斎藤工:“足かけ3年”連ドラ「漂着者」で主演 秋元康とタッグ “教祖”のようになっていく正体不明の男に

7月スタートの連続ドラマ「漂着者」で主演を務める斎藤工さん=テレビ朝日提供
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7月スタートの連続ドラマ「漂着者」で主演を務める斎藤工さん=テレビ朝日提供

 俳優の斎藤工さんが、7月からテレビ朝日の金曜ナイトドラマ枠(金曜午後11時15分)で放送される連続ドラマ「漂着者」に主演することが6月11日、明らかになった。斎藤さんが同局の連続ドラマで主演を務めるのは初めて。本作は、人気ドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)や斎藤さんが出演した「共演NG」(テレビ東京系)などを手掛けた秋元康さんが企画・原作を担当し、斎藤さんは「このドラマは足掛け3年で実現することになった」と明かしている。

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 ドラマは、全裸の男が漂着するところから始まる。記憶を失った正体不明の男は、発見時につぶやいた言葉から「ヘミングウェイ」と呼ばれるようになり、その後、ヘミングウェイが世間を騒がせる事件を次々と解決に導く予言めいた力を発揮し、“教祖”のように人々にあがめられていく様を描く。祭り上げられるのも、たたき落とされるのも一瞬というSNS時代の光と闇を織り交ぜたストーリーが展開する。

 ◇斎藤工さんのコメント

 --秋元康さん企画・原作の作品に出演されるのは2度目だと思いますが、本作に出演が決まった際の気持ちを教えてください。

 実はかなり前にこのお話をいただいていたんですが、まず、「なぜ僕なんだろう……」と思いました。でもその後、今、このタイミングで作品自体も“漂着する”ことになり、すべての点が線になってつながったような不思議な体験をしています。

 「共演NG」の時にも、「秋元さんはどこまで先が見えている方なんだろう」と感じていたんですが、エンターテインメントを通じてみんなが思っていたことを表現してくださいますよね。サブスクリプションが主体となってきている時代に、民放のドラマはどうあるべきか、を示唆する作品だったなと思います。この「漂着者」は、演じる僕自身が確固たる答えを持つというよりは、演じながら秋元さんのビジョンにたどり着いていく、そんな作品になっていくんだと思います。

 --台本を読んだ感想を聞かせてください。

 僕は映画が好きなので、年齢の割にはいろいろな作品を見てきた方だと思うんですが、このドラマは何とも似つかない、かといってすごく奇をてらっているわけでもない。そして、新しいけれど懐かしい……という、すごく不思議な気持ちになりました。

 今のこのご時世において、僕らは何かを断言してくれる人を求めているんじゃないかなと思います。そういう僕らが必要としている存在の象徴、一つの概念として、ヘミングウェイの姿を描いているドラマなんじゃないかなと思いました。

 --正体不明のヘミングウェイを演じるにあたり、準備していることや参考にしている人やものがあれば教えてください。

 実際に僕の周りにも記憶の一部を失っている方がいらっしゃるんです。その方を見ていて、僕自身、何かを失った時に、別の能力が倍増してリカバリーするという、人間がもともと持ち合わせている英知を超えた能力というのは、実際にあると思っています。厳密にいうと、この方がモデルというわけではないんですが、これまで見てきた作品の主人公も含めていろいろなものを参考にさせていただきました。

 ヘミングウェイは地上に降り立った人なのか、もしくは天界の人なのか……。地面から数センチ浮いているような価値観を持っているんだと思います。僕が思っている概念と、秋元さんが僕を選んでくださった事実に身を投じて、ヘミングウェイになっていけたらいいなと思います。

 --もし、ヘミングウェイのような人物が現れたら?

 僕らは今、人前に立って発言する職業の人たちの言葉の意味、本質みたいなものを吟味していると思うんです。人前に立つ公の人を、より厳しく見ている時期で、言葉の奥にある本質に目を凝らし、耳を澄ましている。一国民として僕自身も正直、純度が保たれた言葉がなかなか見当たらないな……と少し感じています。そういう意味でも、ヘミングウェイはそういう純度を保った言葉を残す、僕らが求めている人物なのかなと思います。

 --撮影に向けての意気込みと、視聴者へのメッセージをお願いします。

 このドラマは足掛け3年で実現することになったんですが、今振り返ってみると「この時間は必要なものだったんだな」と思います。2021年、皆さんに必要とされるドラマになっていく、そんな必然性を感じています。秋元さんが見ていらっしゃる“今”と“未来”を提示し、さらに僕自身が“見たいもの”を作っていきたいと思います。

 ◇秋元康氏さんのコメント

 毎日のように、テレビや新聞や雑誌で取り上げられている話題の人物が、もしも身許を偽ったとしても、今のネット時代、すぐに「あいつは、○○だ」と特定されるでしょう。では、もしも、どれだけマスコミが調べても、どこの誰なのか全く分からない正体不明の人物が現れたとしたら? しかも、その人物が「過去のことを全く思い出せない」と言い張る記憶喪失のイケメンだとしたら? そして、それが意味ありげに微笑(ほほえ)む斎藤工だとしたら? 彼はどこからやって来たのでしょうか。何のために? そんなストーリーの続きを見たくなる“クリフハンガー”満載のドラマを企画しました。

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