12日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の東京ゲームショウ2019。ここ数年メインテーマに据えられているのが対戦型のテレビゲームを「スポーツ」とみなす「eスポーツ」だ。開催中のゲーム大会も毎回規模を拡大し、芸能事務所やタレントがチームを立ち上げるなど徐々に盛り上がりを見せているようにも思われるが、もう一つ一般への浸透が薄い印象も。課題をまとめた。
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確かに一昔前に比べると、テレビ番組などでeスポーツが取り上げられる機会が増え、「有吉ぃぃeeeee!」(テレビ東京)、「いいすぽ!」(フジテレビ)、「eGG」(日本テレビ)など関連番組も増え、吉本興業や日本テレビ、横浜F・マリノスなどがeスポーツチームを設立するなど、ここ1年で話題になるタイミングも増えた。
しかし、いまだにeスポーツの普及という面では、道半ばというのが実情だ。20年以上、毎年東京ゲームショウを取材しているMANTANWEBの過去の記事を振り返ってみると、「東京ゲームショウ2018:復刻版PSやeスポーツに注目」「東京ゲームショウ2017:国内最大のゲーム展示会が開幕 『eスポーツ』に注力」と、ここ数年は見どころとして、eスポーツをメインに挙げた。意地悪な言い方をすれば、まだ道半ばだからこそ、毎回テーマになっているともいえる。
今回は、2018年の平昌冬季オリンピックの前に同地で行われたeスポーツのトーナメント大会「Intel Extreme Masters 平昌大会」をパワーアップさせ、2020年の東京オリンピックに先駆けて行うeスポーツのトーナメント大会「Intel World Open」の概要も発表。グラビアアイドルの倉持由香さんがプロデュースした女子eスポーツチーム「G-STAR Gaming」の発表会のほか、各種ゲーム大会も開かれるなど、例年通りeスポーツ関連イベントが数多く開催された。
また、関係者向けのビジネスデーには、「第11回 eスポーツ ワールドチャンピオンシップ」として、「ウイニングイレブン 2020」の日本代表決定戦などを行い、これまで来場を認めてこなかった一般客(要事前登録)についても、同大会のみ来場を認めた。イベントホールで行われるキッズやファミリー層向けの「ファミリーゲームパーク」についても、中学生と同伴の保護者も入場無料(その他ホールは中学生以上有料)にするとともに、昨年に引き続き子どもたちを対象にしたeスポーツ大会「U-15eスポーツチャレンジ」を実施。これまでより幅広い層を意識したことがうかがえる。
業界とユーザーの距離を感じることが多かったeスポーツだったが、少しずつではあるが、ファン層の拡大をはじめ、ようやくユーザー目線の取り組みがみられるようになってきた。ソニー・インタラクティブエンタテインメントのソフト戦略・開発責任者の吉田修平さんは、eスポーツの現状について、「業界としての取り組みが実を結びつつある」とコメント。「トッププレーヤーにハマっているユーザーが多い印象。見せ方を研究して選手のファンを作っていくことが、eスポーツを『スポーツ』たらしめるのでは」と分析している。
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