江口のりこ:インド人まで演じきる名バイプレーヤー 「半沢直樹」に本格参戦 “顔芸”にも期待 

連続ドラマ「半沢直樹」で白井亜希子を演じる江口のりこさん(C)TBS
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連続ドラマ「半沢直樹」で白井亜希子を演じる江口のりこさん(C)TBS

 俳優の堺雅人さん主演の連続ドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)第5話(8月16日放送)から、女優の江口のりこさん演じる国土交通大臣・白井亜希子が、本格的に登場する。江口さんといえば、2018年放送の連続ドラマ「海月姫」(フジテレビ系)でのインド人役、2019年の「これは経費で落ちません!」(NHK)での我の強い新入りと、幅広い役柄を巧みに演じ、さまざまな作品で存在感を放ってきた名バイプレーヤーだ。江口さんのこれまでの活躍を振り返ってみる。

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 ◇19歳で上京 これまで150本以上の作品に出演 バラエティーでは“毒舌キャラ”

 江口さんは、1999年、19歳で「役者になれば楽しそうだな」という夢を胸に、兵庫県から上京。俳優の柄本明さんが座長を務める「劇団東京乾電池」のオーディションを受けて、研究生となった。「海月姫」「これは経費で落ちません!」のほか、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「マッサン」、大河ドラマ「花燃ゆ」、連続ドラマ「時効警察」(テレビ朝日系)シリーズ、「コウノドリ」(TBS系)シリーズといったテレビドラマ、映画など150本以上の作品に出演している。

 「ドロ刑 警視庁捜査三課」(日本テレビ系)では変装が上手な刑事、出版社の校閲部が舞台の「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子(こうの・えつこ)」(日本テレビ系)では厳しくて真面目な校閲部員など、さまざまな役を演じてきた。

 また、「海月姫」では、メインキャラクターのオタク女子たちに、流ちょうな関西弁で接するインド人のニーシャを演じた。民族衣装を着こなし、黒髪のセンター分け、濃いアイラインが印象的なメークで、インド人さながらの風格を表現して、視聴者を楽しませた。

 「これは経費で落ちません!」で演じたのは、会話に英語が飛び出す帰国子女で、我の強い性格から転職を繰り返し、「タイガー」というあだ名で呼ばれる麻吹美華。物語の中盤から主人公が所属する経理部に加わり、強烈なインパクトを与えた。

 「わたし、定時で帰ります。」では、主人公の行きつけの中華料理店の店主・王丹(通称・ワンタン)に扮(ふん)した。カタコトの日本語で話したり、中国語で「お前に食わせるタンメンはネェ!」と言い放つなど、江口さんの演技に、SNSでは「リアルすぎる」「中国人キャラがハマり過ぎ」「最高!!」といった、視聴者からの称賛の声が上がっていた。

 NHKのコントバラエティー「LIFE!~人生に捧げるコント~」(総合)にも出演しており、ユニークな演技や言動が人気だ。さらに、バラエティー番組などでの思ったことを口にせずにはいられない“毒舌キャラ”も話題になっている。

 ◇演技のこだわり「ない」 白井大臣役には「ワクワク」

 物語の鍵を握るメインどころから、仲間として主人公をもり立てる地味めの役どころ、さらには「海月姫」のニーシャに代表されるトリッキーなキャラクターまで、幅広い役柄を演じてきた江口さん。出演が発表されると「今度はどんな役だろう」とワクワクしてしまう女優の一人だ。

 そんな江口さんだが、「わたし、定時で帰ります。」の時のインタビューで、演じる上でのこだわりは「ない」ときっぱり語っていた。「(こだわりが)ないからこそ、楽しくやれると思う。変に自分がこだわりを持ってしまうと、みんなと一緒に作ってやるものだから、邪魔になるんじゃないか」と持論を展開しつつ「(作品作りを)みんなでやっているという意識が結構ある」「楽しくやれたらいいなと思っているので、『絶対私はこうしたいんだ』というこだわりみたいなものはほとんどない」と語った。芝居については「難しいことだし、だからこそ楽しいし、これからも続けていきたい」と話していた。

 今回の「半沢直樹」で、江口さんはキー局のアナウンサーを経て政界に進出した進政党議員の白井大臣を演じる。国民からの人気は絶大で大物議員・箕部(柄本明さん)を後ろ盾に持ち、自ら設置した再生検討チーム「タスクフォース」で帝国航空の再建を成功させたいと考え、“半沢潰し”の急先鋒(せんぽう)となるというキャラクターだ。同役のオファーに江口さんは、「『えっ、私が?』という驚きでした。ここまでのエリート役は初めてなので、ワクワクしています」と、コメントしていた。

 第4話の終盤で江口さんが登場すると、SNSでは「テンション上がる!」「最高の演技、待ってます!」「期待しかない!」といったコメントで大にぎわいとなった。さらに、白井大臣が報道陣から「白井大臣の抜てきは次の選挙を見据えた票集めのためという見方がありますが」と聞かれると、「選挙? それは……。い、ま、じゃ、ない」というユニークな発言で、かわすシーンもあり、「面白すぎます!」「バカウケ!」「登場が名シーン」といった声も上がり、視聴者に大きなインパクトを与えた。

 「半沢直樹」といえば、テレビ画面いっぱいにキャストの顔を映し、キャラクターの激情を伝える演出が有名で、視聴者からは“顔芸”として親しまれている。これまでも、大和田暁役の香川照之さんや伊佐山泰二役の市川猿之助さんによる“顔芸”がSNSを沸かせてきた。幅広い役をこなせる江口さんの演技に注目しつつ、「ワクワクして」演じているという白井大臣が、今後、どのような“顔芸”で視聴者を楽しませてくれるのかにも、大きな期待がかかる。第5話は8月16日午後9時から放送。

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