3月にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業した女優の堀未央奈さんが、今期放送の連続ドラマに次々と出演し話題を集めている。俳優の犬飼貴丈さんとダブル主演を務める連続ドラマ「サレタガワのブルー」（MBS・TBS）では不倫に溺れる“悪女”役、ゲスト出演した唐沢寿明さん主演の連続ドラマ「ボイスII 110（イチイチゼロ）緊急指令室」（日本テレビ系、土曜午後10時）ではかつての交際相手を刺すDV被害者の女性を演じた。エキセントリックな役どころがハマり、早くも脱アイドルに成功した堀さんの魅力を探る。

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　◇ルックスは清純派、でもミステリアス

　堀さんは1996年10月15日生まれ、岐阜県出身の24歳。2013年に2期生としてグループに加入。同年11月発売の7枚目の「バレッタ」でセンターに抜てきされた。女性ファッション誌「ar（アール）」（主婦と生活社）のレギュラーモデルを務めている。

　女優としては、2019年に映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」で映画初出演にして初主演を果たす。「サレタガワのブルー」は、グループ卒業後、女優としての初出演ドラマとなった。

　乃木坂46時代は、ルックスは清純派ながら、ミステリアスな雰囲気でつかみどころがなく、ファンには“塩対応”だったことも知られている堀さん。卒業発表は堀さんのソロ曲でもある「冷たい水の中」のミュージックビデオ（MV）内で明かすといったサプライズを仕掛けたり、卒業記念フォトブックをセルフプロデュースしたりと、自身の見せ方に長（た）けたアーティストとしての印象が強い。

　また、ホラー好きとしても知られており、新設されたホラージャンル特化のフィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」で、清水崇選考委員を務めるなど、幅広く活躍している。

　◇“アイコパス”にしか見えない

　「サレタガワのブルー」では、不倫に溺れる“悪女”田川藍子を演じ、初のラブシーンにも挑戦。自分の欲望のためならどんなことでもやってのけ、不倫を悪いことだとも思っていない怖いもの知らずの悪女を熱演。「仕事で終電を逃した」と夫にうそをついて、不倫相手とホテルに行くなど、ぶっ飛んだ言動の役柄を平然とやってのけている。

　原作ファンからは“藍子”と“サイコパス”をもじって“アイコパス”と呼ばれているキャラクターだが、SNSでは堀さんについて「堀ちゃんアイコパス似合ってる」「堀未央奈さんがアイコパスにしか見えない」といった声が上がっている。

　「ボイスII 110緊急指令室」では、元交際相手からDV被害に遭う奥井由香を怪演。元交際相手に何度もナイフを突き立てるシーンや、逮捕後は返り血を浴びた姿でうつろな目を浮かべ、淡々と取り調べに応じる様子などが描かれ、SNSでは「未央奈の演技めっちゃ恐怖」「目の動きや笑顔が一番怖かった」「堀未央奈の血だらけ姿ヤバい」と反響があった。

　アイドルからの女優転向というと、正統派なヒロインからスタートするケースも多い中、エキセントリックな役柄で、独自路線を突き進む堀さん。インタビューでは、「世間の方の（私の）アイドルイメージをどんどん変えていきたい」と語っていたが、今後はどんな役柄に挑戦するのか、注目したい。