ドラゴンボールDAIMA
第8話 タマガミ
12月2日(月)放送分
人間の細胞を擬人化したキャラクターが登場する人気マンガが原作のアニメ「はたらく細胞」の特別上映版「『はたらく細胞!!』最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!」が、9月5日に公開された。同作で白血球(好中球)を演じるのが人気声優の前野智昭さんだ。前野さんは、自身が演じる白血球を「理想の上司、お兄さん」と表現し、「自分の理想を演じた」と語る。白血球たちとがん細胞が戦いを繰り広げる特別上映版の見どころ、作品への思いを聞いた。
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「はたらく細胞」は、「月刊少年シリウス」(講談社)で連載中の清水茜さんのマンガ。白血球(好中球)、赤血球、血小板など人間の細胞を擬人化したキャラクターと細菌との戦いや日常を描いている。テレビアニメ第1期が2018年7~9月に放送された。第2期が2021年1月から放送される。特別上映版は、テレビアニメ第2期で描かれるコミックス第5巻収録のエピソードを先行上映する。胃、小腸、大腸といった消化器官を舞台に、“最強の敵”がん細胞と再会した白血球ら細胞たちの壮大な物語が描かれる。
前野さんは、テレビアニメ第2期の放送が決定し、「また白血球を演じられる喜びがすごく大きかった」と話す。
「第1期から少し時間は空いてしまいましたが、その間もいろいろなコラボ作品で白血球を演じる機会はいただいていたので、途切れることなく作品に戻ってこられました。第1期の頃からきっとまたこのメンバーで集まって『はたらく細胞』の世界をお届けする日は必ず来るんじゃないかという確信めいた気持ち、希望はずっと持っていたので、こういう形で実現できてすごくうれしく思っています」
「はたらく細胞」は、ためになるアニメだ。人体や病気について考えるきっかけにもなる。前野さんは「男女、年齢問わず、『これは自分の体の中で起きているんじゃないか』と置き換えて楽しめる」と語る。
「僕の体の中かもしれないですし、皆さんの体の中かもしれない。誰もが身近に感じられる世界観ですよね。細胞の役割など専門的なことがすごく分かりやすく描かれていて、僕自身もいろいろなエピソードで新しい知識が蓄えられています。第1期で寄生虫のアニサキスを取り上げた回があったんですけど、僕自身もアニサキスで苦しんだことがあったので、あの時は体の中で好酸球がこんな働きをしてくれていたのかと、勉強になりました」
「はたらく細胞」を通して「より自分の体を慈しまなきゃと思いました」とも感じているという。
「健康のために日々できるだけ運動をするようにしていますし、食べ物も気をつけています。お酒が好きなんですけど、飲まない日を週に1、2回設けてみたり、ミクロな努力はしていますね」
前野さんが演じる白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスを排除する。テレビアニメ第1期では、ナイフを手に血だらけになりながらウイルスを倒していくシーンも印象的だった。演じる上では「あまり難しさを感じたことはない」と話す。
「僕の中で、白血球は理想の上司みたいなところがあるんですよね。理想のお兄さんみたいな。僕の中の理想を演じれば白血球になるというか。あえていうと、普段は真面目で任務に忠実ですけど、ちょっとしたところで出すおちゃめな一面とのギャップをどう付けようかと迷ったことはありますね」
前野さんにとっての理想の上司とは、どんな存在なのだろう。
「行動力も、説得力もあって、包容力みたいなものも持ち合わせているキャラクターじゃないですか。自分が傷ついても体を守るために頑張るし、ピンチに陥っても『きっと最後はどうにかしてくれるだろう』という安心感もある。こういう方がもし近くにいたら、僕はすぐに頼ってしまうなと思いますね(笑い)」
理想の部下は「キラーT細胞軍団」だという。
「キラーT細胞軍団はよく統率が取れているなと。任務に忠実ですし、純朴なので、キラーT細胞軍団はすごくいい部下になってくれると思いますね。ただ、小野大輔さんが演じるキラーT細胞は、ちょっと我が強すぎるので部下には向いていない気がします(笑い)。軍団でいてほしいですね」
