまだ品薄が続いていますね。

 2月はまだまだ厳しいと予想しています。本命は「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」(PS4・NS、アトラス)でしょうか。また、「グランブルーファンタジー ヴァーサス」(PS4、サイゲームス)が想定を上回る売れ行きを記録しています。「初音ミク Project DIVA MEGA39’s」(NS、セガゲームス)も良さそうですね。厳しい状況が続きますが、3月からタイトルラッシュが続きますので、好転するとみています。

 ◇2020年1月のゲームソフトランキング(TSUTAYA調べ・限定版含む)

1位 龍が如く7 光と闇の行方(PS4)
2位 ドラゴンボールZ KAKAROT(PS4)
3位 ポケットモンスター ソード(NS)
4位 ポケットモンスター シールド(NS)
5位 Minecraft(NS)
6位 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング(NS)
7位 リングフィット アドベンチャー(NS)
8位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
9位 ルイージマンション3(NS)
10位 マリオカート デラックス8(NS)
11位 三國志14(PS4)
12位 マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック(NS)
13位 幻影異聞録♯FE Encore(NS)
14位 Splatoon2(NS)
15位 スーパーマリオメーカー2(NS)
16位 スーパー マリオパーティ(NS)
17位 釣りスピリッツ Switchバージョン(NS)
18位 ポケットモンスター ソード・シールド ダブルパック(NS)
19位 無双OROCHI3 Ultimate(PS4)
20位 妖怪ウォッチ4++(NS)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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