小松左京さんのSF小説「日本沈没」が原作のアニメ「日本沈没2020」の劇場編集版「日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-」(湯浅政明監督、11月13日公開)で、湯浅監督と音楽を担当した牛尾憲輔さんによる副音声上映が実施されることが10月26日、分かった。本編の上映時間の約151分にわたり、「ネタバレOK・なんでもあり」で制作秘話がノンストップで語られる。ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーがナビゲーターを務める。
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副音声上映では、事前に指定のアプリをダウンロードすることで、湯浅監督らによる解説をイヤホンで聴きながら上映を楽しむことができる。副音声では、劇場編集版でNetflixでの配信版から劇判曲数を約半分に絞った意図や、公式に明かされていない各キャラクターのバックグラウンド、ストーリーの中に込められた伏線、あえて違和感を残した箇所、湯浅監督が最も描きたかったシーンなどの制作秘話が語られる。湯浅監督が「次、生まれ変わったら音楽家になりたい」と告白する一幕もあるという。
副音声の収録を終え、湯浅監督は「いろいろしゃべれたので、副読本として聞いていただけるといいなと思います。なんでそうなっているのか、意味が分かる形になると思いますし、人によっては何十倍も楽しんでいただけるんじゃないかと。劇場でお待ちしてます」と語った。
牛尾さんは「初めて監督と一緒に全体を見通しながら話してみて、制作時には僕も気付かなかった監督のこだわりを知ることができたし、監督にも改めて音楽について聞いていただくことができました。副音声で3倍くらい面白く作品を楽しめると思います!」とコメントを寄せた。
吉田アナは「収録を終えて、理解も倍に増えた分、湯浅監督と牛尾君への『この人たちは何を考えているんだろう?』という謎も倍に増えました(笑い)。アニメって普通に見ても面白いんですが、語って見ると、別の物としてもう一段階面白くなる。特にこの作品については、格別に『もっと語ろうよ』っていう気持ちになりました!」と語った。
「日本沈没」は1973年に発表された小松さんの小説。「日本沈没2020」は、「夜明け告げるルーのうた」「四畳半神話大系」「映像研には手を出すな!」などで知られる湯浅さんが監督を務めた。2020年、日本で突然、大地震が起き、大混乱の中、東京都内に住むごく普通の家族、武藤家の歩と剛の姉弟らは東京からの脱出を始めるが、沈みゆく日本列島は、容赦なく武藤家の面々を追い詰める。極限状態で突きつけられる生と死、出会いと別れなどが描かれる。
劇場版は、湯浅監督が全10話を編集によって再構築し、音響は5.1チャンネルサラウンドの劇場仕様となる。湯浅監督が描きたかった「祖国が沈んだ後の日本人の心」というテーマを凝縮した映像になるという。
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