「オオカミ」シリーズ:めるる、山之内すずら輩出 番組Pに聞くキャスティングの裏側 人気の理由は?

「恋とオオカミには騙されない」のワンシーン(C)AbemaTV,Inc.
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「恋とオオカミには騙されない」のワンシーン(C)AbemaTV,Inc.

 メンバーの中に恋をしない“嘘つきオオカミ”が潜んでいるというルールのもと、若者たちの恋愛を追う「ABEMA」のオリジナル恋愛リアリティーショー「オオカミ」シリーズ。これまでに配信された8作品の累計視聴数は2億回を突破するなど人気を集めており、現在は最新作となる「恋とオオカミには騙(だま)されない」が配信中。これまでに“めるる”ことモデルの生見愛瑠さんや、山之内すずさんらが出演。毎シリーズ人気者を輩出しているが、出演者はどのように決めているのだろうか。企画を立ち上げ、全シリーズを手がけてきた担当プロデューサーに、キャスティングの裏側や、同シリーズの人気の理由を分析してもらった。

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 ◇うそつき“オオカミ”を潜ませた狙い

 同シリーズは、デートや共同作業を通して、“真実の恋”をかなえようと奮闘する男女を追う恋愛リアリティーショーで、2017年2~4月に配信された「オオカミくんには騙されない」からスタート。以後、2月14日から放送中の最新作「恋とオオカミには騙されない」まで、これまでに9シーズンを送り出している。

 企画誕生の背景について、「当時は、ABEMAにティーンや女性(の視聴者)がなかなかいなかったので、ティーンや女性を多く獲得できるような番組を作りたい」という意図があったという。「その中で、自分の実感としても、『ティーンは、モデルのカップルに憧れがすごく強い』と思っていて。そうしたカップルが生まれるような恋愛リアリティーショーがいいのかなと思い企画しました」と振り返る。

 好きなフリをする“嘘つきオオカミ”を潜ませた理由については、「インターネットでたくさん会話が生まれやすいような企画がいいかなと思っていました。うそつきがいるという要素があれば、『オオカミは誰なんだろう?』という会話が生まれるなと思って。SNSでバズりそうだなと思って決めました」と説明する。

 シーズンを追うごとに新しいルールが加わるなど、少しずつ変化してきた。なかでも、それまで男性の中に“嘘つきオオカミ”がいる設定だったが、2019年の「オオカミちゃんには騙されない」では、男女が逆転。女性の中に“嘘つきオオカミ”がいる設定となった。

 「オオカミくんからオオカミちゃんに変わるということで、必然的に、オオカミちゃんの存在が高校生だけでなくて、10代より上の年齢(の出演者)も入って。(視聴者層は)最初はティーンだったのですが、(出演者の)女性の年齢層を上げてからは、20代以上の方にも見てもらえるようになりました」と視聴者層の変化を明かす。現在は、10~20代の女性が主な視聴者だという。

 ◇出演者はオーディションで決定 「全体のバランスも意識」

 番組には、現在活躍する人気者たちが数多く出演。たとえば、「太陽とオオカミくんには騙されない」(2018年)を例に挙げると、女性ファッション誌「Popteen(ポップティーン)」の専属モデルだった“めるる”こと生見さん、特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(2019年、テレビ朝日系)で主人公・飛電或人/仮面ライダーゼロワンを演じた高橋文哉さん、特撮ドラマ「ウルトラマンZ」(2020年、テレビ東京系)で怪獣好きの天才科学者を演じ、“神的美少女”と話題になった黒木ひかりさんらが出演していた。

 プロデューサーによると、事務所からの提案を含め、出演者はすべてオーディションで選んでいるという。「(オーディションでは)いろいろな質問をして、制作チームで『この子がいたらこんな展開になりそうだよね』といった形で想像力を働かせながら決めている感じです。『この子の恋愛しているところを見てみたい』とか、『この子がいたら面白そう』とかそういう点を総合的に見て決めています」と明かす。

 選考基準で明文化されているものはないというが、「元々才能がある方に出ていただいたり、オーディションに参加してもらって『(番組に)合いそうだな』と思ってキャスティングしています。見ている人たちが、憧れて見られるような感じを大事にしています」と続ける。

 また、「(オーディション会場に)入ってきて、すぐ『すてきだな』と思うこともあります。最後は『こういう子がいるからこういう子も必要だよね』と全体のバランスを意識しています」と明かす。ちなみに、それぞれの出演者のオーディション時の印象は残っているといい、「(それぞれ)才能があったのかなと思います。今の活躍も納得で、私たちも喜んでいます」と話す。

 ◇人気の理由は? 「魅力的な出演者+オオカミの予想」

 最新作「恋とオオカミには騙されない」では、男女10人の中に、好きなフリをする“嘘つきオオカミ”が1人以上潜んでおり、「好きになった相手は“オオカミ”なのか?」と、男女の恋の駆け引きが展開される。人気インフルエンサーのなえなのさんや、バラエティー番組「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系)で話題となった川口葵さんらが出演する。

 今回は、シリーズ始まって以来の最大のルール変更として、恋をしない“嘘つきオオカミ”がいるのが男子側なのか、女子側なのかについては「秘密」という設定だ。ただし、一人以上存在する“オオカミ”がいるのは、男女のどちらか一方だけという。

 番組では、会話の内容が全員に公開される「太陽LINE」と、送信者と受信者のみが内容を共有できる秘密のLINE「月LINE」を、最終告白までの間に1回ずつ使えるというルールを用意。この2種類のLINEをどこでどう使うかが恋の行方に大きく作用するといい、「恋模様が動くような『太陽LINE』『月LINE』など、メンバーの気持ちだったり、背中を後押しするような演出といいますか、ルール設定は丁寧にしています」と話す。

 また、出演者が楽しんでいることが「すごく大事」と話したプロデューサーは、「共同作業などがあると、みんなの仲も深まります。恋が動くような仕掛けをたくさんしていて、自然とそういう環境を作れたらなと思っています」と思いを話す。

 そのため、出演者たちとのコミュニケーションを大切にしている。「(出演者は)カメラが回っていることも忘れながら楽しんでもらっているという感じですし、そうあってほしいと思っています。(撮影では、ディレクターは)気配を消しています(笑い)」と話す。

 最新作「恋とオオカミには騙されない」では、恋を見届けた視聴者が「オオカミ」シリーズ史上最速で100万人を突破するなど、盛り上がりを見せている。番組が人気を集める理由を聞いてみると、「憧れられるような出演者が出ているという所と、オオカミの予想という所も盛り上がっていると思います」と分析。また、「ドラマでなくて、リアリティーショーだからこそのドラマチックな展開もあるので、恋愛ドラマを1本見ているような感覚で、みんなを応援したくなるような恋の展開を楽しめるというところが人気の理由なのかなと思います」と話していた。

 最後に、視聴者に向けて「今回も全員個性的で、応援したくなるすてきなメンバーばかりです。また皆さんに楽しんでもらいたいです」と呼びかけた。

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