オクラ~迷宮入り事件捜査~
第11話 バディ終焉!最後のねつ造
12月17日(火)放送分
2021年4月にスタートしたドラマの主題歌を紹介。今年の春ドラマでは、米津玄師さんや星野源さんの書き下ろし楽曲、あいみょんさんの新曲など、ドラマ主題歌を手がける“常連”ともいえるアーチストの楽曲がそろった。春ドラマで注目の主題歌をピックアップした。
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女優の北川景子さんが主演する「リコカツ」(TBS系、金曜午後10時)の主題歌は、シンガー・ソングライターの米津玄師さんがドラマのために書き下ろした楽曲「Pale Blue」(6月16日にシングル発売)。
“離婚から始まる恋”というコンセプトを基に制作されたミディアムナンバーで、米津さんとしては久しぶりのラブソングとなる。
ドラマは、交際0日で結婚した紘一(永山瑛太さん)と咲(北川さん)が、生活習慣や価値観の違いから新婚早々離婚を決意し、水面下で離婚に向けた活動=「リコカツ」を始める物語。まだ夫婦である2人が、両親の離婚問題などのさまざまな出来事の中で、お互いの見えていなかった部分を知っていく……という展開になっている。
紘一が咲にバックハグをするシーンなど、お互いの気持ちが動いたり、相手の意外な一面に気づく、という各回のクライマックスの場面に米津さんの歌が流れ、2人の関係が変化していくさまを彩る。恋をした時のひたむきで純粋な思いがつづられた楽曲は、ドラマにおいて「この瞬間が2人にとっての本当の恋の始まり?」と思わせるような重要な役割を担っている。
女優の川口春奈さんが主演を務める「着飾る恋には理由があって」(TBS系、火曜午後10時)の主題歌は、星野源さんの書き下ろし楽曲「不思議」(配信中)。
星野さんが「自分にとっての愛や恋とは?」という観点で作詞・作曲を手がけたR&Bテイストのラブソング。それぞれの境遇や好みも全く違うのに、そばにいたいと思う気持ち、“好き”というとらえどころのない感情……。理屈では表せない不可思議さが楽曲に盛り込まれている。
ドラマの主人公は、会社の広報課に勤務し、自社PRのためにSNSのインフルエンサーとしても活躍するなど、憧れの存在であり続けようと奮闘する“着飾る女”真柴くるみ(川口さん)。真柴は、価値観の異なる人たちとルームシェアをしながら、恋や友情を経験するうちに、“着飾る”というよろいを脱ぎ捨て、自分らしく生きていく……というストーリーだ。
「キスにも涙にも似合う曲を」(星野さん)という言葉通り、第1話では真柴が傷心の涙を流す場面で、第2話では、真柴とルームシェア仲間の藤野駿(横浜流星さん)が自然ななりゆきでキスをする、というシチュエーションで同曲が流れた。いずれも、主人公たちが抱える言葉にならない思いや、揺れ動く心情を浮き彫りにし、シーンにさらなる深みを加えている。
主演の菅田将暉さんをはじめ、1993年生まれのキャストが活躍する「コントが始まる」(日本テレビ系、土曜午後10時)の主題歌は、1995年生まれのシンガー・ソングライターのあいみょんさんの新曲「愛を知るまでは」(5月26日に両A面シングル「愛を知るまでは/桜が降る夜は」発売)。
あいみょんさんが、メジャーデビュー1年目の2017年、「一番這(は)い上がりたかった時に作った」という同曲。「自身で選んで飛び込んだ世界なのに、うまくいかずに空回りしたり、自信を失ったり……。でも夢をあきらめたくない、ここではない“この先”に進んでいきたい」という思いが表現されている。
ドラマは、売れないお笑いトリオ「マクベス」の解散を決意したメンバー(菅田さん、仲野太賀さん、神木隆之介さん)を軸に、人生の岐路に立つ20代後半の若者の姿を描く青春群像劇。お笑い芸人としての将来に惑う3人とそれぞれの家庭事情、彼らがネタ作りに集まるファミレスの店員(有村架純さん)の過去の挫折体験など、リアルさもありつつ、コントを交えた笑いの要素も見どころとなっている。
主題歌「愛を知るまでは」は、劇中で葛藤する登場人物たちと同じ目線で寄り添いながら、ほっとできるひとときも提供している。「何とかなるさ」「今は少し力を抜こう」といったさりげない前向きさで、迷える若者たちを温かく見守るようなイメージの楽曲だ。
このほか、石原さとみさん&綾野剛さんダブル主演の「恋はDeepに」(日本テレビ系、水曜午後10時)の主題歌はロックバンド「back number」の「怪盗」、松たか子さん主演の「大豆田とわ子と三人の元夫」(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時)はSTUTS & 松たか子 with 3exesの「Presence I(feat.KID FRESINO)」(配信中)、竹野内豊さん主演の“月9”ドラマ「イチケイのカラス」(フジテレビ系、月曜午後9時)はWGB(和楽器バンド)の「Starlight」(6月9日ミニアルバム「Starlight」発売)。
また、玉木宏さん主演「桜の塔」(テレビ朝日系、木曜午後9時)はロックバンド「エレファントカシマシ」のボーカリストである宮本浩次さんの「sha・la・la・la」、鈴木亮平さん主演の「レンアイ漫画家」(フジテレビ系、木曜午後10時)は活動休止中のロックバンド「きのこ帝国」のボーカリスト&ギターの佐藤千亜妃さんが書き下ろした「カタワレ」(配信中)が採用されている。
人気ドラマではおなじみの“常連”アーチストを中心に、多彩な顔ぶれによる楽曲が並んだ春ドラマの主題歌。楽曲がストーリー展開をどう盛り上げていくのか、今後も注目したい。(水白京/フリーライター)