甲斐翔真:期待の若手俳優明かすSNS観、熊本への思い 「エンタメにしかできないことがあると信じて…」

映画「#ハンド全力」に出演している甲斐翔真さん
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映画「#ハンド全力」に出演している甲斐翔真さん

 「アズミ・ハルコは行方不明」などで知られる松居大悟監督の映画「#ハンド全力(ハッシュタグハンドぜんりょく)」に出演している甲斐翔真さん。特撮ドラマ「仮面ライダーエグゼイド」のパラド役や、ミュージカル「デスノート」の夜神月役で知られる期待の若手俳優の一人だ。映画は2016年の熊本地震後、仮設住宅で暮らす高校生が、SNSに投稿した1枚の写真をきっかけに、廃部寸前の男子ハンドボール部の再建に携わるようになるが、あるうそがばれて手痛いしっぺ返しを食らい……というほろ苦さも含んだ青春ストーリー。加藤清史郎さん扮(ふん)する主人公・マサオの親友・タイチを演じた甲斐さんに、自身のSNS観、熊本への思い、今後の活動について語ってもらった。

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 「#ハンド全力」はSNS、ひいては人間の怖さもはらんだ青春映画で、そこに一つの教訓めいた面白さがある。

 甲斐さんも「若気の至りじゃないですけど、いろいろな間違いを犯した結果、それでもこれが青春だ!っていう映画になっているのですが……。高校生だから何でもアリってわけではなく、うそをつけばちゃんとバッシングされるんだよってことを教えてくれる作品でもああります」と印象を明かす。

 甲斐さん自身、SNSを利用しているが、「誰かを傷つける、おとしめるようなことは絶対にしないというのを、まず最低限意識しています」といい、「映画の中の高校生たちのように、誰しもが、そういう状況(SNS上のうそがばれて批判の的となる)になってしまうという意味では、自分もより一層、責任を持たないといけないなって思いました」と振り返る。

 演じたタイチという高校生は「性格はストイックで、責任感もある。周りの温度に流されず、信念を持って、やりたいことをやり通せる子」で、「自分もサッカーを12年やってきたので、一人のスポーツ少年として、重なる部分がありました」と共感を抱く甲斐さん。

 また劇中で小さな男の子に掛ける「声ば出さんと、見つけられんぞ」という一言が強く印象に残っているといい、「声を出していかないと、見つけられないんだぞって、当たり前のようで実はできていないことだったりするので。自分がやりたいことを発信していく、具現化して言葉にして発していくことの重要さを言い表している。シーンとしてはかなりライトめに言っているのですが、めちゃくちゃ深い。座右の銘にしてもいいくいらい、好きな言葉になりました」と笑顔で語っていた。

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 映画の舞台となっている熊本への思いも聞いた。「映画の撮影以前に炊き出しに行かせてもらったことがあったのですが、そのときに仮設住宅も見学させてもらって、地元の人たちの温かさにも触れることができたので、そういうエッセンスを思い出しながら、役を演じることができました。熊本で撮った別の作品もありますし、熊本出身の俳優の方によくしてもらったりとか、本当に縁を感じていて。先日の豪雨の映像を見ても心にズシンとくるものがありましたし、もちろん、自分は当事者にはなれないので、本当のところは分からないのですが、エンタメにしかできないことがあると僕は信じているので、隣にいるような作品をこれからも届けることができたら」と胸中を明かしていた。

 そんな甲斐さんが出演するもう一つの映画「君が世界のはじまり」(ふくだももこ監督)が公開中だ。ふくだ監督の短編小説「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」が原作で、大阪のとある町を舞台に、さまざまな悩みに葛藤する高校生の青春を描いている。主演は松本穂香さん。金子大地さんや中田青渚さん、片山友希さん、小室ぺいさんが出演している。

 甲斐さんは「本当に『#ハンド全力』と全く違う。ある意味、青春映画なんですけど、その陰に隠れているギザギザとしたもの、言葉にならないものをうまく描いているという感想を持ちました。高校生の友情だったり、恋愛だったりって、何となくさわやかなイメージを持たれがちですが、こういうふうに陰がしっかりと描かれいる作品に携われてうれしかったです。役柄的に僕は、一番ギザっとしてないんですけど(笑い)」と話してくれた。

 最後に甲斐さんは今後に向け、「今年はミュージカルがあります。お芝居も歌もどんどんとブラッシュアップしていき、挑戦していきます」と力を込めていた。

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