重岡大毅:「#家族募集します」でシングルファーザー役 笑顔の裏に隠された思い ドラマPに聞く“繊細な芝居”の裏側

7月9日スタートの連続ドラマ「#家族募集します」のワンシーン(C)TBS
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7月9日スタートの連続ドラマ「#家族募集します」のワンシーン(C)TBS

 4月クールでは、離婚から始まるラブストーリーを描き、話題を集めたTBSの金曜ドラマ。7月9日からは、シングルファーザー&マザーたちがひとつ屋根の下で子育てをする新しい“家族のカタチ”を描く「#家族募集します」がスタートする。5歳の息子の子育てに奮闘する主人公のシングルファーザーを演じるのは、人気グループ「ジャニーズWEST」の重岡大毅さんだ。ドラマを手がける佐久間晃嗣プロデューサーは、「息子の前では、寂しさ、孤独、戸惑いを隠している中で、それでも笑顔でいるところを繊細に演じてくださると思った」と重岡さんの起用理由を明かす。“役者・重岡大毅”の印象や、今作に込めた思いを聞いた。

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 ◇友人のシングルマザーの実体験からスタート

 ドラマは、ある事情でシングルファーザーとなった赤城俊平(重岡さん)、ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザーの桃田礼(木村文乃さん)、俊平の幼なじみの小山内蒼介(仲野太賀さん)、夢を追い続ける子持ちシンガー・ソングライターの横瀬めいく(岸井ゆきのさん)という、性格も価値観もバラバラな大人4人、子供3人が一つ屋根の下で暮らす姿を描く。「山田太郎ものがたり」や「カンナさーん!」などを手掛けた俳優で脚本家のマギーさんのオリジナル作品。

 シングルマザーの友人の実体験から今作を企画し、木村さん演じる礼はその友人がモデルとなっていると明かした佐久間さん。「制作にあたりシングルマザーやシングルファーザーの皆さんに取材をさせていただいた。その際に感じた、“一人じゃないんだ”と実感することの大切さを、このドラマで伝えられたらなと思った」と思いを明かす。

 重岡さん演じる俊平は、ある事情で3カ月前にシングルになったばかり。5歳の息子・陽の前では笑顔でいることを心がけ、明るく子育てをすることに努めているが、正義感の強さと子どもへの愛情の深さゆえにつらさや心細さを一人で抱え込んでしまうことも。偶然再会した幼なじみの蒼介がSNSに投稿した「#家族募集します」というとっぴな募集に巻き込まれ、ひとつ屋根の下でいっぷう変わった同居生活を始めることになり……という役どころ。

 映画「溺れるナイフ」(山戸結希監督)、Netflixオリジナルドラマ「宇宙を駆けるよだか」などでの重岡さんの演技を見て、「ナチュラルで繊細なお芝居をされる方という印象で、いつかご一緒したいと思っていた」と話す佐久間さん。バラエティー番組「パパジャニWEST」(同局系)での姿も印象的だったといい、「(重岡さんは)子どもと同じ目線で、まるで5歳児かのように戯れている姿がすてきで面白いなと思った」という。俊平の起用を考えたときには、真っ先に重岡さんを思いついたと明かす。

 ◇現場を瞬時に明るく “繊細さ”も併せ持つ重岡大毅

 最初の打ち合わせでは、役柄についてあれこれと質問をせず、「感覚的」に捉えている様子だったという重岡さん。佐久間さんによると、「(重岡さんは)現場に入る前に考え過ぎてしまうと、あんまりうまくいかないから、その場の空気を一番大事にしている」と話していたという。

 そんな重岡さんの印象は、「すごく真面目で真摯」。俊平の息子・陽を演じる佐藤遙灯(さとう・はると)君とは、楽屋で話したり、常に寄り添ったりしている。佐久間さんと共に今作を手がける「私の家政夫ナギサさん(わたナギ)」(同局系)などで知られる岩崎愛奈プロデューサーは、「重岡さんは子どもへの接し方がお上手で、緊張していた陽の心をあっという間に開いていました」と話す。また、「現場の空気を瞬時にして明るく、前向きに前進させるパワーを持っている方」と続ける。

 そんな重岡さんについて、佐久間さんは「明るくて、すごくコミュニケーションがうまいというイメージがあると思いますが、それとは別の繊細さがある」と話す。「映画やドラマでの『身近にいそうなナチュラルな感じ』は、そういう繊細さから来ているんだなと思います」と分析し、「人の気持ちをおもんぱかるというか、考えてらっしゃるんだろうなと感じていて。人の気持ちを推し量っているから、繊細なお芝居ができるんだろうなと思っています」と話す。

 ◇“共有していく”という生き方

 家事をアウトソーシングするなど、皆が抑制していることを「解放していい」というメッセージが込められていた「わたナギ」を手がけた岩崎さんは、「今、世の中みんなが頑張りすぎているような感じがする」と話す。「みんなで一緒に暮らしてみる。気持ちや、生活や、子育てなどを共有してみる。ひとつのヒントと言ったらおこがましいですが、“共有していく生き方”が、ひとつの考え方になったらいいんじゃないかと思っています」と力を込める。

 一方、佐久間さんは、「一緒に住んでいなくても、相談できる人がそばにいたり、『自分はひとりじゃないんだ』『助けてくれる人がいるんだ』と実感すること。それがすごく大切ということを伝えたい。でも説教臭い感じにはしたくないので、『来週もこの人たちに会いたいな』というような気持ちを持っていただけたら」と視聴者にメッセージを送っていた。シングルファーザーを演じる重岡さんはもちろん、新しい“家族のカタチ”を描く物語も楽しみにしたい。

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