超速パラヒーロー ガンディーン:「ラゲルト」には着ぐるみのギミックもりもり “怪獣”はなぜ「可愛い」のか

NHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」に登場する怪獣「ラゲルト」 (C)NHK
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NHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」に登場する怪獣「ラゲルト」 (C)NHK

 「仮面ライダージオウ」などで知られる奥野壮さん主演で6月26日にスタートしたNHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」。車いすに乗った新しいヒーロー「ガンディーン」と共に話題となっているのが、地球侵略の先兵怪獣「ラゲルト」だ。身長12メートルで、初回から羽を広げて飛ぶ姿や四足歩行する姿が描かれるなど、形態が変わるのも特徴。「着ぐるみ怪獣としてのギミックはもりもり」という、同作のキャラクターデザイン担当・西川伸司さんに話を聞いた。

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 「超速パラヒーロー ガンディーン」のテーマは「パラスポーツ×スーパーヒーロー」。大きな夢を持ち、パラ陸上の練習に打ち込む17歳の高校生・森宮大志(奥野さん)が、仲間が作るサポート・ギアを駆使して侵略者から地球を守る……という内容。「ラゲルト」は、宇宙のどこかにある別の太陽系に存在する地球の双子星「アラート星」を支配する、エルトロン族によって飼い慣らされ、半機械化された危険生物だ。7月3日放送の第2話では、四足歩行から立ち上がり、羽を広げて飛び立つ、一連の動きで形態の変化が明らかにされ、怪獣ファンを喜ばせた。

 西川さんは、1989年公開の「ゴジラvsビオランテ」を皮切りに、「ゴジラ」シリーズで数々の怪獣のデザインを手掛け、特撮ドラマ「超星神」シリーズや「ウルトラマン」シリーズにも携わってきた。また、テレビアニメ「SSSS.GRIDMAN」「SSSS.DYNAZENON」の怪獣デザインも担当してきた。

 「ラゲルト」のキャラクターデザインについて、「(2016年公開の)『シン・ゴジラ』以降、それまでの『CGの怪獣なんてありえない』という空気がすっかり変わってしまっていたので、(今、改めて)『ラゲルト』のような着ぐるみ前提の怪獣のデザインができるのは楽しかったです」と振り返る。

 「四足歩行」「二足歩行」「羽を広げて飛ぶ」という三つの形態は、もともと台本にあった設定だ。四足歩行時と、立ち上がって、羽を広げて飛ぶ時とでは、顔の印象がガラリと変わるところに、「ラゲルト」のデザインの大きな特徴が出ている。

 西川さんによると、「四足歩行の時は顔が殻で覆われていて、立ち上がると顔が露出し、顔を覆っていた殻は翼になる、という着ぐるみ怪獣としてのギミックはもりもり」。また、四足歩行時の後ろ脚が、ウミガメのヒレのような形をしているのは、「スーツアクターが膝をついている姿を目立たなくさせるため」の工夫だとか。

 「ただこれは実際にやろうとすると難易度は高い。『絵に描いた餅』になりがちで、描いたはいいが、『これは無理だよ』と言われることはある。でも今回は、造形の方に随分と頑張っていただきました」と語った。

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 そんな西川さんにとって「怪獣」の魅力とは? 「モンスター」や「クリーチャー」とはまた違った、日本の特撮作品に脈々と受け継がれてきた「怪獣」には、人を恐怖させる不気味さと共に、見た人が感情移入できる可愛らしさや親しみやすさがある。

 「最近はローマ字表記した『KAIJU』として海外でも浸透してきましたが、例えばハリウッドにおける『モンスター』や『クリーチャー』っていうのは、どんなに姿を変えても既存の生き物のコラージュの域を出ないものでした。それは、実在する生物を連想させる生々しさこそがリアルなんだという感覚だと思いますが、日本の特撮における『怪獣』というのは、『ゴジラ』から受け継がれてきた“着ぐるみの怪獣”であることと、生物以外もモチーフになり得る、そこに大きな違いがあると思います」

 また、西川さんによると「怪獣」は、どんなデザインであっても「骨格は人」で、「仁王立ちが似合う」という。

 「『怪獣』のソフビ(ソフトビニール製フィギュア)って人気ですけど、昔のものは基本的な構造は『キューピー人形』。人型というのが親しみやすく、自分を投影できて、感情移入できる。それは(もともとのデザインが)人が入るところから始まっていて、動きを含めて、それを『可愛い』と感じてしまう人もいるんだろうなとは思います。デザインする側としては、なるべく人が入っているということを感じさせないようにしているつもりなのですが、どうしても出てしまうものなんです」と結論づけた。

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