2018年10月期にTBS系で放送された連続ドラマ「中学聖日記」で俳優デビューを飾った岡田健史さんが先月、吉沢亮さん主演で2021年に放送される大河ドラマ「青天を衝(つ)け」に出演することが発表された。「中学聖日記」の“黒岩君”として脚光を浴びた“シンデレラボーイ”が、デビューから2年で初の大河ドラマ出演を射止めた形だ。演じるのは主人公・渋沢栄一(吉沢さん)のいとこの心優しい美青年・尾高平九郎。早くもハマり役になりそうな予感がしている。今年は、映画「弥生、三月 -君を愛した30年-」で銀幕デビューを果たし、NHK・BSプレミアムで放送中の主演ドラマ「大江戸もののけ物語」で時代劇にも初挑戦と、大いなる助走となりそうな1年を過ごしている岡田さんの活躍ぶりを、改めて振り返ってみたいと思う。
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岡田さんは1999年5月12日生まれ、福岡県出身。地元・九州でスカウトされ続けてきたといい、「中学聖日記」では1年がかりのオーディションを勝ち抜いて、主演の有村架純さんの相手という大役に抜てきされた。
「中学聖日記」は、女性教師の末永聖(有村さん)とその教え子の男子生徒・黒岩晶(岡田さん)との、9年にわたる純愛の物語だった。放送当時、演技初挑戦ながら視聴者を魅了したのが、岡田さんの真っすぐな瞳。ファンからも「黒岩君(岡田さん)の真っすぐな瞳が頭から離れません」「怖いくらいの瞳」「健史君の瞳のキレイさが半端ない」といった声がよく聞かれた。
共演の有村さんも、岡田さんの印象について、「初めてお会いした時に目がすごくすてきで、私のことを真っすぐ見てくださったのがものすごく印象に残っていて」と語っていて、「(岡田さんは)どのシーンも本当に真っすぐ目を見てくるから(笑い)。こっちも逃げられないというか」といった言葉も残している。
その後、岡田さんは2019年放送のFBS福岡放送のスぺシャルドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」で初主演を果たすと。同年はインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」で配信された連続ドラマ「フォローされたら終わり」にも主演。また、10月期放送の「ドクターX~外科医・大門未知子~」第6シリーズ(テレビ朝日系)にゲスト出演し、年末には、JR東日本「『JR SKISKI』2019-2020キャンペーン」のCMキャラクターに起用され、今をときめく女優・浜辺美波さんの相手役を務めた。なお、前年の同CMには、現在ブレーク中の伊藤健太郎さんが出演していた。
2020年に入ってからは、前述の通り、3月公開の映画「弥生、三月 -君を愛した30年-」で銀幕デビューを果たす。同作では教師役に挑戦。実生活では数年前に高校を卒業したばかり、というだけでなく、「中学聖日記」の“あの黒岩君”が今度は教師か……などと感慨深く思ったファンもいたのではないだろうか。
コロナ禍で今後の状況は不透明な部分がありつつも、「弥生、三月 -君を愛した30年-」以外にも今年は、「望み」「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」「新解釈・三國志」といった出演作の公開が控えている。また現在は、フジテレビの動画配信サービス「FOD(エフオーディー)」の主演ドラマ「いとしのニーナ」がフジテレビで地上波放送されているほか、主演“妖怪時代劇”「大江戸もののけ物語」(NHK・BSプレミアム)、キャリアの新米刑事を演じている「MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)」(TBS系)でその活躍ぶりを目にすることができる。
学生役に始まって、年を重ねるごとに職業ものへと役どころが広がっていくのは当たり前の話だが、とはいえ岡田さんは俳優キャリア丸2年にも満たない若手。演技そのものはまだまだつたない部分がうかがえる。一方で、これだけ出演作が続くのは、秘めたる魅力、可能性があるからだろう。
「中学聖日記」の頃から言われている「真っすぐさ」もその一つだ。初大河となる「青天を衝け」で演じる尾高平九郎は、偉大な兄たち(田辺誠一さん、満島真之介さん)の背中を追いかけ、姉の千代(橋本愛さん)を心から慕い、文武両道で心優しい美青年に育つと、栄一のパリ行きに伴い、見立て養子となるが、そのことがきっかけとなり幕府崩壊の動乱に巻き込まれていく……という役どころになっており、やはり期待せずにはいられない。
さらに、岡田さんとNHKと言えば、関西地域で8月17日から5夜連続で放送されるショートドラマ「これっきりサマー」もある。俳優デビューする前は野球に没頭していた岡田さんが、夏の甲子園大会が中止になり、町中から同情されている高校球児役に挑むというのも非常に楽しみだ。
「青天を衝け」出演発表の際、「今、この時代に向けて、『青天を衝け』を通し、尾高平九郎を通じて、何を発信しようかと試行錯誤しながら役作りをしています。平九郎の“叫び”にぜひ注目していただければと思います」とコメントしていた岡田さん。経験を重ねることで、役の引き出しを増やしつつも、変わらない「真っすぐさ」を武器に、今後も活躍し続けるのでないだろうか。
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