自身に似ているキャラクターを聞くと、「赤血球かな」と話す。
「ちょっと抜けていて、でもお仕事は一生懸命やろうとする。そこにフォーカスすると赤血球には似ているなとは思いますね。『はたらく細胞』は一人一人のキャラクターが立っているのも魅力で、体の中で共存している細胞たちにはみんな強い思い入れがあるし、お気に入りです。皆さんが大好きな血小板ちゃんも好きですし、(花澤)香菜ちゃん演じる赤血球も一生懸命で、香菜ちゃんそのものだなと思いながらいつも見ています」
特別上映版では、白血球ら細胞たちが、テレビアニメ第1期で戦ったがん細胞と再び相まみえることになる。前野さんは、第1期の頃からこのエピソードを「いつかやりたい」と思っていたという。
「がん細胞は敵キャラですが、自分自身の存在に葛藤を抱いているし、存在意義を見いだして生きようとしている。言い方は悪いですけど、かわいそうな細胞でもあると思います。そこをアニメで表現できて、またがん細胞を演じる石田彰さんとマイク前で肩を並べて演じられることがすごくうれしかったです」
前野さんは、白血球(好中球)とがん細胞の戦いを「切ない」と表現する。
「がん細胞は、自分の生を全うするんだという強い信念を持っているキャラクターではあるんですけど、それを倒さなきゃいけないという白血球の葛藤もある。がん細胞は、白血球に対しては寛容というか『友達』と捉えてくれている部分もあって、心の底から大嫌いで憎み合っているわけではないので、切ないところはありますよね」
収録では、がん細胞役の石田さんの演技の「圧」を改めて感じたという。
「セリフにおける説得力というか、事前に石田さんはこういうお芝居でくるのかな?と想像はするんですけど、現場で聞くと全然圧が違います。やっぱりすごい先輩だなと、現場でお会いする度に感じます。石田さんは、最初は一般細胞Cというキャラクターでキャスティングされていたので、そんなわけないだろと(笑い)。がんの怖さも如実に表現しているキャラクターです」
前野さんは、石田さんについて「本当にミステリアスな方で私生活が何も見えないんですけど、いろいろなことを現場ではお話してくださいますし、すごく憧れている先輩の一人」という。
「現場では、バイクのお話をよくします。僕も大型二輪の免許を持っていて『最近バイク、どうですか?』『駐輪場ってどのへんにありますか?』という話をしたり、私生活に踏み込んで『石田さん、最近何されているんですか?』みたいな話をさせていただくこともあります」
収録現場は、たくさんの軽食が用意され、スタッフとキャストのコミュニケーションが取れるような環境作りがされていたという。前野さんは「笑いが絶えない現場」といい、「収録でも『皆さんの思うようにやってみてください』というところから始まる。アドリブも多い現場で本当に芸の見せ合いのような感じになる」と明かす。
「はたらく細胞」は、白血球たち細胞が自身の任務を全うしようと奮闘する「お仕事ドラマ」でもある。前野さんに仕事をする上で大切にしていることを聞いた。
「自分一人ではできないお仕事ですし、人と人がいてこそ成り立つお仕事をさせていただいていると思います。アニメのアフレコ、外画の吹き替え、ナレーション、歌とどの仕事でもいつも思うのは『またこの人と気持ちよくお仕事がしたいな』と思っていただけるように務めることがプロとして大事なのかなと。唯一無二の芝居を繰り出す方もいれば、いつもニコニコとして『この人はなんて明るくて気持ちのいい人なんだ』という方もいますが、僕はそういうスキルがどっちもないんです。だから、とにかく何にでも一生懸命取り組むことで『またお仕事がしたい』と思っていただけるようになるといいなという気持ちでやっています」
前野さん演じる白血球が“最強の敵”と対峙(たいじ)する「はたらく細胞」特別上映版。「芸の見せ合い」になったという声優陣の演技に注目だ。
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2024年12月04日 02:00時点
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