新型コロナウイルス感染拡大の影響で、さまざまなスポーツの大会が中止になる中、世界中のアスリートたちが、対戦型のコンピューターゲームを「スポーツ」とみなして腕を競う「eスポーツ」に参戦。ニュース番組やスポーツ番組などでも広く紹介され、話題を集めている。近年注目されているeスポーツだが、著名アスリートたちの参加によって、これまでにない盛り上がりを見せている。
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ワシントン・ウィザーズの八村塁選手ら米プロバスケットボール「NBA」の選手が参加して、4月に行われたのが、バスケットボールゲーム「NBA 2K20」を使った「NBA 2Kプレイヤートーナメント」だった。新型コロナウイルスによる被害救済のための10万ドルの寄付先を優勝選手が決定するという内容で、地上波のスポーツ番組などでも広く取り上げられ注目を集めた。
4月末には錦織圭選手らプロテニスプレーヤーが参加したオンライントーナメント「マドリードオープンテニス バーチャルプロ」が、テニスゲーム「テニス ワールド ツアー」を使って開催された。さらに、5月には、錦織選手や大坂なおみ選手に加え、ミュージシャンのスティーヴ・アオキさん、モデルのヘイリー・ビーバーさんらも参加したチャリティー大会「ステイアットホーム・スラム」も実施。テニスゲーム「マリオテニス」を使って行われた同大会は錦織選手が準優勝に輝き、ニュース番組でも報じられるなど話題を呼んだ。
また、元F1ドライバーの小林可夢偉選手らが4月に企画したのがレース大会「TGR e-Motorsports Fes」。レースゲーム「グランツーリスモSPORT」を使ったデッドヒートの模様は、NHKの看板ニュース番組「ニュースウォッチ9」でも報じられた。
これまでもeスポーツがニュース番組で取り上げられることはあったものの、あくまでも「eスポーツ」そのものや、高額な賞金などについて紹介する報道が大半。当然ながら試合の模様や試合結果などについて報じられることはなかった。
しかし、今回一般的な認知度の高い各界のアスリートが、「ステイホーム」の呼びかけとチャリティーへの思いから、eスポーツに参戦した意味合いは、とても大きなものだったといえる。「家にいること」が新型コロナウイルス感染拡大防止において重要であるとされる現状において、eスポーツが有用なコンテンツであることを、著名アスリートの参戦によって、幅広い世代にアピールできるようになった。さらに、“チャリティーマッチ”というスポーツだけができる社会貢献を、(ネット環境があれば)どこでも行うことができるというeスポーツならではの利点が広く知られるようになったのも大きい。
eスポーツをはじめとしたゲームのプレー動画は、ただ見ているだけでも楽しいものだ。昨年5月に「ゲーム依存症」を世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」という疾患として認めたというニュースが反響を呼んだが、現在は、世界のゲーム関連企業が提唱している「#PlayApartTogether(#離れていっしょに遊ぼう)」キャンペーンを、WHOも推奨するようになっている。1年もたたず評価が大きく変わったことになるが、そんな状況でも著名アスリートによるプレー動画は、アスリートの意外な素顔が垣間見えて楽しい一方、自分でプレーしているよりは中断しやすいという面もある。動画からうかがえる著名アスリートの奮闘は、eスポーツに新たな魅力と側面をもたらしているのだ。
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